岩手県陸前高田市
 「和食 味彩」

 



阿部さんご夫妻が経営
東日本大震災による津波で
15年間経営されたお店を失いました

奥様の阿部裕美さん
出会いは2017年12月1日
その2週間後12月14日に
お店を再開されました

必ずお店に行く!

昨秋の取材旅で初めて

夜にお邪魔しました

 



―再開された時の

 お気持ちを聞かせて下さい

震災から6年9か月を経ての再開
すごく不安だったんですが
のれんを出して
お客様が来て下さって
嬉しくて胸がいっぱいになりました

震災以前から
鳥のからあげとだし巻き玉子が
とても人気で再開後お客様が
「懐かしい、これだ、この味だ!
震災前の町並みが浮かんでくるようだ!」

その言葉を聞いた時は
やって良かったなと思いました

―再開後、印象に残っている

 お客様を教えて下さい
 

和気あいあいと食事されていた

お父さんと3人のお子さん
料理を持っていった時
テーブルの上に写真立てがありました

お帰りの時に…

「今日は結婚記念日なんです。
結婚前によく2人で来ていたので
再開したと聞いて今日は絶対
ココに来ようと決めていたんです」

写真は震災で犠牲になった奥様でした
複雑な想いがしましたが
そのお父さんが
家族で来たいと思って下さった事
すごく有難かったですね
 

 

陸前高田市は市街地が津波で流失
10m嵩上げし
新しく町をつくりました

その新しい町で再開したお店は
プライベート感があって
ゆったりくつろげます

 


 

お席は4室
あじさい、さくら、わかば、もみじ

10畳のお座敷が2室

 



看板メニュー
これが食べたかった!

 



「鳥から南蛮ソース」


カリっと揚げた鳥も
ソースも美味
大人気で大半の方が注文

 



「だし巻き玉子」


程よい甘さに

絶妙な出汁が効いて
ふんわり食感
毎日食べたい!

鳥からとだし巻きを
中心にしたセットメニュー

「ランチ」は1000円~1200円

夜は新鮮な魚や野菜
旬を楽しめるように
「おまかせコース」
2500円からご予算に合わせて

 



実は今回のインタビュー
全国に緊急事態宣言が出される
2日前(4/14)電話で収録しました

新型コロナウイルス感染症
唯一感染者ゼロの岩手県(4/24現在)

しかし都市部と同じように

かなり影響を受けています

3月の休校宣言と同時に
3月と4月の歓送迎会の予約は
全てキャンセル

3月後半、多少予約が入りましたが
4月都市部の緊急事態宣言後
客足がパッタリ途絶えてしまいました

現在はランチ営業
夜は予約のみ

対策として
鳥からやだし巻き玉子など
「テイクアウト」を始めました!
お弁当のご予約も受付ています!

『和食 味彩』0192-47-4665

 

 




お店に心惹かれる

フクロウの絵が
飾られていました
田崎飛鳥さん(39)が描いた絵

裕美さんは震災後、3年4ヶ月間
陸前高田市の災害FMで
パーソナリティを務めていました

パンの移動販売をされている
飛鳥さんのお母様を取材し
そこで出会った飛鳥さんは
脳性まひの障害を持っていますが
絵を描くことが得意で
当時「祈りシリーズ」として
被災した公共施設の絵を描いていました

その中に
裕美さんのご両親が避難し
犠牲になった市民体育館の絵が…

市民体育館の前に
彼岸花が一面に咲いている絵
実際には彼岸花は咲いていませんが
犠牲になった方々を彼岸花に例え
心を込めて1本1本描いた作品

その絵を見た瞬間
裕美さんは泣き崩れたそうです

自宅を津波で失うなど
ダメージを強く受けた飛鳥さん
この9年の間に
少しづつ使う色が変化し
明るくなってきました

「絵は心で描くんだよ」

飛鳥さんの
色使いも、その言葉も深い

 



フクロウの絵は
いっぱい良いことがあるように
そして裕美さんのご両親が
お店の再開を喜び
見守ってくれているよという
想いを込めて描いた絵として
プレゼントして下さった宝物です

ご自宅の敷地内にある
ギャラリーに
次回はお邪魔したいと思います



ところで裕美さんは
災害FMでの勤務後
災害公営住宅の一角に開設された
「市民交流プラザ」で約2年間勤務

その際、ご高齢の皆さんから
昔の町の様子を教えてもらい
トークショー形式で
昔の高田を語ってもらう会
「昔がたりの会」を作りました

お爺ちゃんやお婆ちゃんの
津波に奪われなかった
貴重な記憶を語る会です

店再開から
しばらく活動を休んでいましたが
昨年11月に2年ぶりに開催

嵩上げした場所に出来た会場で
土の下になってしまった
以前の町に想いを馳せながら…

久しぶりにもかかわらず
多くの参加者がニコニコしながら

前の町を懐かしんでいたそうです

定期的には難しいですが
今後も続けていかれます


―変化する町の風景
 どのように見ていますか?

嵩上げ工事の最中は
とても複雑な気持ちだったんです

自分たちが暮らしてきた町を被せ
それがどんどん高くなっていく

でも工事が終わって
そこに一つづつ建物が建ち
自分たちの店も出来て
あ、こうして町って
出来ていくんだな…
自分の中でストンと
納得することが出来たんです

更地が多いですが
一つお店がオープンする度に
ワクワクする自分がいて
いいなと素直に思えるようになりました

―震災から9年
 今の想いを聞かせて下さい

震災がなければ
きっとなかったであろう
たくさんの出会いを頂いて
多くの方に支えられてきたからこそ
今があるのを実感しました

2011年3月11日の出来事は
9年経った今でも
いつも心の中にあって
亡くなった人たちも
いつも近くにいるような気がしています

ただ今までは
気持ちがすごく後ろ向きだった
町が出来たことによって
少しづつ前向きになってきて
未来を想像するようになってきました

―大震災を経験された
 お立場として伝えたいことは

災害は決して他人事ではない
いつ自分の身に降りかかるか分からない

阪神淡路大震災の時
どこか他人事で
自分の身に置き換えて
考える事が出来なかったんです

私たちあの日の朝
いつものように
1日が始まったはずだったんですが
夕方には状況が一変してしまいました

揺れの大きな地震が起きた時には
まずは高いところに避難すること

絶対に戻らないこと
ちょっと上着持ってくるとか
ちょっとガスの元栓見てくると
戻ってしまった人が
津波で犠牲になってしまったと
あちこちで聞かれたんです
なので絶対に戻らないでほしい

そして命さえあれば
必ず会うことが出来る
自分の身を守ることを伝えたいです

津波の恐ろしさというのは
経験した者にしか
分からないことですが
昨年市内に
東日本大震災津波伝承館がオープン

岩手県全体の震災の被害や
色々な記録が展示されています
こちらの方に来られたら
見て頂けたらと思います

 



裕美さんの伝えたいこと
皆さんの心の中にも
ぜひ刻み込んで下さい

大地震が発生しても
大津波が襲ってきても
命を守りましょう!

(4/20放送 曲目)
M1.一青窈/ハナミズキ
M2.坂本九/上を向いて歩こう
M3.八神純子/時代(ゲストリクエスト)
M4.スティ―ビー・ワンダー/心の愛
M5.信政誠/I am music (リクエスト)