新町 フランス料理「Ruisseau」 若きシェフの豊かな感性 2015.11.05 | 食の夢先案内人

食の夢先案内人

美味しい料理とお酒がいただけるお店。料理と真剣に向き合っておられる素晴らしい料理人の方々。私なりの観点でご紹介させていただきます。
(味と香りの邪魔をするものが無い、完全禁煙のお店のみのご紹介になります。)

西区新町にあるフランス料理「Ruisseau リュイソー」。

オーナーシェフは7年前にエコール辻大阪を卒業された小川真司さん。
肥後橋「ルール・ブルー」、パリの「ステラマリス」、北新地「Casa-M」の料理長を経て独立。
まだ26歳の若さながら「ステラマリス」ではガルドマンジェとパティシエを任されたという実力の持ち主。





店名はフランス語でシェフの名字である「小川」。





お寿司屋さんだった店舗を改装し、カウンターとテーブルは全て靴を脱いで寛げる設計。


メニューはおまかせで。







ワインはシャンパーニュ、アルザスのシルヴァネール、モレ・サン・ドニの3本。


シャンパーニュは「ダニエル・デュモン グラン・レゼルヴ」。
キレがありながらハチミツのような甘い余韻が長く続く。





アミューズは生シラス。
黄柚子の素晴らしい香り。彩を添えるのは食用菊の「もってのほか」。
もちろん臭みなどは全く無く、生シラス独特の、ほのかな苦味が心地よい。





白ワインはアルザスの「リーフェル シルヴァネール グランクリュ ゾッツェンベルク 2013」。
ビオディナミで造られ、ボリューム感があり豊かなミネラル分を感じる。
少し時間が経つと、酸がまろやかになり更にふくらみを持つ味わいに変化する。





最初のオードヴルは2種類のフォアグラ。





フォアグラ・犬鳴豚・ドライいちじくのテリーヌ。
甘くてフルーティーな、ぶどう果汁に漬け込んだマスタードをつけていただくと、旨みがより引き立つ。







瓶の中で火を通したフォアグラのペーストとパンデピス。
フォアグラは余分な脂肪分が抜け、味も香りも濃厚に。
自家製のパンデピスは、小麦粉・蜂蜜・スパイスのみで作られている。
ややクローブの効いた香りがフォアグラと見事にマッチ!

パンデピスの中心部には、乾燥を防ぐために粉糖と水で作ったグラスアローが塗られている。





佐賀の黒いちじく。




続いてのオードヴルは帆立貝とボタン海老のサラダ。
絶妙の火入れで、ソースはマスカルポーネチーズとバルサミコ酢。


パドルフィッシュのキャビアが添えられている。
アメリカでヘラチョウザメの卵から作られていて、チョウザメのキャビアに近い味わい・香り・舌触り。


キャビアの塩分、マスカルポーネチーズのコク、バルサミコの酸味と、帆立貝・ボタン海老の味わいが最高の組み合わせ。
マスタードリーフの辛味と、驚くほど甘いホオズキトマトも名脇役。







赤ワインは、ミッシェル・マニャンの「モレ・サン・ドニ モン・リュイザン 1996」。
20年弱の熟成を経た、まさに飲み頃!
ピノノワール好きには堪らないこの香り。





スープは、天然のヤマブナシメジ、クレソン、銀杏が入った牛肉のコンソメ。
茸の旨みが溶け込んだコクのあるスープは、今の時期最高のごちそう。
ここにも黄柚子の素晴らしい香り。


日本が誇る柚子の香りを効果的に使う小川シェフのセンスの良さ!





鱈白子はムニエルにしてケッパーと粒マスタードのソースで。
香ばしい衣とクリーミーな舌触り。
シンプルながら、このソースは唯一無二の組み合わせ。
添えられたセルフィーユの素晴らしい香りが印象的。





メインはツムラの河内鴨胸肉のロティ。
その身の厚さと美しいロゼ色の焼き上がりに、ため息が漏れる。
ソースは数種類の国産茸(椎茸、舞茸、カキノキダケ、エリンギ)と海老芋のピューレ。
凝縮された茸の旨みと海老芋のコクとなめらかさ。
茸と河内鴨の心臓のソテーも、心憎い付け合わせ。





小川シェフが「全く違った味わいになります。」と出していただいたのは、鴨のダシにクミンとバターを加えたもの。
なるほど、小さじ一杯で異国情緒漂うエスニックの世界が口の中に広がる!
私の笑顔に小川シェフもニッコリ。





デザート盛り合わせ。
 ・ キャラメルのアイスとチョコレートのムース
 ・ 生姜風味のクレームブリュレ
 ・ クイニーアマン
 ・ フロマージュブランのアイス
 ・ 佐賀の黒いちじくのブリュレ
 ・ マスカット


キャラメルのアイスとチョコレートのムースの間には、パッションフルーツのジュレ。
クレームブリュレと生姜の組み合わせは絶品!
ブルターニュの地方菓子・クイニーアマンは、バターのコクと塩分と甘みがグッと迫ってくる。





食後酒はアンリ・ジローの「ラタフィア ド シャンパーニュ」。
ブランデーを添加した酒精強化ワインをオーク樽で熟成させる。
ブドウはピノ・ノワール70とシャルドネ30。
その複雑で甘い香りと長い余韻に浸りながら、いただいた料理を頭の中で振り返る。


小川シェフの豊かな感性を感じる素晴らしい料理。
またよろしくお願いします!


**********************


リュイソー (Ruisseau)
大阪市西区新町3-9-7
06-6531-3334

不定休

完全禁煙



facebookもよろしく!
https://www.facebook.com/hirofumi.tanaka.79/posts/522281414596789?notif_t=like