観劇第3弾は、ボニー&クライド

ボニー&クライドの救われなさや報われなさ、それゆえに激しく美しいストーリーと音楽が好きなのです。

重くて暗い展開なのに、疾走感と爽快感すら抱かせる、複雑な鑑賞後の余韻を味わえる点もお気に入り。

 

私が観ることができた回は、ボニー役が海乃美月さん、クライド役が柿澤勇人さんでした。

大人っぽい外見に詩を書くのが趣味という教養があって、包容力も感じさせるボニー。

荒っぽい仕草に軟派な振る舞いだけど笑顔が素敵で、無邪気さと危うさを兼ね備えているクライド。

身軽に舞台を動き回るクライドの言動の軽さと増していく犯罪の重さが対比されているかのようで。

母性を感じさせるボニーと子どもっぽさを感じさせるクライドという印象で、

演出家や俳優、カンパニーによって役作りが違うということを改めて感じました。

 

ボニー&クライドか、クライド&ボニーかで揉めるのだけど、

ボニーの方がだんだんと肝が据わってきて、最期に向かっていったので、

パワーバランス的にやっぱりボニー&クライドの順でしたね。

ボニーのお葬式の方がクライドのお葬式よりも参列した人数が多かったのだとか。

 

カタルシスなブランチの歌も演技も良く、彼女の慈悲深さと悲壮感が際立っていました。

弟も妻も大事で、優先順位をつけられなくて、堕ちていくバック。

(姉兄に肩入れしちゃう自分を否定できない)

 

ブランチとバックの対照が、この作品のもう一つの大きな山であることがちゃんと示されていました。

テッドも「良い人」感とボニーへの執着とが入り混じった、クライドとはまた違った危うさが感じられて。

彼の行く末もそんなに明るくないんだろうな・・・

 

貧困と暴力にまみれたあの時代特有の登場人物たちがそれぞれに抱えていた、どうしようもなさ。

以前は遠いように思っていたけれど、今考えてみると思っていたよりも近いのかもしれない。

 

 

観劇前にはミロ展、観劇後にはビアズリー展に行きました。

ミロの作品を見ていると、なんか元気が出てくる気がします。

 

ビアズリーの作品は、中毒性を感じるというか、癖になるというか。

昼間からカーテン閉め切って、部屋に閉じこもって作品を作るスタイルも期待を裏切らないというか。

作品の中にオスカー・ワイルドを描きこんだりしちゃって、一周まわって好きだったんじゃないかな、

いや、この不細工さは、やっぱ嫌いだったんだろうな。

そんなに混雑していなかったとはいえ、2つの美術展と観劇をこなすのは体力的にこたえました・・・