2月27日(月)は診療を早めに切り上げ、
JRに乗り込んで博多駅へ!
第4回九州ICカンファレンス
に参加するためです。
九州ICカンファレンスとは、九州地区の泌尿器科医を対象とした間質性膀胱炎に関するWEB勉強会です。
代表幹事が福岡市の原三信病院泌尿器科 武井実根雄先生で私と飯塚の総合せき損センター泌尿器科部長の高橋良輔先生が幹事を務める小さな勉強会です。
基本的にWEBを使った勉強会です。
今回は私が一般演題として
「クリニックにおける間質性膀胱炎・膀胱痛症候群
― 当院における診断から治療までの流れ―」
を発表し、
特別講演が
東京女子医科大学付属足立医療センター
骨盤底機能再建診療部 泌尿器科 教授
巴 ひかる 先生
による
「間質性膀胱炎(ハンナ型)に対するDMSO膀胱内注入療法」
でした。
私だけ佐賀在住なので、いつも佐賀市内のホテルから一人でしゃべっています。
こんな感じですが、
今回は違います。
みんなと一緒です。
コロナも少し落ち着いているので福岡会場で関係者4人が集まってWEB配信をすることになりました。
私の講演のポイントは、
1)「間質性膀胱炎・膀胱痛症候群」らしい?と症状や経過で判断したらなるべく早めに膀胱鏡を行うということ
→ ハンナ病変があるのかないのかでその後の治療や経過が大きく異なるから。
2)ハンナ病変があれば、なるべく手術(ハンナ病変焼灼術など)を行ったほうがいいこと
→ 診断がはっきりすることと治りが早いから
3)膀胱痛症候群(BPS)は難しい
→ 婦人科や心療内科など他の科との連携も必要になる
でした。
巴先生の講演は間質性膀胱炎・膀胱痛症候群の定義から診断、治療までのまとめとDMSOの歴史や作用のメカニズムなど詳細な解説がありました。
あとでのディスカッションでも議論になったのが
DMSOを使うタイミング
についてでした。
ほぼ全員の一致した意見として、ハンナ病変の手術を行ったあとが注入による痛みも軽くいいのではないかということでした。
巴先生の研究(論文あり)では、ハンナ型間質性膀胱炎に対して手術後にDMSOを入れたほうが症状改善の効果が高かったようです。
DMSOは注入の時の刺激症状(痛み)が強い場合があるので治療を躊躇することもあるかもしれませんが、ハンナ型間質性膀胱炎の診断がはっきりしていれば効果は高いことは当院での検証(論文あり)しました。
DMSOの使い方に関しては主治医の考えもあるし、まだ絶対的な正解はないと思います。
主治医の先生とよく相談して、もっともよい方法を考えることが大切だと思います。
私は約20年前、泌尿器科医になって5年目頃の
原三信病院泌尿器科在籍中に武井実根雄先生に間質性膀胱炎をはじめ排尿に関する病気の基礎や臨床、手術手技を教えてもらいました。
その後の医師としての経験の中で分からないことや困ったことは東京女子医大の巴先生に学会会場でお会いした時やメールで指導してもらって現在に至っています。
原三信病院の手術室で武井先生と巴先生の二人から女性尿失禁の手術を直接指導してもらったこともありました。
私の泌尿器科医としてのキャリアにおける偉大な父と母(?)の前で講演できたことはとても光栄でした。
とても勉強になった一夜でした。