内村&羽生対談3《後編》書き起こし | 羽生結弦さんの見つめる先を見ていたい

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羽生結弦選手を敬愛しています。羽生さんを応援する素敵ブログ様方を日々の心の糧にしている、ソチ落ち主婦のブログです。(横浜在住)

本日、2本目の記事です。

内村航平&羽生結弦対談【完全版】の《後編》です。
《前編》《中編》はこちら↓

なお、秀さかえ様は、Twitterに投稿された動画を2日程で削除すると表明されていますので、お早めにご覧下さい。

↓秀さかえ様、感謝してお借りします🙇‍♀️


羽生:やっぱ「採点競技」って(ことが)大きいのかなって思います。やっぱりその、どんなに成長してっても、形として全く変わってっても、自分の気持ちの持ちようがだいぶ変わってても、(点が)出ないときって一生出ないじゃないですか。で、一回レッテル貼られたら終わるじゃないですか、採点競技、本当に。

だからそういう意味で、僕は競技している時に『あぁ、これは勝てなくなっていくんだなぁ』っていうのは思ってて。余計なんか塞ぎ込んで跳べなくなっていくっていう時期がすごくあったので。なんか、タイムとかだけでやれる競技だったらもっと楽だったかもしれないなって思います。

内村:なるほど。意外とあの、繊細な部分が感じられました、羽生羽生選手。

羽生:めっちゃ、めっちゃ繊細ですよ! もう、僕なんか。





羽生:自分でゾーンを定義するんであれば、何回ぐらい入れたと思います?競技中に。
内村:いや、もう『数えきれないくらい』なんだけど、レベルで言うと"MAXに近い"のが2回あるかなっていう。
競技してるところ以外でも、今日は1日上手く行くっていうところから始まり…
羽生:(笑)なんか、ラッキーパーソンみたいな言い方しますけど、そんなレベルじゃないですよね?


(2011年の世界選手権)

内村:もう最後まで、なんかもうほんとに自分の思い通りにいった。寝てて…もうすぐ、ちょっとで『目覚まし鳴るな?』みたいなときあるじゃん?

その時から、『今日はすべてが上手くいく』って思えてて…そこから全部良かった。
羽生:試合当日ですか⁉︎ すごいですね、それ。
内村:それがたぶん、過去一のゾーンで。

ゾーンの向こう側に行ったこともあって、それは、リオの個人総合決勝の鉄棒のときかな。
『練習は試合のように、試合は練習のように』みたいなこと言われるじゃん?でも、試合が練習のようにできたことなんか1回もないじゃない? 絶対にないと思ってて『試合は試合だ』と思ってたんだけど、その時だけ『あ!練習のようにできた!!』みたいなことがあって、やっぱゾーンの向こう側に行けたから、1回入りまくったら"無"になったみたいな…で、いつも通りできた。
羽生:ちなみにゾーンの時って、テンション高くなります?
内村:なるね。なるけど抑えてる。あ、やばい!すごいんだけど、これはテンション上げるとよくない…
羽生:で、向こう側に行ってるときは、"無"なんですね?
内村:"無"だったね。
羽生:『何やっても跳べます』みたいな?
内村:なんかすごい開き直れてるというか、なんか、『どうにでもなれ』みたいな感じのときが、まぁ、向こう側なのかなと、言う気がする。

羽生:深いなーって思ったのは、僕も2回なんですけど…

羽生:深いなーって思ったのは、僕も2回なんですけど。初めてたぶんゾーンに入ったなと思うのが小学校4年生ぐらいだったんですけど。その時は本当に上からちゃんと全部リアルで見えてて、跳んだ瞬間に時間止めて、『あ、軸ブレてるから直そう』って思って、こうやって上から摘むような感じでキュッと直したら、全部跳べるみたいな時期ありましたね…『き、気持ち悪っ!』って


内村:似てるかもしれないですね、やっぱりあのゾーンの感覚が。僕は、まぁ羽生くんの場合は…多分、操り人形系》なんですけど…

羽生:そうですね。

内村:僕の場合ロボット司令塔系》なんですよ。
羽生:(笑)司令塔なんですね。
内村:あのなんか、「操縦室」みたいな…
羽生:コックピットみたいな?

内村:そうそうそう、…に、ちっちゃい自分がいてやってるんだけど感覚はもう自分ではないみたいな…で、ここにいるちっこいのが操ってるみたいな感覚になる。


羽生:面白いですね。僕は…

内村:上からこんな感じで?
羽生:上からですね、完全に。客観ですね。

内村:一時停止できるのはいいね、俺の方はできなかったんで。



羽生:あの、たまにあるじゃないですか?カメラとかでピーってなんかやってって…跳んでる瞬間に後ろにいくみたいな? なんか「回ってて→途中でこの状態でピタッと一時停止して→カメラアングル切り替わって→降りてくる」みたいなことあるじゃないですか。あれで行けますね、ゾーンに入ってる時。もそのゾーンの僕は、手前ですかね。たぶんその奥の方のゾーンではないですね。

奥の方のゾーンは何も考えてないんで。呼吸すら危うい感じですかね。もう、なんかしてるかしてないか分かんないみたいな。もう、あくびしか出ないですもん、僕、そういう時。

あの、2020年の全日本がすごい一番深かったと思うんですけど。




 羽生:6分間練習終わって、自分の本番入るまで10分くらい寝ましたね、こうやって。寝ながら、まぁたぶんイメトレとかはしてたんだと思うんですけど、しっかり熟睡してるんですよ。で、ちゃんと10分って自分でストップウォッチかけてて、パッてやって、パッて目つぶってから、パッて目開けて、パッとやるまで完璧な10分00(秒)にいくんですね。なんか、そういうのはありますね、深いときは。

でもやっぱり回転半入れるようになってから、そんな簡単にゾーンに入れなくなりましたね。やっぱ意識しすぎちゃうんで。いろいろ計算するじゃないですか、難しいジャンプやる時とか、難しい技っていう時、『ここ、こうして、こうやって、こうなって、こう行くから、こう行って、ここで行ける』みたいな…もうずーっとイメージして、何回も何回も反復でやるじゃないですか。固まるんですよね。思考使いすぎると酸素も奪われるし。
内村:そうだね、うん。めちゃくちゃ分かる。
羽生:ブレットシュナイダーやる前とか、めちゃ考えてますよね?
内村:そうそうそう。
羽生:なんか、分かりますもん、見てて。

内村:『考えて、考えて、考え抜いた先に考えない』みたいなところに…

羽生:そこに行けると楽なんですよね。
内村:そうそうそう。
羽生:行けないんですよね、難しいジャンプって。
内村:行けないんだよね、なかなか。考えちゃうんだよね、やっぱ。『分かってんだけど考えちゃう』みたいなところは、確かにある。
羽生:でも、まぁそれも練習なんですよね。
『どんだけいい質の練習ができるか』っていうのと、そこまで辿り着けなかったらやっぱり、たぶん本来は使うべきじゃないんだと思うんですよ。でも、使わないと勝てない場所もやっぱあるんで。だからその、"使わないと勝てない、確率が低いもの"、でもその後、『そこに行きつくまでのゾーン』と、『そこをやり終えたあとのゾーン』に入るスイッチがどれだけ早くはまるか、っていうのは、なんかちょっと気にしますね。




羽生:体操をなんか広げていらっしゃるじゃないですか今、いろんな活動もされていて、すごいなって思ってて、僕そんなこと全然考えないんですよね。

内村:やっぱり今まで好きでやってきたことを、これだけ結果も残してきたし、『自分の好きなことをみんな知ってよ』ぐらいな感じでやってるだけで。側から見るとね、やっぱり羽生君のやってることはちょっと次元が違うというか…一人で普通はね、やれない。
羽生:一人であれは、大変ですよ。
内村:やれない!俺もやってみたいけど…
羽生:やりましょ!やりましょ!
内村:いや、やれない!やれない、あれは‼︎

羽生:6種目を…あの、男子バージョンと女子バージョンでやるみたいな。

内村:女子も…ですか?

羽生:段違い平行棒とかも(笑)
内村:10種目?
羽生:10種目!
内村:いやまぁ、床と跳馬かぶってるから、まぁか、種目。
羽生:あ、でも床と跳馬かぶってるけど女子仕様でやって。
内村:女子仕様で、じゃあ10。

羽生:10!
内村:高さも、跳馬は変えてね、ちゃんと。

羽生:そうですね!

内村:(笑)…これなんですよ、やっぱり!このストイックさなんですよ、やっぱり!そこなんですよ‼︎

ちゃんと見世物になったら、見世物としていいレベルに達したら…やろうかな。
羽生:是非ぜひ!
絶対ニュースになります!
内村:でも、ちゃんと一言付け加えるよ。『これは羽生結弦くんに言われたのでやってます。僕の意思ではありません』みたいな(笑)

羽生:めっちゃ責任重大!



羽生:ひとりでやるって、ほんと、まぁ、考え自体がまずおかしいですし。それでも自分が、ちゃんと自分のスケートだけで自分のスケートを完結させたい』っていう感じはしましたね。ちゃんと自分のスケートが見たいって思ってくれている人に対して、『自分のスケートだけで全部勝負する!』みたいな感じはちょっとありましたかね。
ただやっぱ、競技プログラムを競技用でしっかりやっているので、めちゃくちゃしんどいですよね。

内村:ちょっと考えられないな。一人でやることもそうなんだけど、競技レベルでやれるところ。
身体的にちょっと厳しいのがあるから、だから引退したっていうのもあるんだけど、年齢的なものなんですかね僕のは、ちょっともう…
羽生:いや、多分そこも、固定概念だと思いますよ。
内村:あ〜、なるほど…あぁ、やばいなぁ、全部覆される!(笑)
羽生:固定概念です、なんか。
内村:ヤバいです…ヤバいですね
羽生:若いレベルの選手たちのほうがやっぱり間違いなく勢いはあるし、ジャンプもやっぱキレが違うし、高さも出るし…あとなんだろ、瞬発力とかもだんだん変わっていったりとか、それこそ、がむしゃらにやっときゃ跳べるっていう時期がまだあるじゃないですか。で、年齢重ねていって、だんだんそのがむしゃらができなくなってきたりとか。思い切りが無くなってきたりとかしちゃいますけど『その人たちより経験してるし』って思って。で、『その経験値使えるのは僕しかいないなぁ』って思うんですよね。なんかそう考えるとちょっと楽だなって思いました。

別に、瞬発力使えないんだったら、違う所で見せればいいし。

だから僕は4A回転半やるのを辞めないですし。

でも、それプラスαでやっぱ『自分がプライドとして持ってる、自分のスケートの綺麗さみたいなものとかは続けていきたいな』って思いますし。『絶対それは譲らない!』って思ってますね。

内村:じゃあ、僕も明日から、ブレットシュナイダーまたやります、はい。
羽生:意外とできると思います。
内村:やー、やれるところまでは一応戻ってきてて。もうあとほんのちょっとだなと思って…






内村:もうあとほんのちょっとだなと思ってたら、ほんのちょっとがまさか「羽生結弦さん」だったと思いませんでした、はい。まさか(笑)

羽生:なんだったら僕…あの、別に内村さんに対談させていただくとかそういうの関係なく、演技でめっちゃ勇気と元気をもらっているので、…ほんとありがとうございます。

日本国民代表して、本当にありがとうございます。
内村:こちらこそですよ、本当にありがとうございます。


【対談後の個別コメント】

羽生:いやー、めちゃくちゃ楽しかったです! 自分ばっかしゃべってましたけど。
技の考え方だとか、あと自分たちの誇りとか、いろんなことまた聞けて良かったなって思います。
これからも、…内村さんも言っていただけましたけど、なんか僕も頑張る活力がまた一つ生まれました。


内村:『尊敬してくれてるな』って思うのと、あと、こうお互いやっぱ「(第)一人者」として、ライバルとして見られているような感じもありました。だからこう、あえてプレッシャーをかけるようなことも僕に言ってくるんだろうし。

(ブレットシュナイダーもまた明日から?)

内村:はい…やらなきゃいけないですね。いやぁ、すげぇわ!






書き起こしは、以上です。

秀さかえ様、動画のシェアをありがとうございました🙇‍♀️

読んで下さった皆様、長々、お付き合いくださり、ありがとうございました🙇‍♀️

(文字数節約の為、羽生くんの2大口癖、「なんか」と「やっぱ」を、かなり省かせていただいています)


対談全編を通して、いつもは冷静な羽生くんが、頬を紅潮させて、前のめりかつ食い気味に内村さんに話しかけている様子が、何とも微笑ましかったです。照れラブラブ

やっと尊敬する相手に、直でその募る思いを告げられる喜び、そして、お互いそのスポーツの第一人者としての苦悩&歓喜を共感し合える愉悦…羽生くんは本当に幸せそうでした。そして、内村さんも!

ファンとして、こんなにも喜びに輝く羽生くんの姿を見られたことは、まさに至福でした。ラブドキドキ


内村航平さん、ありがとうございます🙏

フジテレビ『S-PARK』さま、ありがとうございます🙏



↓maimaiさま、感謝してお借りします🙇‍♀️


↓wakoさま、感謝してお借りします🙇‍♀️


↓幸結弦さま、感謝してお借りします🙇‍♀️


余談ですが、

今回の対談を観ながら、私は、TVディレクターの阿部修英氏の言葉を思いだしていました。

…​作家の浅田次郎さんは言う。「芸術とは天然の人為的再現だ」と。僕が今回、羽生さんのピョンチャン五輪での演技を見返した時、アッと頭に浮かんだのもこの言葉だった。フィギュアスケートではなく、稀少な鳥の命懸けの求愛を見るような、天然への近しさを感じたのだ。それは、語弊を恐れずに言えば、以前取り上げた浅田真央さんのソチ五輪のフリーともまた違うものだった。人為の極限とも言うべき浅田さんのソチとは違い、あのピョンチャンの演技は、もはや世界にハニュウユヅルという生き物しかいなくて、ずっと見つからない、つがう相手を求めるような、孤にして高を感じた。人では無いのではないかそう思うほどの域。


羽生くんは、やっと、真に理解し合える、しかも切磋琢磨し合える相手の隣に、今、立てているのですね。本当に良かった❣️


『notte stellata』でのご競演も楽しみにしています。🙏




今日も羽生くんを全力応援!(ò_óˇ)


羽生くんが痛みなく滑れていますように!

羽生くんが笑ってくださっていますように!

羽生くんの幸せを心から願い、祈ります🙏

 

画像やTwitterや記事や動画は感謝してお借りしました。

 

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