群れる事が苦手なココちゃんに、何が何でも母ちゃんの傍でいたいルイ君。
ココちゃんは家の子になってもうすぐ10年になる。
が、私の膝に座るようになったのがつい最近の事。
傍に来ても付かず離れずのところで、必ず私にお尻を向けて座る。
凄い変化があったのは豆ちゃんが弱って行く中で一日中私の手の届く所へ寝かせた頃から。
ルイ君は超甘えたで、昼も夜も必ず私にベッタリなのに
何故か他に眠る場所を見つけて夜でも来なくなっていた。
お腹が空いた時は相変わらず
『ゴヒャ〜ン』と催促する。
その訴え方は独特で、私の顔面スレスレ迄顔をくっつけて時折濡れたお鼻が私の鼻先に触れる。
いつも‥
「お腹が空いたん?ごはんにしょうなぁ」
「ごはんやで〜」
『ゴヒャ〜ン』『ゴヒャ〜ン』
かくして、ガッチリお皿は何も無かった様に綺麗に食べてくれる。
なのだけれど、食べ終わってもやはり傍には来なかった。
あの日々にルイ君を拒んだ事は一度も無い。
上にドンと乗っからないように豆ちゃんをユッタリとした箱に入れて工夫したくらいのもの。
ルイ君においてはこの甘えん坊がよく我慢してくれたなと豆ちゃんの異常事態はきっと察知していたと思う。
それがいつの間にか以前に戻ってベッタリ。。
豆ちゃんがいなくなって変わった事、ココちゃんが頻繁に膝に乗るようになり傍にいる時はこちらを向いて(お尻を向けることがなくなった)そして金色の目で私をジッと見つめる。
「ココちゃんはココちゃんでしゅか〜」
と名前を呼ぶと『ファ〜』っと100%必ずアクビで返す。
何でやろか?謎のアクビ。
寝る時は、相変わらず少し離れたお気に入りの場所。
考えてみると私が「豆ちゃんは豆ちゃんでしゅか〜」
って、病院通いの度に車の中でかける呼びかけでした。
なので家でも豆ちゃんだけにしか掛けていなかった。
もし、言葉が通じたら、
『母ちゃんそれはえこひいきだよ!』と言われるかも。
ココちゃんが10歳でルイ君が5歳。
ワクチン以外で一度も先生のお世話になっていない。
ごめんね。病院へ行く時の豆ちゃんへのエールみたいな
母ちゃんのおまじないなんよ。
ルイ君には困った噛み癖がある。甘えている時も油断するとガブリとやられる。
甘噛みが出来ない。
被害者はココちゃん。
豆ちゃんがいた時は、良く噛み付いて豆ちゃんの長毛の毛を髭みたいに口に咥えていた。
長毛の豆ちゃんの毛はいとも簡単にごっそり抜ける。
それでも、実際に激突すると豆ちゃんが強くてルイ君は必死で逃げていた。
なのに、何時もは『クゥィーン』と言う鳴き声とともに身を引いた。
今はココちゃんしか相手がいない。
時折見ていると、気が強いココちゃんが、チョッカイを出している。
ルイ君が傍にいると、何が気に入らないのか猫パンチと『シャ〜』で威嚇。ルイは下から睨む。
細くてスレンダーなココは蹲るとほぼ半分の大きさなのに向こう意気が強い。
ルイ君が噛むと、当然手を叩いて音を出したり、机を叩いたり、お尻をポンポンと叩くが、しかし甘えている時も、お尻をポンポンするので私の怒りは通じていないみたい。
噛んだ後「噛んだらあかん!!!」と叱ると目をゆっくり閉じる。
ジ〜ッと見ていると、様子を見るようにゆっくり目を開ける。
で、「噛んだらあかん!!!」と言うと今度は私の胸に顔を埋めに来てグイグイ押し付ける。
息が出来ないやろうにお構いなし。
引き離しても
『そんなの関係にゃーぃ!』
と、くっついて意地でも離れない。
爪を立ててしっかりかしがみついている
ココちゃんは容量がいいので『こりぁいかんぜよ』と思う
と視界からゆるりと消える。
怒られている本人より、見ているココちゃんが空気を読む。
つい最近に新発見した事。
私が「噛んだらあかん!」と言うとルイ君の耳がウサギの様に半分の所で折れて耳に蓋をする洋封筒のように。
『僕聞きたくない!聞こえてないよ!』
勿論、体は私にピッタリ預けて、顔は息の出来ないほど胸に
食い込んでいる。耳は蓋をして…