5月12日(日)「災害ボランティア愛・知・人」の災害支援131日目。ボランティア23人。作業班3班。屋根の応急処置、ブロック塀の解体など。

私は初めて狼煙町(のろしまち)で活動しました。珠洲市の市街地からだと北東部にあたりますが「能登半島 最北端」「能登半島 さいはてのまち」とも言われます。

メンバーは11人。一人暮らしだったおばあちゃまの被災家屋から、貴重品や家財などを取出す作業でした。

 



2階建ての木造の母家、その隣が10年前まで民宿をしていた建物。さらにその隣、写真手前は倉庫として使用していた建物。この3棟は、中で繋がっていますが、古い木造の母屋は地震の揺れで道路に迫り出すように崩れ傾いていました。

 

 

地震の破壊力を感じさせる亀裂、段差。

 



元日、おばあちゃまの元に訪れた息子さんと奥さまと娘さん。8畳の部屋でくつろいでいたところ、地震発生。最初の揺れで、4人とも避難しようと玄関付近へ移動した際、2回目のさらに大きな揺れに襲われたそうです。玄関付近が大きく破損していました。

 



奥さまはその揺れで、背中に何かが覆い被さるような状態で前につんのめったそうです。「玄関の僅かな隙間から外に出ることが出来ました」「靴を履くことが出来ずに避難しました」と当時の状況を語って下さいました。この玄関の下部、隙間から這い出て避難されました。

 

 

ご主人は、足にケガを負ったそうですが、しばらく気が付かず、自宅がある飯田町の飯田高校に避難した後に気が付いたそうです。とにかく避難することに必死だったようです。靴を数足、取出すことが出来たので、大事そうに持ち帰られました。

 

母家の裏手がこちら。1階が押し潰された状態でした。

 

 

ご依頼の品を取出します。

 


まず取出して、軽トラに積み込んだのは…。

 

 

雛人形でした。ガラスケースは割れる事なく綺麗な状態で見つかりました。

 

 

その後は遺影、骨壷などを取出しました。

あとは、現金が入ったおばあちゃまのグレーのポーチを探し出す作業。電動工具チェーンソー、レシプロソー、グラインダーを駆使し、男性4人が崩れた部屋を捜索。

 

 

僅かな隙間もくまなく。

 


「もういいですよ。現金もそんなに入っていなかったようだし…。」と、おばあちゃまの息子さん家族がお声を掛けて下さったのですが…。簡単にあきらめることは出来ない。

 

 

サポートする私たちも、気持ちはもちろん同じ。

 

 

その後も、何度も「もういいですよ」のお声を頂きながら、崩れた玄関付近も…。

 

 

ともかく粘り強く、一生懸命探しました。

 

 

しかし…残念ながら見つかりませんでした。悔しかった。でもみんなの頑張りはとても素晴らしかった。

 

私たちの活動を見守って下さったご家族が「いいんですよ。ありがとうございました。」と、優しい笑顔で優しく言葉をかけて下さったのが救いでした。

 

民宿をされていた建物の3階からはご依頼のファンヒーターを取出しました。

 

 

倉庫からは洗濯機。

 

 

米保冷庫などの依頼品を運び出しました。

 

 



地震後、避難所で1週間ほど避難した後、おばあちゃまは市外の施設に入られたそうです。息子さん家族は飯田町の住める状態の自宅に戻られました。今回作業した3棟は解体されます。前日5月11日(土)に公費解体の申請をされました。「いつになるかしら…。」と心配そうでしたが、おばあちゃまとご家族が一日も早く心穏やかな生活を送ることが出来ますように。