4月26日(金)石川県珠洲市へ。前回は道中、そして珠洲に着いてからも満開の桜を見ることが出来ました。今回は高速道路を運転中、若草色~濃い緑、緑のグラデーションが綺麗な山々を眺めながら一人で向かいました。

 

4月27日(土)「災害ボランティア愛・知・人」の災害支援117日目。ボランティア24人。作業班4班。貴重品の取出し、家財の運び出し、ブロック塀解体、屋根の応急処置など。

私は自分を含め8人のメンバーで三崎町へ。依頼者は一人暮らしの家主のお父さん。建物がいくつも倒壊していました。

 

 

「この広い敷地内、すべてお父さん所有の住居ですか?」と尋ねたら、そうですと。40年程前に織物工場を経営されていました。元々はお爺ちゃまが始められ跡を継ぎ、主に海外に輸出していたそうです。一部、鉄骨の建物は崩れていませんでしたが、それ以外、古い木造の建物たちは折り重なるように倒壊。かなり酷い状況でした。

 

こちらが母屋です。

 



1月1日、地震発生時、2階建ての母家の1階でテレビを見ていたそうです。大きな揺れで崩れてしまい、一時、生き埋めになりましたが、光が差す方向に這っていき、無事脱出することが出来たそうです。もし夜だったら自力で脱出できなかった。家の梁などが身体の上に落ちていたら、命は無かったかもしれない、と仰っていました。

 



この倒壊した母屋から貴重品を取出して欲しいというご依頼でした。それは公費解体を申請するのに必要な「家の権利書」そして倉庫の中の小型ポータブル電源とソーラーパネルでした。

まずは母屋の「家の権利書」を取出す作業。1階の茶箪笥の中にあるとお聞きしました。瓦を取り外します。

 

バケツリレーならぬ瓦リレー。

 

 

ビスを外します。

 

 

野地板(屋根の下地材)をバールなどで剥がしていきます。

 

 

中に進入。お父さんにもヘルメットを被ってもらい、中を覗いていただき、お話を聞きながら進めます。

 

 

メンバーが撮影。中はご覧のような状態。

 

 

中の物を取出していきます。

 

 

お父さんの洋服も何着か取出しました。私たちが途中、休憩をしているときに、シャツなどを丁寧に畳んでらっしゃいました。「着の身着のまま避難したからね」と。これでまでの約4ヵ月間、洋服も取り出せず、どのような想いで避難生活を送られてきたのだろう…。

 



当初、探していた場所の隣かもしれない、という事で…。

 

 

チェーンソーで野地板を切っていきます。

 

 

するとその下から、茶箪笥の近くにあると聞いていた食卓テーブルと椅子が!

 

コレじゃないか…!

 

 

表紙には泥が付いていましたが、まさに家の権利書です!地震の揺れで、茶箪笥から飛び出したんですね。

 

 

ボランティアに参加した愛知県春日井市の社会福祉協議会の職員が取出しました。

 



お父さん、大喜びでした!見つかって良かったと私たちも笑顔!

 



事前に写真を撮らせていただく許可を取っていましたが、権利書が見つかって嬉しくてたまらなかったのでしょう。お父さんの方からメンバーに写真を撮ってーとおねだり。私は聞き逃しましたが、この権利書を手にしたお父さん「これで一歩前に進めます!」と仰ったそうです。

 

 

その後、倉庫の中にあったというもう一つのご依頼品、小型ポータブル電源とソーラーパネルの取出し作業を行いました。

 


倒壊した倉庫などは、当初、道にせり出すように散乱していたそうです。業者が道を通れるようにしましたが、倉庫の付近はガレキが積み上がっているような状況でした。

 

 

私はお父さんに当時のお話を聞きながら作業を見守りました。

 

 

おっ!見つかった!

 

 

お父さんに確認してもらいました。

 

 

間違いありません。

 

 

ソーラーパネルも見つかりました。

 


思ったより早く発見出来ました。一緒に活動したメンバーたち、ホンマ凄いわ~。

 



被災家屋から貴重品を取出す依頼は多くあります。ボランティアたちはその要望にお応えし、貴重品を取出し、依頼主さんと感動を分かち合う、という場面がこれまでにいくつもあったそうです。


実は私、今回で貴重品の取出しは4回目でしたが、それまでの3回は、依頼主さんの一番の要望に応えらえず、正直、私が貴重品の取出し作業に加わると、見つからないジンクスが出来てしまったのではないか。内心不安に感じていました。

家主のお父さんの嬉しそうな笑顔を見ることが出来て、そして感動を仲間の皆さんと共有出来てホッとしました。そして心がこもったお礼の言葉をいただきました。

「一歩前に進める」お手伝いが出来たこと、喜ばしいことでしたが、逆に、まだ一歩を踏み出せない人も沢山いらっしゃるはず。そのことを決して忘れてはいけない。これからも出来る限り、被災された方々の様々な要望にお応え出来れば!もちろん一人では何も出来ません。素晴らしい仲間とともに。想いを新たにしました。

 

*メンバーが撮影した写真を数枚使わせて頂きました*

(4/29 ON AIR LIST)
M1.寺尾仁志 with human note/うたのたね
M2.ジョン・レノン/マインド・ゲームス
M3.絢香/みんな空の下
M4.さだまさし/ふるさとの風(リクエスト)
M5.さとう宗幸/青葉城恋唄(リクエスト)
M6.泉谷しげる/春夏秋冬(リクエスト)
M7.尾崎豊/僕が僕であるために