レオ君との日々
私の宝物だった。
 
レオ君はいつの頃からか
おはよう! 『ニャ〜』
行ってくるね!『ニャ〜』
ただいま〜!『ニャ〜』
 
必ず返事してくれるようになっていた。
可愛くて可愛くて家に居る時は何時もベッタリ
寝る時も添い寝してくれて。
ベッタリでピッタリなのです。
後ろに映っているケージの柵は私の居ない時間が怖くて
大きな大きな木製のケージを購入したがレオ君がこの中で
寝たのは数回でたまに気が向くと中で眠っていた。
 
ただレオ君はイビキをかきます。かきまくる!
そのイビキで目が覚める。
煩い子守唄でした。
人間みたく、少し揺すって見ても何てことは無い
眠たげな目を少し開けて閉じると数秒で
『gu~ gu~ ggg−gu~』
私眠れない…
会社で睡魔との闘いの為、お昼時間はお弁当もそこそこにタイマーを掛けて私も「Gu〜」
女子の広い更衣室はありがたかった。。
食後に10〜15分のお昼寝は、疲れも眠気も吹っ飛び
効果絶大だった。
 
そして、5年の月日で我が家には同居猫が3匹になり
贅沢にも愛おしさ3倍の日々でした。
レオ君は必ず豆ちゃんを抱えてる
 
ココちゃんはいっつも黙って様子を見ている
 
私の幸せ
 
そんなある日、網戸を破りレオ君が脱走した。。
(数日前に脱走防止の為、丈夫な網に張り替えた
ばかり)以前に2度脱走したのでとても気を付けて
いたのに私の不注意の一言では済まされない。
 
前に脱走した時は、お外を堪能したのかスンナリ帰って
来てくれたのに1日2日3日、そして1週間と帰って
来てくれないレオ君の事が心配で眠れぬ日。
朝早く起きて付近を探し、夜遅くにも懐中電灯と
レオ君の好きな鈴を振りながら探し歩くも出て来ては
くれず自分を責める日々は過ぎて行った。
 
2週間も過ぎたある日、家の前の落ち葉を掃除しようと
外に出た。
秋も深まり寒くなって来たそんな時季だった。
 
落ち葉を掃いていると、なんと少し離れた所に
保護された時の様に、ねずみ色になったレオ君の姿が。
あの日の嬉しさは忘れられない。
 
「レオ君 ー!!」『ニャ~ニャ~ニャ~ニャ~』
私もレオ君も駆け寄った。
真っ白のレオ君はドブネズミの様なグレーに
染まっていた。。。
 
どっしりしていた体は痩せて細くなって
 
ひたすら毛繕い
 
二度のシャンプーでもこの手(足)
(この写真を撮った時この後の
レオ君の不調など考えてもいなかった)
 
でも、それから少し経ってレオ君は突然、不調になり
食欲が無く、元気の無いレオ君は数回戻した。
慌てて病院へ駆け込んだ。
 
先生がレオ君を診た途端出た言葉
「お母ちゃん、レオ君黄疸出てるで…」
私は全く気が付いていなかった。
 
点滴と投薬のあと家に帰ると嘔吐、翌日は血も
混じった液状の嘔吐。
 
そして入院、先生にもう長くない事告げられた。
 
私は水も喉を通らない。
何か食べなくてはと、サンドイッチを買ったが鉛を
飲み込む様に重くて、何とか食べなくてはと。。
私が頼りのレオ君の為にもと思ってはいても無理でした。
 
会社から帰ると一目散に病院へ。
先生と看護師のスタッフの女性が
「あっお母ちゃん来たら大人しいなった」
「やっぱりお母ちゃんでないとあかんのやなぁ」
「さっき迄何をされるのも嫌でヘソ曲げて暴れて
手に負えんかったのに」と。
心をどっぷり残したまま帰宅した。
 
その夜
前にブログに書いたようにレオ君が急変して危ないと
医院からの電話コールに全く気づく事が出来なかった。
 
間に合わなかった。30分…

動かない目を閉じたレオ君を連れ帰り傍にミルクと
お花と1番お気に入りだった毛糸で作ったボンボリ
私の子になってくれた時、信楽から一緒に家に来た
水色の小さな象さんと新しいバスタオルに包んで
寝かせた。。
 
 
微かな唇… 
レオ君との最後のお別れに口元にスプーンで
水を入れようとした。
その時、レオ君の口元が笑うように動いたの。
口元は動かさないと見えない薄いピンク色の唇が
見えたの。『さよなら』を言うように。
 
この話は誰にも話せない話せていない。
「そう思えたのよ!」を聞きたくないから。
 
でも、ついこの前7年ぶりにレオ君の口元が動いたと言う
私の戯言初めて聞いて頂きました。
その時の優しいコメントに涙がとめどなく流れた。
 
今更だけど、レオ君が生き急いだのは、脱走を防げなかった
私に責任があると今でも自分を許せない。
 
レオ君は何処でお腹を満たしていたのだろうか、
何処でお水を飲んでいたのだろうか?
外で暮した事の無いのに何処で寝ていたのだろうか、
排泄は何処でとか。。
 
レオ君が帰ってきた後で分かったのは右の牙齒が欠けて
いた。喧嘩したのか…
 
きっと凄いストレスと戦っていたと思う。
お腹が空いて眠れない日もあっただろう。
 
私の様な不注意な親でなければ今も元気でいたはず
だろうなと未だに自分に問いかける。