2014年8月16日
夕方から降り続いた雨は豪雨となり
翌17日未明、大規模な土砂災害が発生しました
丹波豪雨災害から2年
忘れないでほしい
昨年担当していた番組で伝えたこと
ブログでご紹介した内容を
改めて掲載します
2015.8.12「八日市橋」復旧 (撮影:2016.8.6)
<2015.8.20 ブログから>
丹波豪雨災害あれから1年
~泣いてもだんない!!明日はわろてガンバろかいね 丹波~
兵庫県丹波市で土砂災害が発生し
1年を迎えた2015年8月17日
その日の午後、車を走らせ現場に行きました
被害が一番ひどかった市島町・前山地区
山に囲まれた町は、一見何事も無かったような
のどかな田園風景が広がっていますが
当時、川が氾濫し、実に256ヶ所で山が崩れました
山肌に目を移すとその爪跡が・・・
私が初めて丹波に行ったのが災害発生から
13日後の8月30日でした
以後、取材やボランティアで何度か足を運び
一番印象的な二人の女性にインタビューしました
2014年12月14日にボランティアに行った時
山でモクモクと作業していたら
途中からお揃いのTシャツを着た女性たちがやってきて
「ありがとうございます!」
ニコニコ笑顔で話しかけてくれました
全国各地から来てくれて「ありがとう」と
出来るだけ自分たちから声をかけるようにしていました
それが「チームだんない」
水上玲子さん 芦田亜也さん
2人は保育士の先輩後輩で
0歳~5歳の子供の保育の先生です
災害の後、個別に現場でボランティアをしていましたが
一緒に活動しようと
丹波市の保育士さん8人で「チームだんない」
というボランティアグループを結成
「だんない」は丹波の方言で「大丈夫」という意味
お揃いのTシャツの後に
「泣いてもだんない!!明日はわろてガンバロかいねぇ 丹波」
という文字が入っています
誰でも辛いとき、悲しいときがある
「泣いても大丈夫、明日は笑って一緒にがんばろう」
との想いを込めて作られました
「エエ言葉やね。勇気もらえるわ!」と
今や「だんないTシャツ」はボランティア仲間で大人気
実は玲子さんも亜也ちゃんも豪雨災害で被災しました
2015年8月16日、夕方から17日の未明にかけて
雨のみならず、すごかったのが雷
家が揺れるほど、窓がビシビシビシ割れるような音が
ずっと続いていたそうです
その音が大きすぎて、川が氾濫したり
土砂が崩れたりするほど雨が降っているとは・・・
芦田亜也ちゃんは2階建ての1階に家族3人でいました
夜中2時過ぎ、突然バーンと大きな音
裏口のドアが水圧で壊れ一気に水が入ってきました
水が流れる方向のドアをあけて対処し
持てるものを持って2階に避難
家の上のため池が決壊、土砂は大丈夫でしたが
それでも床下を乾かして
全て畳を入れられるようになったのは
11月に入ってからでした
亜也ちゃんの先輩・水上玲子さん
家は大丈夫でしたが
まもなく収穫を迎えるはずだった田んぼが被害
その田んぼの上には、山から流れてきた流木、家の柱
トイレの便座、タンスなどが無残に散乱
この災害では田んぼや畑も相当な被害をうけました
流木やゴミは家族で片付けましたが
土砂を取り除かないと田植えが出来ない
その田んぼは放置したままだそうです
生まれ育った場所が一夜にして変わってしまった
2人とも泣いて泣いて大泣きして
目の前の状況を受け入れるのに随分時間がかかりました
広島の土砂災害同様
全国各地からボランティアが集結
「なんで自費でお金や何時間もかけて
わざわざ赤の他人のために来るんやろ」
ドロを出したり結構ハードな作業も多いし
季節によって暑い寒い
でも皆さん笑いながら
声をかけあって明るく作業している
お二人も最初は困ってる人のために何か力になりたい
と思って現場に行っていましたが
あちこちから来てくれるボランティアたちと一緒に
「笑って作業することで」元気をもらって
週末、クラブ活動に行くみたいな楽しみに変わっていき
そしてそこからかけがえのない絆が生まれました
失ったものはたくさんある
今も当時のことを思い出すと胸が苦しくなる
でもそれ以上にたくさんの皆さんの力や優しさ
財産になるものをもらいましたと振り返る
丹波で出会った人と広島にボランティアに行ったり
東北に行く計画を立てたり
特に広島とは時を同じくしての災害ということで
これまでもボランティアセンターなどを通じて
エールの交換が行われてきました
2015年5月にボランティアセンターでの活動が終了したとき
「この繋がりは一生消えへん!」と言われ
涙がでるほど嬉しく、その後もさらに絆を深め
広島の災害現場に丹波の特産品を植える
「黒豆プロジェクト」も行いました
全てに感謝!!
その気持ちが伝わってきました
ところで被災した子供たちは災害のことを
どのように受け止めているのでしょうか?
子供ながらに傷ついてるところもあるし
逞しく生きようとしているところもある
雨がすごく降ると
「あぁまた土砂が流れてくるね」という子供もいる
そんなとき大人は
「そんなこと言ったらダメ」と言ってしまいがち
でもそれはかえって逆効果
亜也ちゃんは数年前
東北の保育園の園長さんに
津波ごっこをする子供の話を聞きました
目に見えない津波を想定して走って逃げる遊び
子供は声に出して
遊びに取り入れることで消化しようとしている
そして受け止めようとしているので止めたらダメ
止めたら自分の中で我慢して辛くなるので
出してあげないといけないということを学びました
ある日、砂場で山を作って
「見て先生、土砂崩れ~」と言いながら
その山を崩す子供がいました
「ホンマいっぱい崩れて怖かったもんな」
と言いながら受け入れてあげたそうです
そのように日々子供と接しています
玲子さんにとっての1年は・・・
「中身の濃い濃い1年
人に助けられ、癒やしてもらい
人の力で丹波は進んでいるのを感じたから
全ては人なんやな、と思った
丹波を大切に愛してくれている人がたくさんいてすごく嬉しい」
亜也ちゃんにとっての1年は・・・
「当たり前って絶対にない
でも当たり前に生活出来る大切さも実感
また人の繋がりって大切やねんで
ということをこの1年で
子供たちに自信を持って伝えられるようになった」
思えば20年前、阪神淡路大震災発生時
西宮も大変な被害があり
全国各地から支援・応援をいただき
ボランティア元年と言われました
災害が発生したら、全国各地からボランティアが集結
いろんな人がご縁を繋いできて
彼女たちもボランティアのバトンを受け継いだんですね
災害はもちろん発生してほしくないけど
万一どこかでおこってしまったら何かの形で恩返ししたい
「私ら、たくましくなったなぁ~!」
二人の笑顔、明るさ、優しさ、最高に素敵です
水上玲子さん、芦田亜也さん
40分にわたるロングインタビューにお付き合い
ありがとうございました
リクエスト曲は遠く離れていても心は一緒だよ
という想いをこめて
玲子さんの幼なじみ
槇原敬之「遠く遠く」をお送りしました♪








