反復性膀胱炎(繰り返す膀胱炎)のため、何度も抗生剤を服用すると「耐性菌」が現れます。


耐性菌とは「抗生剤」が効かない菌のことです。


若い方では、ピルを長期服用あるいは開始してから膀胱炎を繰り返す方が多いように感じます。


文献的に示されているわけではありませんが、少し女性ホルモンと陰部粘膜の事を考えてみると想像がつくかと思います。


陰部粘膜は更年期以降萎縮し、潤いが無くなり、乳酸菌の活性低下で、酸性状態が保たれなくなる事が原因と書いておりますが、それ意外にも陰部の免疫は細胞やサイトカインレベルで関わっており、いろいろな免疫応答に影響が及び得ます。


 ピルを内服される方は、低容量ピルが多く、あまり副作用は無いとされていますが、ピルはエストロゲンとプロゲステロンを低容量含み、体内のエストロゲンのサージなどが通常抑えられる事になります。人によるとは思いますが、ホルモンの影響を受けやすい方では、陰部粘膜の萎縮に繋がる可能性があると考えています。


 耐性菌の問題は、院内感染で重大な感染の連鎖を生むばかりでなく、高齢になった時に自身の感染で命に関わる事もあり得ます。


 反復性膀胱炎は抗生剤で治すのではなく、膀胱炎の原因の除去が必要です。


 ピルの内服でもプロゲステロン製剤への変更なども検討される事かも知れません。