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売れプロ13期生の高橋進二です。
本日は、顧客インサイトについて考えてみたいと思います。
インサイトとは、人の行動変容につながる深層心理を指します。多くの場合、本人さえも意識していない部分がインサイトに含まれています。
顧客インサイトを把握し、それに基づいたプロダクトやサービスの開発、効果的なコマーシャルメッセージの作成は、売上を伸ばすための重要な要素です。しかしながら、マーケティングにおいて顧客インサイトの特定は難しいと感じることがよくあります。「インサイトが重要だ」と簡単に言う人もいますが、実際にそれを把握し、効果的にマーケティング活動に反映するのは容易なことではありません。
先日、ある食品関連企業のマーケターと話をする機会がありました。その方も「インサイトの特定は非常に難しい」とコメントしていました。多くの調査を基に論理的に考え、緻密に作成されたマーケティング戦略が、実際には顧客のインサイトに響かず、期待した成果を上げられなかった経験を持つ方も少なくないかもしれません。
では、インサイトを把握するための方法を簡単に確認してみましょう。調査としては以下のようなものがあります。
定量調査
行動データの分析
- リアルの行動:店舗での購買履歴や来店回数、購入時の経路などのデータを収集し、分析する。
- インターネット上の行動:ウェブサイトのアクセスデータ、クリック数、ページ滞在時間、オンライン購買履歴など、オンライン上での顧客行動を追跡し、分析する。
心理データの分析
- アンケート:顧客の意識や感情、態度を定量的に把握するために設計された質問を通じてデータを集め、統計的に分析する。
定性調査
- インタビュー:顧客と1対1、または複数人を対象に行い、顧客のニーズ、価値観、動機など、定量的には捉えにくい情報を掘り下げることでインサイトを得る。
- フォーカスグループ(グループディスカッション):少人数のグループで討論を行い、製品やサービスに対する意見や感情を引き出し、多様なインサイトを得る。
- エスノグラフィー(観察調査):自然な環境で顧客の行動や生活習慣を観察し、彼らがどのように製品やサービスを使用しているか、その文脈を理解する。
定量調査データを中心にマーケティング戦略を立てると、数値化されたデータを基に検討しやすく、顧客のボリュームも把握できるため、売上予測やマーケティング戦略も立てやすいと思います。しかし、それが本当に顧客の心に響き、売上アップにつながるかどうかには疑問が残ることもあります。私自身も、定量データに依存しすぎて上手くいかなかった経験があります。なぜなら、そこには顧客の深層心理にあるキーとなるインサイトが十分に反映されておらず、マーケティング担当者が、都合よく考えた仮想の顧客インサイトに基づくマーケティング戦略であったからだと思います。
顧客の深層心理にあるキーとなるインサイトを見つけるためには、マスで顧客を見るのではなく、1人の人の深層心理を深掘りすることが重要です。そのためには、1人の顧客を深堀りする「N1分析」が非常に効果的だと感じています。
1人の顧客に対するインタビュー調査を行うことで、その人の行動や考え方、商品・サービスとの出会い方、気に入っている点、特殊な使い方などを深掘りし、ユーザーが購買行動を起こす、または競合製品を選ぶインサイトを探ることができます。マスの調査や分析では気づかないキーインサイトの発見につながり、それが売上アップにつながる商品・サービスの開発や打ち手の立案につながります。
売上が伸び悩んでいると感じたら、1人の顧客を深堀りする「N1分析」にチャレンジするのはいかがですか?新しい発見が得られるかもしれません。
お読みくださりありがとうございました。
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