2024年1月21日 東京都内某所で
第23回
日本間質性膀胱炎研究会
が開催されました。
今年の会長は
県立広島病院泌尿器科の
梶原 充 先生でした。
今年の研究会のテーマは
「間質性膀胱炎を診る、ハンナ病変を見る」
です。
一般演題(7演題)から始まり、
特別講演
「膀胱鏡から始まる間質性膀胱炎の診療
~ハンナ病変を見る~ 」
演者 県立広島病院 泌尿器科 梶原 充 先生
「間質性膀胱炎を診る、ハンナ病変を見る
―AI支援膀胱鏡画像診断の活用」
演者 東京慈恵会医科大学 泌尿器科 古田 昭 先生
そして
シンポジウムは
間質性膀胱炎の手術の標準化
がテーマでした。
座長は泌尿器科上田クリニック
上田朋宏 先生で、
①「当院における膀胱水圧拡張術の手技について」
演者 南里泌尿器科医院 南里正晴(わたし!)
②「ハンナ病変の正確な診断に基づく経尿道的ハンナ病変焼灼術~標準化を目指して~」
演者 県立広島病院 泌尿器科 梶原 充 先生
③「ハンナ型間質性膀胱炎手術(経尿道的)のコツと落とし穴」
演者 東京大学 泌尿器科 秋山佳之 先生
という内容でした。
現地開催+WEB開催でした。
演者は現地集合なので東京まで出かけて行きました。
現地の雰囲気はこんな感じです。
開始前の会場の様子
本ブログでは2回ぐらいに分けて今回の研究会の個人的な感想を書きたいと思います。
各発表内容の詳細については私以外の演者の許可がないので書けません
ので
あくまでも
私の個人的な感想
です。
この点はご容赦ください。
研究会の前に幹事会があります。
私は幹事ではありませんが、評議員なのでここから参加です。
幹事会は日本間質性膀胱炎研究会の代表者が集まる会議なので毎年熱い議論が行われています。
今回もどうすれば間質性膀胱炎の診断や治療がうまく行えるのか、研究会として何をしていくべきなのかが話し合われました。
最大の目玉は、
2024年(今年)夏に
第5回間質性膀胱炎国際専門家会議
が国内で開催される計画が発表されました。
2003年に第1回目が開催され、4~5年に1回のペースで行われてきました。
世界中の専門家が集まり、熱い議論が行われる会議です。
私は佐賀大学泌尿器科所属中だった第1回目からすべての会に参加してきました。
私は、この第1回目の国際会議に参加させてもらったことをきっかけに間質性膀胱炎のことをしっかり勉強することを決心しました。
また、この会を契機に大きな変化や前進があるので患者さんにとっても朗報だと思います。
では一般演題の感想です。
7題ともとても興味ある内容でとても勉強になりました。
印象的だったのは、間質性膀胱炎の患者さんの痛みに対する薬の使い方として、トラマドールで効果が無かった場合にオキシコドンを使って除痛ができたという報告。
たしかに私もトラマドールまでは使うことがありますが、強オピオイドのオキシコドンまでは使用したことが無かったので今後の参考にしようと思いました。
あとは間質性膀胱炎の治療経過中に膀胱がんが見つかったという報告も印象的でした。
最初に膀胱がんを除外して、間質性膀胱炎と診断がついてしまうと、頻尿や膀胱痛が強くなったときに膀胱がんの可能性も頭の片隅に入れておくことは大切だと改めて思いました。
そして尿を使った間質性膀胱炎・膀胱痛症候群の診断バイオマーカーの話しも非常に興味深かったです。
将来は膀胱鏡以外でハンナ型間質性膀胱炎と膀胱痛症候群の区別がつくようになるかもしれません。
ちなみのこの発表が今年の研究会賞を受賞しました。
こんな感じで前半戦の一般演題が行われました。
質疑応答も活発で熱い議論がされました。
次回は特別講演とシンポジウムの感想を書く予定です。
佐賀県副知事の島耕作氏と佐賀県出身の大隈重信氏
この写真は羽田空港から品川駅に移動したときに見つけた
佐賀県副知事の島耕作さんです。