今年1/22(月) 「防災番組いつもおそばに」でご紹介した神戸の被災支援ボランティア団体『おたがいさまプロジェクト』


神戸に関西初の写真洗浄の拠点を作りたい!その資金を募るため3/17までクラウドファンディングに挑戦していました。

 

見事!達成!!

 

神戸の新拠点のお披露目を兼ねた写真洗浄ボランティア活動に参加しました。

 

 

私自身は2018年、西日本豪雨の被災地のひとつ岡山県笠岡市で写真洗浄を経験して以来でした。

 

洗浄する写真、洗浄で使用するメラミンスポンジ、ビニール手袋を1人づつ用意して下さっていました。

 

 

洗浄するのは2020年7月九州豪雨の被災地の一つ熊本県人吉市で被災された方から預かられた写真です。(写真を公に公開するのは持ち主様にご了承済みです)

 

 

泥水などに浸かり時間が経つと写真表面のゼラチン層をバクテリアが食べてしまい、表面が溶け画像が失われてしまいます。その浸食された部分を、水を含ませたメラミンスポンジで丁寧に削り取るように洗います。私が洗った写真は、殆ど画像が溶けている状態でしたが、二人の人物の顔の部分は残っていたため、その部分を残すようにしました。


削り取った部分は白くなりますが、大切な部分を残すことが出来ました。乾かします。

 

その後、以前洗浄され、十分に乾かした写真の仕上げを行いました。ガーゼにアルコールを含ませて、軽く表面を拭いて仕上げます。依頼主さんの手元に写真が返されたときの笑顔を想い浮かべて作業させて頂きました。

 

作業後、インタビューしました。『おたがいさまプロジェクト』代表 大竹修さん。副代表 藤田仁胡さん(にこちゃん) 準メンバー 橋本龍之介さん(ちぇるくん)です。

 

 

-修さん、新しい拠点。おめでとうございます!こじんまりイイ感じですね。

ありがとうございます。秘密基地っぽいでしょう。ビル自体は古いですけど、去年リフォームしたばかり、白で統一されていて明るく風通しも良く、全員で作業して8人位、大人数で作業は出来ないですけど、みんなと意見を出しながら進められるようなあったかい場所になると思います。

-外を見ると海が見えていいロケーション。駅からも分かりやすい場所ですね。

阪急の王子公園駅から、またJR灘駅から、どちらも10分程度。大通り沿いにあって分かりやすく、気軽に参加できる場所を選びました。

 

*新拠点・兵庫県神戸市中央区上筒井通3丁目1-3村上ビル4F *

 



-クラウドファンディングで最初の目標は100万円でしたね。

100万円を達成したのが締め切りの2日前で、ネクストゴールで120万円に設定したらそれも達成し、最終的には174人にご寄付頂きました。ありがとうございました!

-写真洗浄のことも広めていきたいですね。

クラウドファンディングの目的の1つは、写真洗浄を知ってもらうことでもありますので、クラウドファンディングでゴールではなく、ココからスタートです。写真洗浄を広めて、写真洗浄を通じて被災された方の思い出を守るとともに、防災・減災を考えるきっかけに。何より思いやりを広げていきたいたいです!

-今日の参加者は4人。初めての人も経験者もいましたね。

小学生からご年配まで誰でも出来るボランティアです。誰にでも出来るけど被災された方の心を救うことが出来るとても大切なボランティアです。

-始める前に心のストレッチをされていますね。それが良かったです。

黙祷に近いような感じですね。現地に行って作業が出来ないので、どうしたら初参加の人に現地でやっているのと同じような気持ちになってもらうか、どうしたら被災されてないところで被災された方の心を思って寄り添って活動出来るか、と考えたのが心の準備体操、心のストレッチです。僕たちの考えている想いが伝わるかなと思います。

-ぜひ、その心のストレッチ、ラジオをお聴きの皆さんにも披露して頂けませんか?

わかりました。まず目をつぶって、下を向いて下さい、から始まります。

今から皆さんの中で大切なことを思い浮かべていただけますか?例えば愛用していた洋服、壁にかけてあるポスター、自分の日々を書き続けてきた日記、大切にしてきたアルバムやスマートフォン、家族の一員でもあるペット、関わってくれる人や友人、家族。これから皆さんが洗浄する写真の持ち主が、今、皆さんの思い浮かべたものと同じ大切なものを濁流に奪われてしまいました。今回は熊本県人吉市の写真です。遠い場所での出来事で被災された方の悲しみを想い馳せることは難しいかもしれませんが、今、皆さんが思い浮かべた悲しみを背負っている被災された方のために、今日一日寄り添う気持ちを忘れずに活動していただけませんか?今から行う写真洗浄は被災された方の思い出を守り、心を前向きにするためのとても大切な活動です。私たちだけでは出来ません。皆さんの力が必要です。どうかよろしくお願いいたします。

-この心のストレッチは重要なポイントと感じました。

僕のためにやらせてもらってる、というのが強いかもしれません。ずっと続けていると本質を忘れて活動することがあったり、そういうときに必ず悪い事というか、足元が救われるのが人生です。だから一番最初の気持ち、被災者のための活動であるという事、関わってくれる人たちのために、そして想いを繋いで活動してくれている若者たちと一緒に活動していきたいという気持ちでやらせてもらってます。

 

 


-では若者にお話を聞きましょう。副代表 にこちゃんこと藤田仁胡さん、おいくつですか?

 

今年21歳です。

 

-わか~~~い!写真洗浄を始めたきっかけを教えて下さい?

高校2年生の時、当時何かボランティアをしたいと思っていたけど、何から始めたらいいか分からなくて。その時におたがいさまプロジェクトと出会い、活動をしていく中で、これをしたいという想いが強くなって。メンバーになり約5年です。

 

 

-修さん、今や副代表ですね。

信頼がおける。誠実さがいい。年上の子もメンバーにいるんですけど素敵な子だ。21に見えない。頼りにしてます。

-にこちゃんは写真洗浄でどんなことを皆さんに伝えたいですか

写真は捨てないでほしい、思い出は守ることが出来るので、少しでも興味がある人は写真洗浄に参加してみてほしいです。

-どのような心構えで伝えていますか?

ボランティアって聞くと大変なイメージがあると思いますけど、気軽にフラッと来ただけで参加できるよ!という事を伝えていきたいです。

 

*ニコッと笑顔が素敵なにこちゃん。介護の仕事をされています*

 



-修さん、いかがですか?

写真洗浄はボランティアのすそ野を広げることが出来る活動でもあると思います。

-続いては、準メンバー ちぇるさんこと橋本龍之介さん(大学3年生)写真洗浄のボランティアに出会ったきっかけを教えて下さい。

今年2月、動画配信サービス、スマホで映画を観れるサブスクリプションで「浅田家」という映画を観ました。写真家・浅田政志さんのことを描いた作品で、その中で浅田さんが東日本大震災の被災地で写真洗浄をする場面を見て、そういうボランティアがあることを知りまして、近くでやってる団体を探したところ「おたがいさまプロジェクト」に出会って活動に参加しました。

 

*映画「浅田家」中野量太監督は東北の被災地で聞いた「1枚の写真に救われた」この言葉を伝えたくて映画を制作*

 



-初めて写真洗浄をした時、どんな気持ちでしたか?

僕自身災害の経験はなく、テレビで見る映像ってすごくショックなものが多いですけど、どこか自分の実感として持てて無かった部分があるので、被災写真を前にし洗浄する中で、実際にそういう災害が起こったこと、被災者が苦しい想いをしたり思い出を奪われたりという具体的な事柄として自分の中に落とし込めたので、そういうことを知っていれば被災地に対して考えることも皆さん変わってくると思いますし、ちょっとでも力になれたらなと思いました。

-広く写真洗浄のことをどのように伝えていきたいですか?

写真洗浄は被災地で活動することに比べると、体力が特別いるわけでもないですし、特殊な技術や知識がいるわけでもなく誰でも参加出来ます。社会全体で被災地支援をみんなでやっていこうという、そういう機運を生むようなきっかけになる活動だと思うのでぜひ参加して頂きたいです。

 

*ちぇるさんはマスコミの勉強をされていて記者を目指しています*

 

 

(寄せ書きをして依頼主に渡されます)



-さて修さん、いま預かっている写真たくさんあるんですよね。

はい。今日の作業は熊本県人吉市の写真deした。それ以外に、栃木県栃木市、令和元年に被災したところ。福島県、福井県南越前町、青森県、おそらく今後は能登の写真も預かることになります。

災害の初期のころは、自分の命を守る事、生活を優先して写真を捨ててしまう人が沢山いますけど、そのあと捨てたことを後悔して悲しまれる方が沢山いらっしゃるんですよね。写真を綺麗にしてお返しし思い出を守ることで、その人たちを前向きにする、心を救うことが出来るとても大切な活動なので、続けていき広めていきたいと思います。

 

(今回の参加者は4人。ボランティア証明書をいただきました)

被災した写真、まず乾かすという事が重要です。乾かすスペースがない、他の作業で手が回らない、やり方が分からないなど『おたがいさまプロジェクト』のHPから気軽にお問合せ下さい。メンバーも常に募集しています。インスタグラム、Facebookのフォローもぜひ!

 



(5/27 ON AIR LIST)
M1.原由子/あじさいのうた
M2.フィル・コリンズ/雨にお願い
M3.The Roots/時を繋ぐもの
M4.いきものがかり/ありがとう(リクエスト)
M5.ナターシャ・グジー/遥かに遠い空(リクエスト)
M6.青い三角定規/太陽がくれた季節(リクエスト)
M7.minmi/レイニー・ブルー