筋筋膜性骨盤痛症候群(Myofascial Pelvic Pain Syndrome, MPPS)の診断の歴史についてです。
 

 1. 初期の認識
筋筋膜性痛症候群(Myofascial Pain Syndrome, MPS)は、20世紀初頭から認識されていました。

筋筋膜性痛症候群は、特定の筋肉や筋膜内に存在する「トリガーポイント」と呼ばれる硬結部位が痛みの原因となる状態です。これが骨盤内の筋肉にも当てはまることが次第に明らかになっていきました。

 2. 筋筋膜性骨盤痛症候群の発展
骨盤痛の原因として筋肉や筋膜が考慮され始めたのは、20世紀後半からです。

1990年代には、骨盤痛の患者の中に、筋筋膜性の痛みが関与している例があることが研究され始めました。

3. 診断基準の確立
21世紀初頭には、MPPSの診断に関する研究が進み、以下のような特徴が認識されるようになりました。
- 持続的または再発性の骨盤痛
- 特定の筋肉(例:内閉鎖筋、腸骨尾骨筋、内転筋、腰方形筋など)の圧痛点(トリガーポイント)
- 痛みが圧痛点から他の部位に放散する現象(放散痛、関連痛)

4. 診断技術の発展
最近では、超音波やMRIを用いた画像診断が、トリガーポイントの特定に役立つとされています。

また、理学療法士や専門医による触診が、診断の重要な手段とされています。

5. 多職種アプローチ
現在では、MPPSの診断と治療には、多職種アプローチが推奨されています。

理学療法、鍼治療、薬物療法、心理療法などを組み合わせることで、より効果的な治療が可能とされています。

筋筋膜性骨盤痛症候群の診断は、依然として挑戦的な面がありますが、研究と臨床経験の積み重ねにより、理解と治療法が進化しています。

 

骨盤底筋群の診断は、外から触れることが出来ないため、診断や治療の認知が進まなかったことが一つです。

 

「膀胱炎が治らない」「前立腺炎が治らない」、「肛門痛」「陰部の不快感」「下腹部痛」「腰痛」の原因治療がわからないなど、骨盤底筋からの関連痛を知ることで一歩「治癒」や「予防」に繋がるかも知れません。

 

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