本日は、2件前立腺全摘除術でした。


1件は、中国からの方で、日本での手術を希望されておりました。


中国国内でのライブサージェリーや講演を数回行った影響なのか、数ヶ月に一度依頼される事があります。


「尿失禁と勃起神経の温存希望」です。

 

当たり前の願いです。


 「両側から癌が検出されている」と

神経温存出来ないとされるケースも多いようです。

もちろん、癌の局在や、術中に明らかな浸潤があれば神経温存が出来ない場合もあります。


腫瘍が神経から離れていれば、ケースバイケースです。

本日は、両側の神経を温存、膀胱頸部の筋層温存、尿道組織の充分な長さと、厚みを確保出来ました。手術が終わったと同時に、尿禁制と勃起神経は温存されていると感じました。


 もう1人の方は腹腔鏡手術です。

80歳の方で、ハイリスク癌。呼吸機能などなどあまり健康ではなく、放射線治療をお勧めしましたが、「どうしても取って欲しい」とのこと。


 中葉肥大と言って排尿も悪かった事も、手術を希望される一因だったようです。

 亀田総合病院の呼吸器内科、麻酔科での評価を待ち、手術時間や侵襲度を極力最小限にする事で手術を行う事となりました。


 ロボット支援手術は頭が下がり、心肺機能や頭部への負担が、腹腔鏡手術より高くなるため、腹腔鏡手術で行いました。ハイリスクで浸潤もあるため神経は残念ながら温存できませんでしたが、確認できる範囲ではしっかりと切除できました。


 最後は、子宮頸がんで10年前に放射線療法を受け、数ヶ月前から膀胱腟瘻のため当院にいらした方が骨盤内膿瘍、左水腎症のため、ドレナージ術を行いました。今後の再建プランを立てるために、腹腔内の観察も行い、壊死した子宮、腟、骨盤膿瘍腔の切除など戦略を立てることになりました。