骨盤臓器脱のセッションにおいては、やはり「手術」の治療成績の発表が多かった。

 

 亀田総合病院からは、骨盤臓器脱の子宮切除を希望される方の子宮全摘除除術について土井医師が報告しました。




通常、LSCで行われる術式は、「子宮上部切断」と言って、子宮の体部を取り除き、子宮頸部は温存する方法です。

 術後も「子宮がん検診」が必要となるため、

「子宮摘除希望の方」にはメリットがあまりない印象があります。

 だからと言って「子宮全摘」をすると

1.「腟短縮」

2.「腟縫合部へのメッシュ露出」などのデメリットが生じます。




 

そこで、腟を切らず、メッシュ露出を防ぐ術式を

発表しています。


 子宮の頸部を温存し、頚管は取り除きます。

33例の手術経験で再発なし、感染なしでした。



海外の報告では、骨盤臓器脱を治療するのに結果が同じであれば「子宮温存」「子宮摘除」どちらを希望するか? と言う調査があり

 「子宮温存」36%

 「子宮摘除」20%

と言う調査結果があります。どちらでも良い人も44%なので、術者によって偏りがでます。


 私はどちらでも良い方は「温存」です。


骨盤臓器脱はメッシュ手術が主流になってきてますが、NTR(Native tissue repair)手術もあることも忘れてはなりません。


 そもそも再発例や重症例にメッシュが推奨されます。


 もっと踏み込むと、重症例や再発になる原因を作らないことが本当は1番大事です。


 「骨盤臓器脱は自己治癒力」で治したいものです。