初めてのクライアント 書店へGO!
第一話 を読む⇒
本間「有留菜君、今日はクライアントの所につれていくから、ついてきてくれる?」
有留菜「はい、分かりました。どのような会社ですか?」
本間「会社っていうか本屋さんだよ。本屋さんはかなり難易度が高いよ~。」
有留菜「難易度が高い・・・。興味ありますね。」
2人は駅から5分程度のところにある山下書店に到着した。
本間「山下さん、こんにちは~。今日は新人の有留菜を連れてきました。」
すると、店の奥からゆっくりと時間をかけて山下が歩いてきた。
山下「お~、新人さんか。今回の新人はいけそうかい?」
有留菜「はじめまして、有留菜です。頑張りたいと思います!」
やる気を出した返事に山下は不機嫌そうに答えた。
山下「本間さん、この人、分かっているの?頑張られたら困るんだけどね~。不安になってきたよ。」
本間「すいません。まだ新人なんで、許してください。まだ、物を売らない事の難しさがどれだけのものか、分かっていないんですよ。」
山下「まあ、仕方ないね。じゃ、1つ質問してみようかな。有留菜さん、この書店どうしたらいいと思う?」
有留菜「いきなり、直球ですね。売らないためにどうしたら良いか?って事ですよね・・・。」
言葉に詰まる有留菜を見て山下は言葉を継いだ。
山下「まあ、今日いきなりアイデアはでないだろうね。次来るときは何かアイデア持ってきてよ。くれぐれも頑張らないでね。外歩いている人に、やる気のある本屋だと思われたら迷惑だからさ。」
有留菜「は~・・・・。」
そして有留菜のチャレンジは始まるのであった。
「初めての売れないための企画検討 」を読む⇒ 第一話 を読む⇒
新人登場!
この物語はとんでもない業務命令をしてくる会社に対して、必死に知恵を絞る新人営業マンの感動の物語です・・・・・・。新人営業マンの名前は「有留菜 何茂(うるな なにも)」。さて、彼の戦いをご覧あれ。
・
・
・
・
・
・
有留菜「本日より入社することになりました、有留菜 何茂(うるな なにも)です!よろしくお願いいたします!」
本間「元気いいね!俺がお前の教育担当の本間だ。今日からびしびしいくから、そのつもりでいてね。」
有留菜「分かりました!何でも任せて下さい。これでも仕事には自信があります!」
本間「うちのこと、よく分かっていないかもしれないから、説明しとくね。うちの会社は逆マーケティングコンサルタントなんだけど、意味分かってる?」
有留菜「逆マーケティング・・・・・?」
本間「そうそう、逆。マーケティングの逆だから、売れない戦略を立てないといけないんだよ。」
有留菜「へ?売ってはいけないんですか?意味が全く・・・。」
本間「もしかして、商品は売るのが当たり前って思ってる?うちはね、どうやったら売れなく出来るかを実践する会社なんだよね。言い方変えると、有留菜君がコンサルしたところの売上げがあがると、うちは商売あがったりなんだよね。いかに、売れないような提案をするかが、お前さんに課せられた業務なわけだよ。」
有留菜「売れない戦略・・・。なんかよく分かりませんが、変わったお客様がいるものですね。売れない工夫を教えてくれって事ですよね。そんなの簡単じゃないですか?」
本間「君は分かっていないね。普通に人通りがあるところで、商品をどうやって売れなくするかって実はものすごく大変なんだよ。気を抜くと、そこら辺を歩いている人が、これ下さい~、って来るからね。そうしたらまずいんだよ。売らないにしても工夫をしないと駄目だってこと。」
有留菜「は~~~、そういうものなんですか~。よく分かりませんが・・・。」
本間「まあ、初日だし、今日はこの会社に慣れてくれればいいから。明日以降、お客さんに合わせてあげるから。」
そして、有留菜の奇妙な新しい人生が始まったのだった・・・・。
「初めてのクライアント 書店へGO! 」を読む⇒