2023年5月26日(金)~27日(土)にかけて滋賀県大津市で開催された、
第36回日本老年泌尿器科学会
に出席しました。
26日(金)は当直明けの朝6時に医院を出発し、
佐賀駅→博多駅→(新幹線)→京都駅→大津駅
という長旅でした。
今回は医院の
看護師さん3名も学会に参加
してもらうことにしました。
老年泌尿器科学会は毎年最終日に看護師さん向けの講習会
排尿機能検査士講習会
があるので出席希望の3名も学会から参加です。
で、その初日です。
特別講演
アルツハイマー病研究の最前線
滋賀医科大学 遠山育夫 先生
の講演を聴きました。
アルツハイマー病の最新の研究が内容でした。
脳にできる「老人班」がアルツハイマー病のスタートなのですが、認知症が発症する20~30年前からその「老人班」の蓄積が始まっているという話に衝撃を受けました。
だから早期からの治療が大切なのでいろいろな研究が進んでいるとのことでした。
特別企画は
滋賀県排尿支援プロジェクト
について
滋賀県健康医療福祉部
角野文彦氏による講演でした。
滋賀県の県民調査で4人に1人は尿失禁を経験しているけども
9人に1人しか病院を受診していない、
そして6割の人があきらめている、
というデーターから行政も積極的に排泄ケアに取り組んでいるとのことでした。
排尿に関する悩みは相談先がなかなかないので滋賀県では
「排尿サポーター」や「排尿支援員」、
そしてそれらを育成する「排尿支援リーダー」
を作っているそうです。
気軽に相談できる窓口を作るという発想に感銘を受けました。
基調講演は
「高齢者がん診療ガイドライン」
がタイトルで
東京大学 久米春喜教授の講演でした。
超高齢社会に入り、高齢者のがん治療をどうしていくかという内容でした。
確かに同じ年齢でも高齢者のがんにおいては複雑で個々の対応が必要になります。
高齢者のがん治療に耐えられる体力や生理的機能を評価する指標はあるけどもそれだけでは判断が難しいことが問題だと思いました。
引き続きシンポジウム2
高齢者のがん治療:薬物療法
を聴きました。
腎がん、膀胱がん、上部尿路上皮がん、前立腺がんに分けて「高齢患者さんの治療」を切り口にした講演でした。
最新の腎がんや膀胱がんにおいては新しい薬がたくさんあり、それは使用が難しい面があるので私たちの医院では使うことがありません。
だから話が分かりにくいところや難しいことがたくさんありましたが、今後はこの分野についても基本的な情報はしっかり勉強しておくべきだと思いました。
最後に
一般口演
を聴きました。
当院でも取り入れる予定の低侵襲である前立腺肥大症手術の報告や高齢者における骨盤臓器脱の手術で患者さんの生活の質が上がったという発表を拝聴してきました。
早朝から佐賀を出て、直接会場入りして最後まで勉強をしてきたのでくたびれました。
それでも
学会懇親会には参加
しました。
当院から参加した看護師さんたちは別行動で大津の街を楽しみたいとのことでしたので懇親会はひとりで参加・・・。
でも余興など華やかでした。
普段なかなか会えない先生方ともお話しすることができて有意義でした。
のちに実は「超有名店」だったと知り、
もっとたくさん食べておけば良かったと後悔したのが
CLUB HARIE のバームクーヘン。
懇親会後は師匠である原三信病院泌尿器科の武井実根雄先生と総合せき損センター泌尿器科の高橋良輔先生と静かな大津のBarで意見交換会を行いました。
そして翌日の
学会第2日目が私の発表
でした。
第36回日本老年泌尿器科学会に参加して②へ