こいぬ座はシリウスあるおおいぬ座と合わせて一説にはオリオンの猟犬と言われていますが、一番有力視されているのは、ギリシャ神話に登場するアクタイオンの猟犬説でしょうか。こいぬ座にまつわるギリシャ神話
★１ アクタイオンって誰なの？
アクタイオン （英: Actaeon） は、ギリシア神話の中の登場人物。そんなに有名でもないのに、結構古くから神話に登場しています。
父親は、太陽神アポローンの子アステリオス。アポロンはゼウスの子どもなので、ゼウスの曾孫になるのですね。
母親は、テーバイの王カドモスの子アウトノエー。これがまた、たどるとゼウスとイオの系譜につながるようで、カドモスもゼウスの曾孫！
アクタイオンは、親戚同士の結婚から生まれた、なかなかのエリートのよう。。。
しかし、ゼウスさ～ん♪ お盛ん過ぎで、家系図ごちゃごちゃですw
とにかく分った事を書いてみると
父親のアリスタイオスは、ニンフから養蜂やオリーブの育成、チーズの作り方を学んだり、ムーサイから医術や予言を学んだと言われ、おとなしいイメージですが、アリスタイオスの母親は猟り好きで、その腕っ節の強さにアポロンが惚れ込んで、賢者ケイロンに知恵をもらって口説いたという。
おじいさんのカドモス王は、軍神アレスの龍を倒してしまう程強くて、テーベを建国します。
カドモスの妻（アクタイオンのおばあさん）ハルモニアは、軍神アレス（火星）とアフロディーテ（金星）の子。
カドモスはゼウスが牛に化けて（その姿が牡牛座）クレタ島にさらってしまったエウロペの兄だし～。
ゼウスとエウロペの息子には、クレタ島のミノス王たちがいます。
ギリシャ神話での結婚の話は、地域で信仰されていた古い神様と融合したり、働きなどを象徴して神格化する事も多いので、仕方ないと言えば仕方ないですけど。。。
家系をたどって神話を覗いてみると、なんだかみんなすごい面々です。
プレアデスと仲良しのデュオニソス（豊穣と武道の神／オリンポス12神）も、テーバイで生まれたゼウスの子。アクタイオンの家系にまつわるお話にも頻繁に登場します。
テーバイという土地は、ギリシャのアリストテレスが「この町は大洪水前に建設された」と述べているぐらい古い古代都市国家だったようで、古代ギリシャにおける要所です。
だいぶ話がそれたけれど、やっと犬が出て来たぞ。。。
ゼウスがエウロパに与えた３っつの贈り物。その一つが必ず獲物をとらえる猟犬。
これはシリウスのあるおおいぬ座にまつわるお話に繋がりますね。
★2 アクタイオンと猟犬
アクタイオンは、ケンタウロスの賢者ケイロンに育てられ狩猟の術を学んだと言います。先ほどの家系の話でも血筋といい、狩猟は上手だったのでしょう。猟犬たちも、しっかり猟りを仕込まれ、訓練されたた優秀な犬ばかり。ある時、彼は50頭もの猟犬を連れてキタイローン山にて狩りに出ます。月の女神アルテミスが水浴びをしている所に出会い、その裸体を目撃！アルテミスはそれを知って激怒し、一瞬にして彼を鹿に変えてしまいます。連れていた猟犬たちは、目の前の鹿が主人だとは気がつかずに彼に襲いかかりあっけなく食い殺されてしまうのです。
鹿になってしまった別な一説では、アクタイオンが自分の猟りの腕を自信満々に自慢して、アルテミス（猟りの得意な月の女神）を軽んじたことが原因とも言われています。
アクタイオンの血筋も、なかなかの有名人ぞろいでしたね。大した武勇伝も無いのに自慢するのも、わかる気がして、うなずけます。
猟犬たちは、後で鹿の正体が主人だったことを知り、とても悲しんだそうです。
その時の犬がこいぬ座と言われていますが、おおいぬ座に合わせて、こいぬになったような感じで、あまりはっきりとした話は伝わっていません。
シリウスのあるおおいぬ座と合わせてアクタイオンの猟犬という説がありますが、ゼウスがエウロパに与えた「必ず獲物をとらえる猟犬」は、エウロパから兄のカドモスに渡ったりしたのかな？
親戚だし、猟が得意だったアクタイオンに譲られてもおかしくはないですね。
そう考えるとおおいぬ座こいぬ座がオリオンの猟犬説よりも、しっくりイメージが収まりやすいです。
しかし、冬の夜空を彩る星座のお話が、こんなに絡まってるなんて思っていませんでした。
いくつかの異説があるようですが、犬である事には変わりなく。猟りと水、月と太陽に関わる話に結びついているのは共通しているようです。
オリオンやシリウスの神話と同じように、アクタイオンと猟犬の神話にも月の女神アルテミスが登場し、彼らの死に関わるのがアルテミス。どこか似たような印象を受ける説がいくつかあります。
ギリシャ神話の中で、月と太陽の通り道に関わる星座の話には、天文的な出来事なども含まれているのでしょうか。
切りがないのでここらで、一区切りにします
