2018年9月6日
震度7の大地震
北海道胆振東部地震

昨年取材でお世話になった
オレンジたすきで繋ぐ地域支援「ippo」
麻生敏和さんに電話インタビュー

 


(向かって左が麻生さん)

困ってる人に出来ることを!


地元・厚真町と安平町早来の
仮設住宅を中心に

支援活動をしています

高校時代のラグビー部の先輩が
札幌のパン屋「おかめや」を経営

パン屋100選に選ばれ
開店前に行列が出来る人気店です

多忙にもかかわらずこの2年間
仮設住宅の皆さんに定期的に
パンを無償で用意してくれました

 



-おかめやさんに

 恩返しをされたそうですね

仮設住宅で暮らしていた
農家さんらに
農産物の提供を呼び掛けました

恩返しが出来る!と
多くの野菜を持ってきてくれました

あるご夫婦は

立派な白菜をコンテナで11個分
「足りるか~?頼むな~!」
笑いながら置いていきました

 



その他にも、大根50本
じゃがいも200キロ

大量のかぼちゃなど

 


おかめやの従業員と
開店待ちのお客さんに渡しました

 



50代位のお客さんは
おかめやと仮設の方々の交流を
熱心に聞いてくれて涙ぐんでいました

「募金箱設置してないのかい」と
何人もの人に聞かれました

 

おかめやの社長に

お礼の手紙を

子供が手渡しました

 



丹精込めて作った

新鮮野菜で恩返し!


温かい交流を生んだ麻生さんは
お花の寄せ植えを届けたり
子供たちにはおもちゃを
夏の暑い日には
住民の皆さんにも協力してもらい
かき氷を振舞いました

エアコンがなかった
早来の仮設住宅では
エアコンを取りつけたりetc…

地元に住んでいるからこそ
出来る支援を

ずっと続けてきました



震源地・厚真町では
災害公営住宅が完成し
11月に入ってから

仮設住宅の解体が行われています

 



-どのような状況ですか?

第一期の仮設は解体が終わり
更地になっています

 


第二期は解体途中で
まだ2,3人住んでいますが
奥からどんどん壊しています

 

解体の音で

精神的にやられたと聞きました

僕だったら住めない
居づらいと思います

 

この12月に解体が終了します

 

 

仮設は出ましたが

トレーラーハウスに

住んでいる方もいます

 


-災害公営住宅はいかがですか?

10月の中旬くらいから

移られています

実際見てきました

外見はカッコいいですけど
長方形で縦にすごく長くて
使いづらいのではと思いました

 



暖房はガスで

料金が非常に高い


大地震の際は

供給がストップするので
安全面では良いですが
都市ガスの金額と全然違います


‎あるご夫婦のお宅は

ガス代が月に4万円でした

ガスだけで4万円
僕も見たことないです

 

高齢夫婦が多く
一人暮らしもいるし
国民年金だけの方もいます

これからが心配です

+++


災害公営住宅の家賃は
収入によって決められています

例えば一番安くて
2LDK 2万4千円から

仮設住宅の家賃は無し
震災前は殆どの人が持ち家でした

家賃が発生する生活に慣れていない
新しい設備(ガス)でお金がかかる
経済的な問題が重くのしかかってきます

しかし新聞やネットニュースには
災害公営住宅に移られた方の
コメントとして紹介されているのが
「広くなってありがたい」

それを読むと
「良かったね」で、終わってしまう
本質が全く見えてこない
こんな報道で果たしていいのか…

 

***

-他にはどんな声が?

災害公営住宅に

入居して1ヵ月のあるおばあちゃん


役場の人が

1回も来てないんだよね
「住み心地どうだい」とか
「なんか困っていることないかい」とか
来てくれるのが普通でないかい?

穏やかに「どう思う?」

って感じで話していて

僕の方が顔を見てるんだね~

と言うと笑ってたけどね

全てに対して寄り添ってほしい
全ての事を聞いてほしい
と言ってるわけではないけど
こんな田舎で

その対応はどうかなと思います

 

***

厚真町は人口約4500人
災害公営住宅は32戸
25世帯が入居しました(12/21現在)

お隣の安平町早来は
災害公営住宅は建設されず

仮設に住んでいた方々は
町が決めた集合住宅などに入居されました

 

昨年の取材でインタビューした

早来の阿部久美子さん

本音をたっぷり聞かせて頂きました

 

麻生さんのサプライズで

先日阿部さんと電話でお話出来ました

 

お元気そうで嬉しいです!

 




-2年間の活動
 振り返っていかがですか?

団体名は作っていますが

1人で活動しています


支援活動は
どんなにキレイごと言っても
お金がかかります

立ち上げたのが地震から半年後
そのころには世間の注目が無い
全く無いと言えば嘘になりますが
厚真町?どこの町?なんですよ

寄付も呼び掛けていましたけど無くて

使ったのは配分された義援金や
消防団に入っていたのでその報酬

ほぼ自腹でした

僕の活動に興味を持って

活動しようという人は初動は早く!

助成金を上手く申請しやりくりしないと
活動が厳しくなります

-良かったと思うことは?

 

最初からそうですけど
人として、支援を始めました

 

僕は商売人で
商売人としては間違っているけど
人としては間違っていない
という気持ちで活動しています

何年生きられるか知りませんけど
あの時何も出来なかった、とか
あの時何もしなかったという
変な気持ちにならずに
振り返えられると思いますので
それは良かったと思います

-コロナで県外のボランティアが
 なかなか活動出来なくなりましたね


去年は地方からの団体を
見かけたりしたんですけど
誰も来てないと言っていいくらい


僕はそんなの関係なし
顔見知りだと違うんですね

感染対策はもちろんしてます


地元の人間が助けるのがいい
コロナで思いましたね

災害時、当然大きな支援は必要です
ユニクロがいっぱい服をくれたとか
イオンがたくさん水を持ってきたとか

住民が喜んでてそれは必要ですけど
基本自分たちで出来る事は

しましょうよ、という話です

 


 

-今後の活動は?

初めて札幌の団体から
一緒に活動しませんかと
声がかかったんです

「NPO ボラギャング」です

子供食堂や子供向けフードバンク
防災をやっています

僕は災害発災後の活動をしてたので
合わせて何か

分かりやすいものが出来れば
よりよく伝えられると思います

 



実は仮設から災害公営住宅に

入居された方々に
お疲れ様でした!と言う意味で
ハーバリウムという
ガラスの瓶に入ったお花を
ボラギャングの企画で
子供たちが作ってくれました

 

 

皆さんに渡せました!

 



できる人が

できる時に
できるだけやればいい


それをカタチにしていきたい

 



個人的にも

繋がりが出来ました

 



これからも毎年

災害起こりますよ

大地震も…


これまでの経験と知識と繋がり
それを活用をしながら

出来る事をしていきたいです!

 



自宅を再建された方には

多肉植物をプレゼントされた麻生さん
他の被災地の支援も熱心です

ご自身のキッチンカーを
福島県白河市の
表郷ボランティアネットワークさんに提供

メンバーの中に菓子屋がいて
その方を中心に大判焼きを作り

昨年10月台風19号で被害の
いわき市に届けたり
自らの主催イベントで活用されています

 

今年になり白河市の委託で
高齢者の見守り兼ねた移動販売を
新たな車両を使いやっているそうです


福島県で活動の輪が広がっています
 

 



オレンジたすきで繋ぐ地域支援「ippo」
麻生敏和さんの活動
ホームページをご覧いただき

地元の支援にお役立て下さい

 

 

*写真は麻生さんよりご提供頂きました

(12/21放送 曲目リスト)
M1.石田裕之/とほで
M2.スーザン・ボイル/The End Of The Word
M3.Superfly/ サンディ(ゲストリクエスト)
M4.SEKAI NO OWARI/ピエロ