こんにちは!

UsartDealerという名前が、「意味が分からない。覚えられない。」と社内からクレームが出たので笑、今日から「こてつくん」が更新していきます。よろしくお願いします。

 

今日は講義感想①:美のパラレリズム「似ている」から考えるの続きです。

具体作品をあげて感想を書いていきます。

 

さて、日本の文化において「似せる、真似る、写す」がいかに重要かを前回書きましたが、

今回は似せられた具体的な例を紹介していきます。

 

白隠という、江戸時代中期の臨済宗の僧がいます。

臨済宗の教えを民衆に伝えるために、軸を描いていたのであくまで「絵師」ではないのですが、数多くの作品を残してきました。

 

そんな白隠を目標とした昭和の画家 井上有一は、白隠の書にはとても敵わないと思い、目標にしたと言われています。

 

講義の際に飾られていた実際の作品の写真は探しましたがなかなか出でこずでイメージが湧きにくいかもしれませんが、、

 

「南無阿弥陀仏」とシンプルに書かれた軸2つが並べられていました。

 

文字といい、大きさを見ると正に「寄せている」印象を受けました。

 

白隠の書は、見る人の心にシンプルに入ってくるような洗練された作品であるのに対し、井上有一の書は白隠に寄せているようで、しかし時代による墨の違い、はらいの力強さに我流を含めた作品となっていました。

 

その時代独特の表現や見せ方を以って自らの「色」を乗せることで、似せてはいるものの自分の作品としていました。

 

この「似せるが、我流を含める」というものは、近代的な「写し」の姿であると学びました。

 

次回は、具体的な画像を載せながら説明できそうな作品を探して、紹介できればと思います。