じつに他愛のない話だけど、妙にジワジワくるものがあるので、これも厳粛な場面で思い出してはいけないやつ。
さて、これを日本語に訳そうとして、けっこう難しいことに気がついた。 日本でスチュワーデスもといキャビンアテンダント(CA) が乗客と話す時、一種の位相語として、「丁寧な言葉遣い(敬語的表現)」が求められるからだ。
だから「Coffee or tea?」を和訳すると、
乗客に飲み物の好みを聞くならば
「コーヒーか紅茶どちらになさいますか」 あるいは
「コーヒーか紅茶はいかがですか」
ポットの中身を乗客に当てさせるならば(実際にはまずありえない状況だが)
「これはコーヒーでしょうか紅茶でしょうか」
となって、原作の「掛け詞」を表現することができなくなってしまう。
そこで考えた。CAを、日本語を母国語としない人と設定してしまう(日本語至上とか外国人差別とかいう意図は全くありません)。原作にある金髪CAに日本語をしゃべらせるわけだ。
一方、乗客を日本人という設定にする。
あと、「WRONG.」(間違いです)はそのまま訳するとちょっときつい感じになるので修正して、
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CA「こーひーデスカ紅茶デスカ?」
客「こ、Coffee…」(妙に発音が良くなる)
CA「ザンネン! 紅茶デシター」
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いかがでしょうか。
そういえば「スネークマンショー」のコントでこういうのがあった。
初代林屋三平を思わせる落語家が中国で公演をする。
そこで、
「元日に坊さんが二人来て和尚がツー」
のたぐいの小咄を日本語でやると、
会場はシーンとしている(当たり前だ)
ところが、通訳が出てきて、先ほどの「和尚がツー」の話を中国語に訳すると観客がドッとウケる。