1月1日に発生した能登半島地震の震源地、石川県珠洲市(震度6強)で活動されている「災害ボランティア 愛・知・人」代表 赤池博美さんに電話インタビューしました。

 



-愛知県春日井市を拠点に活動されていますが、いつ出発しましたか?


1/2(火)機材、食材、支援物資などを積み込んで夕方4時頃に出発しました。石川県七尾市で車中泊し、3(水)の未明3時に出発、6時頃に珠洲市に到着しました。

-昨年5/5の奥能登地震の後、珠洲市で屋根の応急復旧などをされましたが、到着して被災現場を見られていかがでしたか?
 

自分が今まで経験した災害支援の中で東日本大震災に続く、ひょっとしたらこの地域だけで言えば、それ以上の被害と感じてます。殆どの家屋が全壊、半壊で、一部損壊が少しというように見受けられます。

-被災状況を目の当たりにされたとき、どのような気持ちになりましたか。


去年3ヵ月に渡って支援させてもらった、かなり想い入れのある場所で、沢山の知り合いもいるので、こんなこと言っては…絶望感、というか…。ただ、やはり支援者である私たちが、そういった気持ちじゃいけないな。やっぱり前向きにやらないといけないなと、前向きに!必ず復興は出来ると信じてますので、頑張らさせてもらってる次第です

-以前インタビューさせて頂いた時に、被災されて困っている方々に「光を見せてあげたい」「生きる希望を持ってほしい」と仰っていましたね。

そうですね。色んな災害現場を見てきていますが、やはり時間と共に笑顔が戻って…。必ずその時期は来ると信じていますので、そのお手伝いが出来たらいいなと思っています。

 



-到着された時に物資が全く無かった中で、炊き出しをされたそうですね。


やはりこの時期は寒いですし、温かい食べ物は大変喜んで頂きました。日に日に状況が変わっていまして、例えば電気、少しづつつくようになってきたり。避難所に何もなかった物資は、今は逆に過剰物資と言っていいほど集まり過ぎています。

 



-温かい食事は元気に生きようという、希望や力を与えてくれますね。炊出しはずっと続けていますか?

指定避難所で毎日行っています。それ以外に在宅避難の地域とか点在してまして、そういう所はなかなか物資が届かないんですよね。そういう所を探し出して行政と繋げたり、物資を届けに行ったりしていますし、そういう地域の炊出しも始めています。

 


 
-困っていることばかりだと思いますが、避難されている方からどのようなお困りごとの声が上がっていますか?


2日前、3日前とは全然状況が変わりますが、今(1/8現在)避難所とかで困られている、希望されているのは「風呂に入りたい」ですね。

-沢山入ってきた物資の中に、身体を拭くボディーシートや水の要らないシャンプーなど届いていないのでしょうか?

多少は届いているんですけど数が少なくて、まとまった数がないと行政も配れないとか色んな問題があって、そこをどう解消しようか、今後の課題だなと。私たちも炊き出しをした避難所の一つ、上戸小学校に自衛隊のお風呂が開設されて今日から解放されました。ただ珠洲市と言っても広いので、そこに行くことが出来ない人もいるし、皆さんが一気に行っても入れないですから。今後は行政も自衛隊も考えて拡大はしていくと思いますけど、時間がかかってしまうのではないかと思います。(1/13現在 3ヶ所の避難所に自衛隊の風呂開設。ある避難所では民間のベンチャー企業が簡易シャワー設置)

-早くお風呂に入って髪の毛も洗ったりしたいでしょうね。

そうですね。水の要らないお風呂みたいなものを提案したいなと思っています。小さな部屋にストーブを置いて暖かくしてボディタオルとかで身体を拭いて、身体を暖めてもらえる空間が作れないか検討しているところです。(その後、メンバーの皆さんと工夫し、ある避難所に手作りのテントサウナを設置されました)

 



-今後の支援についてはどのように考えていますか?

ポツポツと住宅のことを気にされる声も上がってまして、もちろん全壊、半壊家屋だけでなくて一部損壊の家屋も点在しています。在宅避難されているお宅は一部損壊の家が多くて、雨漏りが気になるとか、そういう声が上がるようになりました。ボランティアセンターのスタッフも被災者であって、非常に苦戦しているというか、いつ立ち上げてスタートするべきなのか。ボランティアセンターのスタッフだけでなく、私たち外部支援の人も含めて検討中です。スタート出来たら家屋の復旧とかに私たちも移行していくのかと思います。

-最初は車中泊だったと思いますが、寝泊まりするところは確保出来たでしょうか?


去年お世話になったお宅の一角、避難されてて、ちょっと雨漏りする空き部屋をお借りして、もちろん電気も水道もガスもないですけど寝泊まりさせてもらっています。

-今、伝えたいことは何ですか?


日本全国に沢山優しい気持ちを持ってらっしゃる人がいて、今すぐに行きたいという人がいると思いますけど、今は情報を待って、日に日に色んなニーズが変わっていきます。たくさんの力が必要な時期はきっと来ると思います。今、現地に入ってる私たちだけでなく、色んなNPOさんも入ってます。現地で活動している人たちの情報をきちんと聞いて、その人たちと連携しての支援の仕方を考えていただきたいと思います。

-今後、被災された方々の疲労やストレスは増していきますが、どうぞお力になってあげて下さい。ご安全に。


はい、ありがとうございます。

 

 


支援する側も過酷です。「災害ボランティア 愛・知・人」では定期的にメンバーが、必要な物資などを積み込み現地に届け、被災者のニーズに合わせた生きた支援を継続中です。支援金のご協力よろしくお願いします。

(振込先)

・愛知銀行 春日井支店  普通 2047764 アイチジン ダイヒョウ アカイケヒロミ

・​ゆうちょ銀行 12020 14313801 サイガイボランティア アイ・チ・ジン​


小さな気持ちが集まると大きな力になる!

 

HPで活動報告を見ることが出来ます。

https://www.aichijin.org/


写真はご提供いただきました。

(1/8 ON AIR LIST)
M1.上田和寛&愛知人オールスターズ/愛・知・人~愛を知る人々~アコースティックver.
M2.高田志麻/彩雲(ゲスト)
M3.高田志麻/今、永遠に(ゲスト)
M4.トミタショウゴ/突破口