「天と地と」とSEIMEIの相違点【Twitterから】/FRaUインタビュー公開 | 羽生結弦さんの見つめる先を見ていたい

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羽生結弦選手を敬愛しています。羽生さんを応援する素敵ブログ様方を日々の心の糧にしている、ソチ落ち主婦のブログです。(横浜在住)


昨日は更新をお休みしていました。
勤務日だったという以上に、勤務の前後と空き時間全て、『3月のライオン16巻』に浸っていました。コロナ禍のせいで、前巻から2年近くも待たされてしまいましたから、それこそ貪るように、何度も何度も反芻しつつ読み込んでいました。

その経過2年の間にリアルでは10代の天才棋士・藤井聡太くんがタイトル3冠獲得するという快挙を達成し、現実の棋界の潮流の凄まじさに、これは漫画家さんも大変だなぁなんて感じていました。『3月のライオン』は大好きな漫画なので、いつかじっくり語りたいです。

将棋の世界でも、スポーツの世界でも「天才」と称される抜きん出た存在は、その身の処し方、志の置き処、周囲への影響等、全てにおいて壮絶なものがあるなぁと、感嘆するばかりです。


さて、話題をスケートに戻します。
いよいよ、NHK杯まであと1ヶ月強です。
(新SPも凄く気になるところですが)今日は持ち越しとなるFS「天と地と」を話題にしたいと思います。

少し時間をさかのぼります。
今年の4月、Twitterに「SEIMEI」と「天と地と」を比較した素晴らしい考察が投稿されました。

内容を要約しますと「2つのプログラムは、羽生結弦の『和』のプログラムとして一括りにされがちだけれど、実はこんなに違う、むしろ正反対なんだよ」という考察&検証です。


まず海外のファンのM様🇲🇨が考察と動画を御投稿くださり、更に Coco様🇯🇵が、その英語文を翻訳してリツイートなさったと、いう経緯でした。
これまで技術的解説が多い中で、プログラムのストーリーと登場人物のキャラクターに焦点を当てるという、興味深い視点での考察でしたので、偶然見かけたに過ぎない私にさえ忘れ難い印象を残したのでした。その上、内容もさる事ながら、この解釈が日本人でない海外の方から発信されたことに驚き、かつ嬉しく感じたものです。
(M様のプロフィールの🇲🇨はモナコ公国の国旗だと思われます)

そして、つい先ごろ、雑誌『日本代表ファンブック2021』でシェイ=リーン・ボーンさんのインタビュー記事で「天と地と」の振り付けコンセプトを読むに及んで、私の中で、この過去のTwitterの記憶がリンクし、蘇りました。

そこで、この4月のM様のTwitterを知らない方々にも、是非とも読んで欲しいと強く感じた次第です。

↓Cocoさま、素晴らしいご翻訳ありがとうございました。感謝して、ご紹介させて頂きます。
m(_ _)m



Coco様の画像から文字を書き起こさせて頂きましたm(_ _)m↓


SEINEIと天と地との違い


「天と地と」とSEIMEIが似ているという議論があるらしい。(どうやらアジアの音楽は皆同じらしい)

精神的な共通点はあるかもしれないが、二つは多くの意味で全く正反対だと私は思う。

まず、曲調。SEIMEIはドラマチックで、クライマックスに向けて盛り上がっていく緊張感に満ちてるのに対し、「天と地と」は内省的で自分探しをしている。簡単な答えはない戦闘の旅路。SEIMEIが自信に満ちたヒーローとして描写されているなら、「天と地と」の謙信は疲弊した将軍。

 


この違いは、彼の動きにいくらか反映されている。SEIMEIはすばやい動作で、手足を完璧な円弧で動かし、完璧な音はめをすることが肝心。

「天と地と」では、足で円弧を描きながら、手は柔らかく水のように動く。霧のかかった戦場で、考え込んだり、せん妄状態にある心のように。


SEIMEIは鋭く強調された動きなのに対し、「天と地と」はらせん状の道を散歩し、風と踊っているよう。


ステップシークエンスではないところでも、腕の動かし方などちょっとした技法は続く。

この部分。特に3Aのすぐ後。


始まりと終わりも正反対に感じる。

SEIMEIはサスペンスに満ちた静寂で始まる。

一方で、「天と地と」はすぐに戦闘に突入する始まりで、壮大な映画のオーケストラが、駆ける馬の群れと敵を想起させ、即座に4Loへと加速していく。


そして終盤には逆になる。物語としてのSEIMEIは勧善懲悪(シェイリーンによれば「闇を追放する光」)で、終わりに向かってウィングランのように築かれる。少なくともこの点から見ると、より「伝説的な」ヒーローもの戦士もののプログラム。


「天と地と」では、善悪は無関係に見え、より大きな闘いは闇の中で訪れる疑問に対するものだ。どれだけ長く戦うべきか?何のために?(私見では)ここがこのプログラムの非凡なところで、音楽が一番盛り上がったところで


…あの忘れられない音で終わる。弦楽器(琵琶だと思う)の最後のかき鳴らし。勝利による解決をわざと否定している。ユヅルがこのプログラムは勝敗ではなく、戦いの代償だと示唆したことにふさわしい。


事を突然終わらせる。指をパチンとならしたような緊張感に(観客は)取り残される。

ほとんどのプログラムが終盤に向けて盛り上がるよう作られている中で、これは際立った選択に思える。勝利が目的でないなら、ヒーローの旅の目的は何?それは彼が答えること。



4月のM様のTwitter投稿です。↓

感謝して、貼らせていただきます。

各Twitterの下に、紫文字で、Coco様の対訳を載せさせて頂きました。🙇‍♀️



★「SEINEIと天と地との違い」
↑★「天と地と」とSEIMEIが似ているという議論があるらしい。(どうやらアジアの音楽は皆同じらしい)
精神的な共通点はあるかもしれないが、二つは多くの意味で全く正反対だと私は思う。

★まず、曲調。SEIMEIはドラマチックで、クライマックスに向けて盛り上がっていく緊張感に満ちてるのに対し、「天と地と」は内省的で自分探しをしている。簡単な答えはない戦闘の旅路。SEIMEIが自信に満ちたヒーローとして描写されているなら、「天と地と」の謙信は疲弊した将軍。

↑★この違いは、彼の動きにいくらか反映されている。SEIMEIはすばやい動作で、手足を完璧な円弧で動かし、完璧な音はめをすることが肝心。

★「天と地と」では、足で円弧を描きながら、手は柔らかく水のように動く。霧のかかった戦場で、考え込んだり、せん妄状態にある心のように。


↑★SEIMEIは鋭く強調された動きなのに対し、「天と地と」はらせん状の道を散歩し、風と踊っているよう。


★ステップシークエンスではないところでも、腕の動かし方などちょっとした技法は続く。

この部分。特に3Aのすぐ後。


↑★始まりと終わりも正反対に感じる。

SEIMEIはサスペンスに満ちた静寂で始まる。


★一方で、「天と地と」はすぐに戦闘に突入する始まりで、壮大な映画のオーケストラが、駆ける馬の群れと敵を想起させ、即座に4Loへと加速していく。


↑★そして終盤には逆になる。物語としてのSEIMEIは勧善懲悪(シェイリーンによれば「闇を追放する光」)で、終わりに向かってウィングランのように築かれる。少なくともこの点から見ると、より「伝説的な」ヒーローもの戦士もののプログラム。

★「天と地と」では、善悪は無関係に見え、より大きな闘いは闇の中で訪れる疑問に対するものだ。どれだけ長く戦うべきか?何のために?(私見では)ここがこのプログラムの非凡なところで、音楽が一番盛り上がったところで

↑★…あの忘れられない音で終わる。弦楽器(琵琶だと思う)の最後のかき鳴らし。勝利による解決をわざと否定している。ユヅルがこのプログラムは勝敗ではなく、戦いの代償だと示唆したことにふさわしい。

★事を突然終わらせる。指をパチンとならしたような緊張感に(観客は)取り残される。

ほとんどのプログラムが終盤に向けて盛り上がるよう作られている中で、これは際立った選択に思える。勝利が目的でないなら、ヒーローの旅の目的は何?それは彼が答えること。





引用は以上です。
あくまで、SEIMEIとの比較においてと銘打たれたご考察ですが、とても分かりやすく、腑に落ちました。
ただ漠然としたイメージに過ぎなかったものを、M様のように言葉で表現して頂けるのは大変有難いです。m(_ _)m
「天と地と」の上杉謙信公を羽生結弦と言い換えても良いようですね。時に迷い、挫折感を味わい、それでも闘い(競技)に意味を見いだそうと苦悩する日々を、きっと羽生くんも送ったことだろうと思うのです。
↓rachさま、ステップの動画をありがとうございます。感謝して貼らせていただきます。


この「天と地と」の演目に、羽生くんのこれまでの波瀾万丈なスケート人生、長引くコロナ禍の閉塞感など、諸々が込められているだろうことは、すでに12月に最初にTV観戦した時に感じられました。
ただでさえ、平常でないコロナ禍の生活の中で、苦心惨憺(さんたん)して作り上げたであろうこのプログラムには、いつも以上に濃厚に羽生くん自身が溶け込んでいるに違いないだろうな、と。

シェイの言葉を借りれば、(プログラムの)「すべては彼の内側にあったもの」


今の羽生くんに、「旅の目的」=「スケート人生最大の目的は?」と尋ねたら、迷いもなく「4A(4回転アクセル)」と答えることでしょう。しかもただ跳ぶだけじゃない。「4Aを美しく組み込んだ最高のプログラム」を公式戦でノーミスで滑り切ることが目標なのです。まさに、スケート界の壮大な夢の極みです。照れ

だってね、4Aって、他のスケーターから見たら、神技みたいなジャンプだもの↓

↓Coco様、またまた、感謝してお借りします。
🇨🇦ローマン・サドフスキー君、残念だけど、平昌後のISUのルール"改悪"で、4Aの基礎点は、15.00から12.50へと大幅に下げられてしまったんです。汗

ともあれ、(基礎点なんて関係なく)羽生くんは跳びます!

戦闘状態から始まる「天と地と」。
その冒頭に跳ばれる羽生くんの4Aは、きっとこの上なく勇壮で、圧倒的な存在感をもって、リンクの戦場に煌めくことでしょう。照れ



羽生くんへのシェイからのメッセージ。

「あなた自身の中にあるもの、自分の中から湧き上がるものを感じて、これからも滑り続けていって欲しいと願います。
自分の信念を貫いてスケートを続けて欲しい。
それがなんであれ、あなたの内側に存在するもので滑ること、そのことだけで、充分なのです」
(フィギュアスケート日本代表ファンブック2021のインタビュー記事より)


これは、羽生くんに関わる全ての方々が抱いている願いの根幹だと、私はそう感じました。


「自分自身を貫く」これは、羽生くん自身が、2018年2月末の日本記者クラブの会見で色紙に記した言葉であり、平昌後の羽生くんの、いわば決意表明でした。


どうか、己を貫いて、全身全霊の演技を!


今年、羽生くんに期待する想いの全てが、この言葉に集約されるように感じています。

ちなみに、
「ファンブック」のシェイリーンのインタビュー記事は、全8ページのボリュームで、羽生くんとのリモート振り付けの様子やら、「天と地と」のコンセプトやら、シェイ自身の羽生くんへの想いやら、本当に充実した内容でした。
まだ先月発売され通常販売中なので詳細は控えますが、ただ、読んで強く感じたことは、振り付け師にとって、羽生くんの境地まで、音楽やプログラムを深く愛し、突き詰め、プログラム作成にとことん関わってくれる現役スケーターは他にいないであろうこと。「羽生結弦」というスケーターは、まさに振り付け師冥利に尽きる存在
であること。凄く伝わりました。ファンならば読んで絶対に後悔のない神記事でした。



追記です。
雑誌「FRaU」さんも本日、記事を公開してくださっています。



「試合はもちろん、アイスショーでも気持ち悪くなるぐらい緊張しますし、眠れない夜もたくさんある。でもそれは自分の理想が高いから。だから常に最善を尽くすしかない。練習するだけでなく、休んだり、時には何も考えないことも含め、自分が一番良いと判断した選択を積み重ねることによって、たとえ結果がその時に出なくても、必ず強くなっていってると思う」
(FRaUウェブ記事より一部抜粋)



どうか、怪我なく、充実した練習を積み重ねていらっしゃいますよう、心から祈念いたします。🙏

 




話は変わりますが、
今日の横浜の朝の天気は雨。
でも予報では、「曇のち晴、降水確率10%」だったんです。じつに珍しく、いつもは西からやってくる雨雲が、突然、南東の千葉方面から現れてて居座っています。天気予報士さんは「やっちまったな〜」なんて頭を掻いているところでしょうか。朝ドラ「おかえりモネ」を観ていると、そんな天気予報士さんの仕事にまで興味が湧いてきてしまいますね。予報をピタリと当て続けることは本当に大変なことなんですね。ウインク

11時過ぎには、晴れ出しましたから、一安心ですね☀️


仙台も降水確率0%。秋晴れに違いないですね。

爽やかな秋風が羽生くんに心地よさを届けてくれていますように。🙏



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