被災支援ボランティア団体
「おたがいさまプロジェクト」

代表 大竹 修さん
理事 岡 秀和さん

 



-大竹さん「おたがいさまプロジェクト」はいつ立ち上げましたか?

2018年 西日本豪雨の被災地支援をやりたいと立ち上げた神戸の市民ボランティア団体です。子ども支援、傾聴活動、そして水害など災害で被災した写真を洗浄して持ち主に返す「写真洗浄」をしています。

 



-写真洗浄に取り組むことになったのはどうしてですか?

被災した倉敷市真備町で子供たちに勉強を教えたり、一緒に遊んだり、大人には足湯や傾聴活動をやってましたが、阪神間のボランティアの人たちから沢山の問い合わせを頂きました。「現地に行けないけど何か出来ることはないですか?」阪神・淡路大震災の経験からか、被災地支援に思いを持っている人が沢山いるんですね。真備町で写真洗浄のボランティアをやっている「あらいぐま」代表・岡山さんに「この写真を預かって、神戸で洗浄してお返しするって出来ますか?」と聞いたら「丁度そういうことを考えていたんです」と。2019年6月から写真洗浄を始めました。

-そういえば、どこでも出来ますよね。

はい。このスタジオでも出来ます。

-じゃあ、今からやりましょうか。(笑)

 

 

-理事・岡さんは関学にお勤めですよね。

関西学院大学「ボランティア活動支援センター ヒューマン・サービス支援室」の職員で、ボランティアコーディネーターをしています。熊本地震現地ボランティアをしていた時に、学生が現地で学んだことや熊本の今を発信したいと、さくらFMでラジオ番組を作らせて頂きました。

 



-はい、関学提供の特別番組。私、パーソナリティを務めさせて頂きました。どうして「おたがいさまプロジェクト」に関わることになりましたか?

関学で災害ボランティアをしたいという学生は熊本地震のあとも沢山いましたが、コロナ禍で自分たちで行くことが出来ない。私たちも実際の活動と繋げないもどかしさを感じていたときに「おたがいさまプロジェクト」が神戸で写真洗浄をしていると聞いて、大竹さんに連絡して、昨年2月に関学の中で写真洗浄会をしました。大竹さんから熱烈なラブコール!を受けて、僕自身もすごく大切な活動と思っていたのでメンバーになって、気付けば理事になりました。関学の学生もメンバーにいます。

 



-大竹さん、写真洗浄の作業の進め方を教えて下さい。

写真洗浄は知らない人からすると特殊な薬品を使ってやるとか、技術力がいるのではないかと思われている人が多いですけど、実は簡単な作業です。被災地から紙のアルバムなどが届くと、写真を1枚づつカットして洗いやすい状態にもっていきます。そのあと、水とメラミンスポンジを使って洗浄。仮洗いをします。乾かして、水ではとれない汚れを、布に沁み込ませたアルコールを使って綺麗に仕上げます。

 



-私も写真洗浄を経験しましたが、写真が被災したとき、乾かすことが何より大事と現地で聞きました。

濡れたまま、泥だらけのままだと、泥の中にいるバクテリアが写真をムシャムシャ食べて、写真がどんどん見えなくなってきます。乾かすことによってバクテリアは死滅します。まだ写真洗浄のことを知らなくて、写真を捨ててしまう人が多いですが、写真は捨てなくて大丈夫です。

-被害に遭ったときに、水に浸かった家財道具を出したり、床下の泥を出したり、その間に写真アルバムなどを立てて乾かすのがいいそうですね。

そんな時間が無い場合は、濡れたままでもいいので送って下さい。こちらで乾かします。という個別の対応もやっていかなくてはと思っています。

 



-岡さん、定期的に人を募集して写真洗浄をされているそうですね?

毎週のように会場を借りて写真洗浄会をしています。昨日(1/21)は神戸・三宮のKIITOデザイン・クリエイティブセンターで行いました。大学の中で開催したり、コープこうべと連携してやったり、色んな場所で、色んな思いやりの心を持った皆さんと一緒に活動しています。年齢層は最高齢で82歳。最年少で4~5歳の子供たち、僕たちがサポートして一緒にやります。最初は緊張した面持ちで、よく分からないまま始めますけど、写真の汚れが取れていくのが楽しくなってきて「みんなの想いが伝わるよ」と言うとニコッと笑ってくれて。写真を洗うことを通じて人と人の関りが生まれることが、写真洗浄の素敵なところだと思います。

 



-大竹さん、写真を返されるとき喜ばれるでしょうね。

殆どの人が泣いて喜んで下さいますね。復興への前向きな気持ちにさせることが出来るので、写真洗浄は心のケアに繋がっていると思います。

 



-ところで、初めて神戸に写真洗浄の拠点を作るために進めているそうですね。

被災地から写真を預かり、これまで約1万枚以上を洗浄してきました。残り8,000枚以上あります。能登半島地震の写真の受け入れも表明しています。今、ある分だけでもお返しするのに5年位かかってしまいます。(写真洗浄は無料)写真の持ち主はご高齢の方が多いので、1日でも早く返してあげたい!そのために拠点を作って、写真洗浄の回数を増やすことで早い返却を目指します。
そこで拠点を作るための資金をクラウドファンディングで募っています。

 



期間は1/17~3/11まで。目標額100万円。1000円から寄付できます。「思い出を守ろう。写真洗浄の拠点を神戸に作りたい!」

↓↓↓

https://congrant.com/project/otapro/9585

 

その他、銀行振り込み、写真洗浄会の会場で手渡しも可能です。写真洗浄をやってみたい人も募集中。HPをご覧下さい。

↓↓↓

 

-写真洗浄を通じてどんなことを伝えたいですか?岡さん。

写真洗浄は誰でも気軽に出来る活動です。実際、写真を洗ってみると運動会、結婚式、お子さんとか、写真一枚一枚とアルバムを通じて、その人の人生を追体験しているかのような、とっても温かい気持ちになる活動です。一方で写真が消えてしまったり、汚れてしまったり、すごく心を痛める部分もありますけど、一枚一枚、沢山の人の手によって、リレーしながら洗浄しています。寄付での応援はもちろん、ボランティアでの参加や様々な形で、ご協力頂けるとありがたいです。

 



-大竹さん、お願いします。

全部言われてしまいました(笑)家族写真や孫、子供の写真などを綺麗にすることで、自分の心も洗われるような気持ちになります。それをきっかけに防災・減災の大事さも知ることが出来ます。何より思いやりの大切さを感じられるように運営していて、やっぱり最後は誰かを思う、支え合うことが大切だよね、ということを一人でも多くの人に知ってもらえるように頑張っています。みんなで思いやりを広げて優しい世界をつくるためにぜひ参加して下さい。クラウドファンディング応援して下さい。

 




被災地に想いを寄せていても、現場に行って活動出来ない人が多くいます。写真洗浄は被災地に行かなくても出来るボランティア活動です。また、現地にボランティアに行く人、個人などのお宅で活動する際、写真を捨てて、と言われても決して捨てないで下さい。写真を洗浄してくれるボランティアがいることを教えて下さい。洗浄して持ち主に返すことが出来ることを伝えて下さい。

 

そしてご協力下さい!私も僅かですが支援しました。

 

 

(1/22 ON AIR LIST)
M1.平原綾香/My Road
M2.植村花菜/手と手
M3.嵐/果てない空(ゲスト リクエスト)
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M6.YAMATO/月夜に降る雪