2023年1月22日に東京某所で開催された第22回日本間質性膀胱炎研究会の内容については前回のブログで書いた通りです。

 

今回は番外編として、

その他の

プチ情報を書ける範囲で報告

します。

 

 

まず研究会前に開催された幹事会の様子です。

 

私は評議委員なので基本的に発言権はないのですが幹事の先生方の発言のあとに追加意見を求められることがあります。

 

幹事会はいろいろ自由に発言できるアットホームな会です。

いい先生たちばかりです。

 

今回はブログを通して集めた患者さんの声を携えての参加なのでチャンスがあればひとつでも多くの声を届けるつもりでした。

 

会議の中で評議員の数を増やすという計画がでました。

 

どのような基準で誰を選出するかという話になったときに

「近くに間質性膀胱炎の診療に応じる医師がいない」

というブログで集めた患者さんの意見があったので

そのことを伝えました。

その結果、

今後の評議委員を選出するにあたり、

地域性も考慮する

ということになりました。

 

あとは日本を含め東アジアの研究が世界的に見てもトップを走っているけども、欧米の研究者の考え方との間に違いがあるためなかなか英文専門誌に日本発の論文が採択されないという問題もでました。

論文が掲載されて評価されなければ研究は進まず、

あたらしい治療薬も開発されません。

 

研究をさらに進め、英文の論文をたくさん書いて、それが掲載される場所もみんなで協力して作って診断・治療を発展させよう!

という熱い議論がなされました。

 

患者さんの声の中に

「もっと患者のために研究をがんばってほしい」

というのがありましたが、

みんな頑張っています!

 

現在、新薬の治験が進んでいるのですが、あらたに別の企業もこの領域に参加してくるという情報もありました。

 

企業の参入があれば治療薬の開発も一気に進むのでこれも朗報だと思いました。

 

あとは新刊の

「患者さんの理解のために-間質性膀胱炎・膀胱痛症候群」

の紹介もありました。

 

 

 

 

 

 

「約50ページの薄い本なのに2750円はちょっと高いのではないか?」

という幹事の先生からの発言がありましたが、

 

これに関しては、私の意見ですが

1)執筆陣が全員東京大学で間質性膀胱炎・膀胱痛症候群の研究をしている第一人者であり内容の正確性が保証されている。

 

2)他の関連書籍はすべて廃刊になっており、アマゾンなどの中古本市場で5000円以上で取引されている。

 

3)カラー写真が豊富で見やすい。

 

4)そもそも患者さんの数が多くないのでたくさん売れない(?)

ことを考慮すれば妥当な値段だと思っています。

 

ちなみに、これはもう言っていいと思うのですが、

著者のひとりである本間之夫先生のご厚意で、出版前、この本の原稿ができたときに内容を読ませて頂きました。

 

これは私が本間先生に、

「患者さんから信頼できる関連書籍が無いという声が多数ある」

と直訴した時に、

「実はすでに解説本のプロジェクトが進んでいるのだ」

と言われて特別に見せてもらったのです。

 

そして私が持っている「ブログから集めた患者さんの声」から得た意見も少し反映させてもらうことができました。

 

だからこの本の中には

このブログを読んでいる患者さんの声

も、ほんのわずかではありますが、入っています!

 

研究会の内容は前回のブログに書きましたが、あまりいろいろ書きすぎると怒られるかもしれないのでほどほどにしました。

 

なのでひとつだけ。

 

シンポジウムで印象に残ったのが

「精神ストレスが膀胱知覚に異常を及ぼす機序の検討」

でした。

精神ストレスが膀胱尿路上皮の透過性に影響を及ぼして頻尿や痛みを感じやすくなるというメカニズムの研究でした。

 

やっぱりストレスは間質性膀胱炎・膀胱痛症候群の症状悪化につながるので、病院を受診したことでストレスが悪化したということがないように我々も注意しながら診療を行い、患者さんのストレス緩和につながる医療を提供しなければと痛感しました。

 

ということで、いろいろ

学びが多い研究会

でした。

 

佐賀から思い切って現地まで出向いて参加したかいがありました!

 

帰りは羽田空港で師匠の原三信病院泌尿器科の武井実根雄先生とふたりで夕食をしながら間質性膀胱炎研究会で勉強したことの復習と議論を出発時間(私は佐賀空港行きですが)まで熱く行いました。

 

今後の私の課題として食事療法について検討することにしました。

なかなか外来で食事療法についてコンパクトに説明することができず、保険点数もないという問題があります。

保険点数がつけば管理栄養士さんによる指導も可能になるので重要な課題だと思っています。

 

あとは欧米の研究者とも議論できる知識と技術を習得するぞと決心して佐賀へ戻ってきました。

 

 

それで、

非公開だった東京の会場ですが

東京駅八重洲口近くのビルでした。

 

ここ数年は東京駅八重洲口周辺で開催されているので佐賀の田舎者で超方向音痴の私でも迷いません。

 

いつも研究会が始まるまでの空き時間に八重洲ブックセンター本店に行って本を見て回ることを楽しみにしています。

 

 

今回も八重洲ブックセンターに行きました。

 

そしたら、今年の3月で閉店になるとのことで

ショック

でした。

 

でも、

あとで調べたら街の再開発のための一時的な閉店らしいのでホッとしました。

 

これが目印ですね。

 

 

2月には九州IC研究会が開催されます。

WEB開催ですが発表もあるので準備をしなくては。

 

あとは間質性膀胱炎(ハンナ型)の指定難病について解説する仕事もしています。

 

いずれも完了したら内容をブログにまとめます。

 

間質性膀胱炎・膀胱痛症候群の臨床研究も行いながら、日常の泌尿器科外来診療や手術も全力でがんばっていきたいです。

その中で気づいたことの勉強や課題もたくさんあるし、

やりたいこと、やらなければならないこともたくさんありますが、

理想の泌尿器科医になれるように努力を継続していくつもりです。