第33回日本排尿機能学会に参加したことは前に書きましたが、そのままになっていました。

 

今回は一般演題(口演)発表をしました。
タイトルは、

「膀胱痛症候群における拡張後粘膜出血の臨床的意義の検討」

でした。

 

数年前から検討してきた間質性膀胱炎/膀胱痛症候群(IC/BPS)の症状と膀胱水圧拡張時の所見(様子)、そして病理診断(顕微鏡検査)の疑問点のまとめでした。

 

要点は、現在のIC/BPSのガイドラインでは膀胱水圧拡張時に出現する点状出血や五月雨状出血(これを拡張後粘膜出血Mucosal beeding after distension: MBADと呼ぶ)は意味がないとされています。

 

だからハンナ病変がない患者さん(つまり膀胱痛症候群の患者さん)に水圧拡張術を行うことの意義も低い、という意見の先生もいます。

 

果たして本当なのだろうかという疑問の解決がテーマでした。

先に言うと、解決はしていないのですが自分なりの考えがまとまりました。

 

ここからは個人的な意見で、まだ証明されていません。

あくまでも今までの検討や論文を読んだ結果からの考えです。

 

ひとりごとです。

 

決して,正解でありません。

個人的な考えの整理です。

以下を読む方はご注意ください。

 

自分の頭の中の整理ですので分かりにくい文章かもしれません。

 

まず、ハンナ病変がない(膀胱痛症候群)と診断し、水圧拡張術を行った患者さんでMBADを認めた患者さんの中に、膀胱の壁の一部を採取し調べる病理検査所見(顕微鏡検査所見)がハンナ病変と似ている患者さんや明らか正常の膀胱ではない、炎症を示唆する所見を有する患者さんがいました。

 

その一方でMBADはあるのだけど病理所見にほとんど異常がない患者さんもいました。

また、MBADを認めた患者さんの中には尿道狭窄を認めた患者さんも比較的多く認めました。

 

ちなみにMBADも何もなかった患者さんの顕微鏡検査の結果は全員が全くの正常膀胱でした。

 

(なお、私が顕微鏡検査を行っている理由はあくまでも膀胱がんでないことを確認するためです)

 

不思議なことにMBADを認めた膀胱痛症候群の患者さんは、MBADが無かった患者さんよりも水圧拡張術やその後の追加治療に対する反応がいい傾向がありました。

 

私の考えとしてはMBADそのものには、従来言われているように病的な意義はないのかもしれません。

 

しかし、何らかの理由で膀胱に病変があるサインの可能性があり、無視してはいけないのではないか、ということです。

 

それは小さなハンナ病変の見落としや尿道狭窄、アレルギーや(ハンナ型間質性膀胱炎以外の)炎症などなど。

 

正常の膀胱でも水圧拡張で点状出血が出るから、病的な意義はない、という有名な海外からの論文があります。

 

ただ、その論文をよく読むと膀胱に異常がない婦人科疾患がある患者さんに(婦人科手術の前に承諾をとって)麻酔下で約800mL(!)の拡張を行っています。

それで点状出血が出たから正常者にもMBADは出る、という理論でした。
 

だけど、私たちが問題としているMBADは麻酔下で400~500mL程度の拡張で出現する出血なので見ている患者さんの像が違うのかもしれません。

 

最近の論文にも、MBADは何らかの排尿に関する症状が強くある人のほうが、(排尿に関する症状がない、もしくは軽い人に比べて)程度が強いという結果から、

「不健康な膀胱を疑うサインではないか」

という研究がありました。

 

つまり少しの拡張でMBADが出てしまう患者さんは、膀胱に何らかの異常(病変)がある。

でも肉眼では明らかなハンナ病変は分からない。

だけど膀胱になにか異変がある。

 

だから、肉眼でハンナ病変が明らかでない患者さんの中にも、(膀胱内に薬を注入する)DMSOが効く患者さんがいる。

これが、ある病院で「ハンナ病変がない」と言われた患者さんが、別の病院で「ハンナ病変がある」と言われてDMSOの注入療法を受けたら効いた、というケースが出る理由ではないか?

 

IC/BPSの患者さんの中には、原因が膀胱になく、骨盤底の筋肉や筋膜などに原因がある場合や(女性の膣やその周囲に問題がある)閉経関連泌尿生殖器症候群(GSM)や痛覚変調性疼痛の患者さんなど、いろいろな原因が混じっている。

 

膀胱に原因があればDMSOがある程度効くのかもしれないが、そもそも膀胱に原因が無ければ他のアプローチが重要。

 

その判断のためにも、外来膀胱鏡でハンナ病変が無くても、いろいろな治療で膀胱痛や膀胱の不快感が良くならなければ膀胱水圧拡張術や膀胱生検で治療方法の糸口が見つかるかもしれない。

 

だから今後の間質性膀胱炎・膀胱痛症候群に対するアプローチは、(最近の海外の論文でも述べられていますが)

症状の原因が膀胱なのか骨盤底なのかそれ以外なのかの分類をしっかりして治療戦略を立てていくことが大切。

 

患者さんの話をよく聞いて、注意深く診察をして、女性の場合は内診(膣や骨盤底に痛みが無いか)、男性の場合は直腸診で前立腺だけでなく周囲の圧痛点がないかを丁寧に調べることが大切。

 

そして分類の一助として、膀胱水圧拡張術も無視できない。

ということが今の私の考え方です。

 

今回は、教科書的なことではなく、

個人的な考えをまとめた忘備録なので正解ではありません

のでご注意ください。

 

またいろいろ勉強したことをまとめていく予定です。

 

 

おまけ

今回は文章ばかりだったので・・・・

ブログの内容とは一切関連がありません。

 

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        憧れの四代目タイガーマスク選手(引退前に撮影)と著者