自主坐禅2回目 | 今日と明日は絶対違う♪

最近、坐禅を始めたことは前の記事でも書きました。

京都の建仁寺の塔頭、両足院(半夏生で有名ですね)の品部東晟(しなべとうせい)さんがされている、オンライン座禅会『禅友』に入りました。

会費などはなく、あくまで喜捨となっています。まだ、自主坐禅2回目ですが、今までにない経験ができましたので、書いてみます。


まず、禅友では、オンラインで、坐禅の基本①「坐禅ってなんだろう?」、坐禅の基本②「坐禅の特殊な呼吸法『数息観』」の2回の授業を受講します。

そのあとは、自由に座ります。家でも外でも。

コミュニティ内では、オンラインでみんなで一緒に座る時間があったり、あるテーマについて話し合ったり、質問にも品部さんばかりでなく、先輩たちから答えてもらうことができます。

実際にみんなで鴨川に集まり座るオフライン坐禅会もあるそうで、時間の合う時に参加してみたいです。


私は、前回のツアーの終わった次の日の朝と、今朝と、45分ずつ家のリビングで座ってみました。

45分座っているって、退屈じゃないの?って思われますか?

実は、私のような初心者にとっては特にだと思いますが、とても忙しくあっという間に過ぎてしまうんです。


品部さんは、座る時間は基本の姿勢、呼吸を守れば、何をしても、しなくても良いと言われます。とにかく、坐禅は、自己観察の技術だと。

ということで、自己観察に忙しくあっという間に過ぎてしまう、45分なのです。


自己観察の対象は、自分の五感の変化であり、感情の変化だったりします。品部さんは、それを映画を観るように見ていくのだと仰います。

1回目は、とにかく数息観をやってみようと一生懸命でした。

鼻で息を吸い、下腹に溜め、口から細く息を出していく腹式呼吸は、声楽などと同じです。なので、これを45分やり続けると、体がポカポカしてきます。

また、息を10回数えて、1に戻るというやり方も、2回目でやっと慣れてきました。

途中に感じる、眠気や、あくびで出てくる涙の痒みなどの感覚も、放っておくと次第に消えてしまうのは、品部さんから聞いていたのですが、実際に経験できました。

膝の痛みも、2回目はだいぶマシでした。

次男が、永平寺の修行中に使った坐禅布団を使っているのですが、2回目は二つ折りにして高くしたのが良かったかも。

両膝と、お尻の3点に体重を分散するのが基本の座り方だと学びました。


そして不思議な体験というのは、

20分くらいした頃でしょうか?呼吸の感じも掴めてきたかもと思っていると、すぅーと体が軽くなり、自分の輪郭がなくなる、周りと一体になる感覚になりました。

そして、そこに小学校5年生の頃の自分がふわぁと浮かび上がってきたんです。

私は曹洞宗のお寺で育ったのですが、嫁姑の問題で、母は実家に帰らざるを得ない状況でした。私は、父方の祖父母と一緒の生活に特に不満はなかったのですが、(実は自分で選びました)母には何年も会っていませんでした。小学校で毎年絵などを描く『母の日』は、複雑な気持ちでした。母の代わりに祖母の絵を描いていたと思います。(祖母のことは大好きでした。)

そんな頃、父はその状況をなんとかしようと、みんなを内観道場へ行かせました。祖母などは、1日も持たず、すぐ帰ってきたようですが、私は5年生の春休みだったと思うのですが、一週間一般の方のお家で内観を経験しました。一時間ごとに、〇〇歳の時に、誰々にしてもらったことを考えてくださいというテーマが出され、ただただ座って考える。


その頃子供なりに家族の事情は理解していて、3歳下の弟のためにも自分がしっかりしなければいけないと考えていたと思います。

そして、今朝坐禅をしながら、その頃の自分がふぅっと浮かび上がってきて、「大丈夫だよ、そのままで、大丈夫だから〜」と思わず抱きしめました。涙がとめどなく出てきました。

幼い頃から自分を守ってくれるものが存在する感覚は、未来の自分だったかもしれません。


自分でもこんな経験は初めてで、ビックリしました。

境の無い内観、削ぎ落とす感覚をずっと求めてきた私に、ビッタリのツールが見つかったのかもしれません。