本日は、遠州病院 産婦人科 向 麻利先生の

LSC(腹腔鏡下仙骨腟固定術)2件。


 2010年に静岡済生会総合病院で、子宮温存するLSCを日本で初めて施行して以来、静岡県内では、聖隷浜松病院、静岡厚生病院、富士市立中央病院、磐田市立病院、遠州病院で計6施設でLSC導入のお手伝いをしてきた。北海道から沖縄まで全国にハンズオントレーニングに出かけた日々は懐かしい。

 最近はロボット支援なども普及し、呼ばれることも少なくなったが、時より声をかけて頂く。


 子宮を温存する術式を理解して頂ける施設は、日本ではかなり少なく、先生方には、子宮温存の術式を含め、術前の評価の大切さを理解頂けるよう努めている。

 実際、LSCの術後の「尿失禁」を代表に「下腹部の違和感が取れない」「再発」に対する対象法など、患者さんからご相談頂くケースは少なくない。

 術前より尿失禁が増悪あるいは術前無かった尿失禁が現れる。術前の骨盤底の違和感を骨盤臓器脱と考えていたら、骨盤筋筋膜性疼痛症候群であった。など、臓器脱が治ればそれで良いと言う事ばかりではない。女性骨盤底疾患をLSCを通じ応用問題が解けるようになって頂くのもハンズオンの醍醐味と考えている。

 向先生に特に気に入って頂いたLSCの術式は「腟を切らない子宮全摘を併用したLSC」です。

 子宮動脈からの腟への栄養動脈が遮断されない事、腟長が短くならない事から、腟の健康(腟壁萎縮や性交痛など)には良いと評価を頂いている。

 私は基本的に、取らなくて良いものはそのままにする「子宮温存」。

 子宮を取る理由がある場合。患者さんの希望、子宮の病気がある場合は、子宮頚部筋層を温存した全摘を行っている。