約1年ぶりのご出演 池田拓也さん。神戸の灘中学校・高等学校の教員です。昨年は「あすパ・ユース震災語り部隊」代表として灘高の生徒さんと一緒にご出演いただきました。

2022年5月から活動「あすパ・ユース震災語り部隊」は、高校生・大学生が阪神・淡路大震災で被災した住民から、月に1度お話を聞くなどの活動をしています。その後、メディアからの取材も増え、注目度UP。充実した活動を継続されています。



池田先生は「ふくしま学宿チームHYOGO」代表でもあり、この度、映画『1/10 Fukushimaをきいてみる2023』に出演されています。
 

映画『1/10 Fukushimaをきいてみる』は古波津 陽 監督作品。福島県出身の女優・佐藤みゆきさんが聞き手となり、福島で暮らしている人、福島から離れて暮らしている人、福島に関わっている人、年齢、性別、職業、立場など様々な垣根を超えて、一緒に福島を考えるために2013年からシリーズで製作されているドキュメンタリー映画です。2023年版は10作品目。私もこの映画に感銘を受けている一人です。

-映画に出演されることになったいきさつを教えて下さい。

そもそも福島に住んでる人や福島から避難された人がこの映画に出ていましたが、福島で学んでいる関西の高校生が沢山いるので、ぜひ!と古波津監督にお話をしたところ、2022年版に灘高の生徒2人が出演させて頂きました。そして私も出演することになりました。

-昨年12月に公開され、1月始めに期間限定オンライン上映があり拝見しました。池田先生のインタビューもガッツリでしたね。

そうですね。すごく上手に編集して頂きました。

-生徒さんたちも映っていますね。

昨年8月「ふくしま学宿チームHYOGO」で11高校、31人の生徒と福島に行きました。それも古波津監督に、高校生が福島で学んでいる様子を撮りにきてほしいとお願いして、撮影に来て頂きました。

-処理水の放出前で、処理水のことを学ぶ生徒さんの表情などが映画で観られますね。

最終日が放出する日でした。たまたまですけど。高校生たちが経済産業省の職員とのやり取りをしている場面で、思いきって色んなことを投げかけて、それに対して経産省の職員も本当に真摯に答えて下さっている様子が観られます。私が福島に若者に行ってほしいなと思ってる、一番クライマックスというか、良い部分を映画に取り上げて頂いたと思っています。

-実際ご自身、映画をご覧になっていかがですか?

私が福島に行っている理由とあの映画を観ていただきたい理由が、実は同じ部分があって、福島に行って一方的に一人の話を聞くのではなくて、出来るだけ色んな立場の人の話を聞くことをしています。あの映画を観るだけで福島に行ったように感じられるような作品と思っていますので、今回も色んなお話が聞けて良かったです。
 

-東日本大震災のとき5歳だった女子高校生のお話。「物心ついた時から被災者であるけど…。」リアルな声でした。

おぼろげな記憶の中で大きくなっている子たちの声を、今までなかなか聞ける機会がなかったのかなと思います。

-映画の中でも、ご自身の教育を山手線・環状線に例えてお話をされていましたね。

ココは関西なので環状線でいいと思いますが(笑) 小さなチャンスを常に持ちたいな、という意味の例えです。環状線は「何時の電車に乗らなきゃ」と決めなくても、すぐに電車は来ますよね。チャンスは1回きりではなく、小さなチャンスをいくつも作っていくことが、大人が出来る事かなと思っています。チャンスを作っても乗らない子もいます。良いチャンスなのに何でだろう?でもそこで嘆くのではなく、この子のタイミングは今じゃなかった。次、また次とチャンスを与える。そうしていると「ココで乗ってくるんだ!」ということがありますので、同じテンションで続けることが大事かなと思っています。



池田先生は灘高で実施していた「ふくしま学宿」の学びを、他校の生徒にも広げるため2019年「ふくしま学宿チームHYOGO」を立ち上げ、その活動の一環として「ふくしまDAY 5」~第5回 福島を知り、考える集い~ 今年も開催します。

映画『1/10 Fukushimaをきいてみる』上映会を兼ね、福島での学びを兵庫で分かち合うイベント。今年は初めて2日間開催!

・2月11日(日)15:30~
映画『1/10 Fukushimaをきいてみる 2013』上映
古波津監督アフタートーク(オンライン)
参加者同士の対話

・2月12日(月・祝)14:00~
映画『1/10 Fukushimaをきいてみる 2023』上映 
古波津監督・佐藤みゆきさんアフタートーク 
高校生の福島についての発表
参加者同士の対話


会場:神戸市立こうべまちづくり会館(元町商店街・元町通り4丁目)

 

 

2日間、地下ギャラリーでポスター展開催。『1/10 Fukushimaをきいてみる』ポスターや福島関連のポスターなど。
 

 

参加費無料・定員各80人・下記からお申込み下さい。

2/11(日)

 

 

2/12(月)

 

 

facebookページ「ふくしま学宿チームHYOGO」からも申込み可能。



-11(日)は1作品目の2013年の作品を上映ですね。

福島には2017年から行ってますけど、当時は「黙って福島に行け」と、色んなものが見えてきましたが、この5~6年で変わってきて、だんだん綺麗になったり復興してきているので見えなくなっていて人の意見も変わっています。もちろん今も意味がありますけど。2013年はどうだったのか知ってほしいです。その頃のことを忘れている人もいると思うので「そうそう2013年頃はこうだったよね」って。多分皆さん、福島に行くことを躊躇したのが2013年頃のはずなんですよね。どんな声が残っているのか。映画を通じて観ることで、その時の空気感が見えるんじゃないかと期待してます。



-昨年「ふくしまDAY 4」に参加しましたが、映画の後のアフタートークや多世代の対話が良いですね。

ストレートに入ってくる、ストーリーがない映画なので、どう感じたか、年齢や立場の違いで見えてくるものが違うので、若い人だけでなく、いろんな人にこの映画を観て、参加していただきたいです。

-伝えたいことをお願いします。

1年前に出させて頂いた神戸の「あすパ・ユース震災語り部隊」の活動も、実は福島で学んだ若者たちが、もっと自分たちの住んでる町のこと(阪神・淡路大震災)を知りたいと始まりました。自分とは遠い被災地のことを学んで、そこから足元に戻ってくる。災害で辛い経験を乗り越えるというのは大変なことですけど、その経験を糧に命を守る行動もそうですし、それぞれの経験を活かしあえるような社会になればいいなと思っています。

(1/29 ON AIR LIST)
M1.MISIA Fest. HIDE/アイノカタチ
M2.山口光貴/SOLDIERS-戦士たち-
M3.Mrs.GREEN APPLE/僕のこと(リクエスト)
M4.ナターシャ・グジー/アメイジンググレイス(リクエスト)
M5.本町うつぼ/嗚呼 立つ瀬なし(リクエスト)
M6.Bluem of Youth/Yes, we're alone