I love you


我 君を 愛す

と訳した生徒に対して

夏目漱石は

日本人はそんなことは言わない。
月がきれいですね。

とでも訳しておきなさい。

と言ったことは
ご多聞のことと思います。

教育というものは

一方で日本人であるということの

規格統一に端を発するものの

もう一方で

方法については

その都度の状況を鑑みて

行われるべきものと解釈します。

しかるに昨今では

杓子定規に全てを

同じ仕組みに当て込んで

何か問題が起これば

そこについての客観的な正当性を笠に来た

有名無実な方法によって

改善することが常になっております。

Iは私

loveは愛する

youはあなた

縦の糸も横の糸も解さず

ただ

私はペンを持っています。

と教える。

日本人はそんなことは言わない。

ただ

ペンを持ってるよ!

と言うばかりである。

これを主語の省略という言語学者がいるなら

そらに軽蔑するばかりである。