2023年9月8日から千葉県まで日本排尿機能学会に行ったことは前回書きました。
で、今回は学会で聴いてきた間質性膀胱炎に関する内容の感想です。
発表内容の詳細は書いたらダメだと思うので、
あくまでも私の感想、独り言です。
ご容赦ください。
まず、学会賞候補口演と一般演題口演からです。
学会賞候補(基礎)から
膀胱組織におえる慢性炎症性疾患の包括的ゲノム病理解析
東京大学 秋山先生
ヒト乳歯歯髄幹細胞を用いた間質性膀胱炎に対する根治的治療法への挑戦
九州大学 岡部先生
↑
学会賞受賞演題!
学会賞候補(臨床)
からは間質性膀胱炎に関する演題なし
一般演題(口演) 間質性膀胱炎・膀胱痛症候群より
①実験的自己免疫性膀胱炎モデルラットの特性と間質性膀胱炎・膀胱痛症候群(IC/BPS)
(株)サザンナイトラボラトリー 西島先生
②排尿痛を有する女性下部尿路症状に対する猪苓湯の有効性及び安全性の探索的研究
原三信病院 武井先生
③間質性膀胱炎に対するDMSO注入療法のリアルワールドにおける臨床的検討
京都大学 齋藤先生
以上です。本当はもう一つDMSOに関する演題があったのですが悪天候のため演者の先生が帰らないといけなくなり演題取り下げになってしまいました。
そこで一般演題から得た感想です。
昨年の本学会では京都の上田先生が臨床部門の学会賞を受賞されました。
今年は基礎部門で間質性膀胱炎に関する基礎研究が学会賞に選ばれたので「間質性膀胱炎」の研究が重要課題になっていることが分かります。
間質性膀胱炎の病態の解明、治療薬の開発が進んでいるのだと実感しました。
現在の治療としてはジムソ(DMSO)の使用経験が多く発表されるようになってきました。
他の施設の発表を聴いていてもDMSOには抗炎症作用が強く、痛みの症状にはよく効くという印象でした。
「明らかなハンナ型間質性膀胱炎」には良く効く
のだなあと思いました。
やっぱりハンナ病変の診断が大切
なのだと思いました。
ハンナ病変を見慣れている医師の間でも「ハンナ病変」に対する認識が異なっていることは我々仲間内でもよく議論されます。今回のジムソの発表の時に、会場にいたある先生からのコメントで「ハンナ病変を見慣れている医師たちがあつまって答え合わせをしなければならないのではないか?」という提案がありました。
なるほどなあと思いました。
現在の課題はDMSOで症状が良くなった患者さんに対して
いい状態を維持させるためにどうしたらいいのか
ということでした。
漢方薬は私もよく使うのですが、間質性膀胱炎治療薬のひとつとして使い方をマスターしておくことは大切だと思いました。今回の発表は「猪苓湯」を使った研究でした。
学会会場では痛みに対しては「芍薬(シャクヤク)」が入った「五淋散」のほうがいいのでは?とか「清心蓮子飲」がよく効いたなど様々な意見が出ていました。
漢方薬はその患者さんに合った薬を選ぶとよく効くことがあるのでこれからももっと勉強する必要があるなあと思いました。
でも漢方薬の処方は奥が深く、いろいろな意見や考え方があるので難しいです。
ということで、学会賞候補演題、一般演題の感想でした。
次回は教育セミナーとシンポジウムを聴いてきた感想です。
まだバタバタしている毎日なので次のブログもしばらく後になるかもしれませんが、学会参加の記憶が薄れる前に書くつもりです。