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祝・浅田真央 銀メダル

女子で3Aを決めたのが18年ぶりの快挙、しかもSPとFSで合計3回。
しかも全て認定。
たかが認定、されど認定。

この「認定」一つが今のルールの中でどれだけ大変なことか!
加点も基礎点も含めてもっと評価してもいいと思うんだけどなぁ。

ジャンプに入るまでの助走が長いから?
着地後の流れが悪いから?
だから加点がつかない??


あーそうですか。
課題が高ければ高いほど、浅田真央って人は一つ一つ克服して来る事をISUの方達は忘れたらしい。
今回の大会でトドメを刺すかの如く叩きつけたキムヨナとの差。


でも、残念ながらその差を埋められないほど浅田真央は弱くない。
あの演技後のインタビュー見て、そう確信した。
彼女はきっと、これまで以上の努力と才能と根性で克服してくる。

あのときキムヨナと浅田真央との差に20点以上をつけたジャッジングを後悔するときがきっと来る。


キムヨナの点数が出た段階で浅田真央の1位は消えたと言っていい。
いや、実際はSPで4.5点差がついた時点で黄色信号だった。
いや、もっと言えば、昨シーズンからの流れを見ていれば依然として不利な状況にあるのはわかっていただろう。


それでも彼女は金メダルに拘って、そして3Aに拘った。
150点と言う銀河点を叩き出したキムヨナの興奮が残るリンクに一人飛び出していく。
重厚な「鐘」の曲にのって完璧に決めた3回転半。
誰にも文句を言わせないだけの完璧な3回転半。
スパイラルで見せた気迫と威厳。

「いつの間にこんなに上手くなったの?」
グランプリシリーズだけ見て、全日本も四大陸も見ていない人からみればそう思うだろう。

心の底から湧き上がる感情を、会場に漂う空気にぶつけながら演技を続ける姿を見て、ああ彼女は誰と戦っているのではなく、ただ「3Aを飛ぶ、ノーミスで滑る、金メダルを獲る」と言う目標を持った自分自身と戦っていたんだと思って涙が出た。


この結果は、きっと神様が「あなたはまだまだ上手くなるから、だからもう少しだけ努力しなさい」と言ったんだと思う。



もしかしたら、タラソワから与えられた課題の半分もクリアしていないのかもしれない。
この先、彼女が何歳まで現役でいるかはわからない。
またどんな困難が彼女を襲うのかもわからない。

それでも彼女は何事もなかったかのように、いつものようにニコニコとインタビューに答え、そして颯爽とリンクに立つのだろう。

栄光と挫折も紙一重。
そんな幸せな瞬間も痛みや困難も乗り越えて、そして少しだけしたたかになった浅田真央が解釈した「鐘」を、私はもう一度みたい。
もちろんタラソワプロデュースで。


それくらい私はこのプログラムが好きだ。