ECビジネスの歴史、成功のために普遍的なこと | 『売れプロ!』ブログ -「売れる」「稼げる」中小企業診断士に-

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こんにちは、売れプロ13期生の小水 博之(こみず ひろゆき)@湘南IT経営研究所です。

 今や、スマホでお買い物はもちろん、旅行の予約や、銀行の振込、株式の購入まで、当たり前にできる世の中になりました。
 当然、大昔は、店頭に行かねばできないことでしたが、インターネットの普及により、まずは、自宅からパソコンでそれらができるようになり、その後、皆がスマホをあたり前に持つ時代となり、移動中でもいろいろなことができるようになりました。


 ここ20年で、ビジネスや消費者において、とても大きな変化となったわけで、世の中が便利になり、また成功者として、いわゆるネット長者が続々と生み出されてきました。
 その20年以上も前からインターネットに関わってきた身として、改めて、企業や消費者において、ECビジネスで何が変わってきたのか、また、成功するために、今でも変わらないものは何かを振り返って考えてみました。

[2000年以前]黎明期
 インターネット利用は、まだまだ電子メールとWeb検索が主体で、まだまだお買い物では使われていませんでした。
通信回線がアナログでISDNやADSLでの接続により低速であったため、コンテンツ容量に制限がありました。
 それでも、1996年には「楽天市場」が始まり、1999年には「Yahoo!オークション」が始まりました。
 また、2000年に「Amazon」が本屋さんとしてスタートしました。
 携帯電話も、ようやくドコモがiモードをスタートしましたが、モノクロの小さい画面ではとてもお買い物には向いていませんでした。
(そういえば、2000年問題のために、2000年の年越しをiモードのデータセンターで過ごしたことを思い出しました。)

[2001年頃]第一次成長期
 電器店やショッピングセンターの店頭で、無料でYahoo!BBのモデムを配布していたことを覚えていらっしゃる方も多いと思います。
 2001年頃の低価格ADSLの普及や、Windows98の発売により、PCでのネットサーフィンが快適になってきました。
 これらの環境の変化から、ようやくECサイトの参入企業が増加してきました。
 当時、私はEマーケティング/ECサイト製品ベンダーに勤務しており、いろいろな企業や店舗チェーンのECサイトの構築に携わりました。
(オフィスや自宅からパソコンでアクセスすることが主体で、まだスマホが存在していない時代です。)
 独自にサイトを立ち上げるには、それなりに資金が必要で、今のように、Baseのような無料でサイトを構築できるようなことはありませんでした。
 このため、まずは楽天市場などのモールに出店し、順調に売り上げが伸びてきたら、自社サイトの構築という流れでした。
 当時は、ECブームで、ECサイトを立ち上げれば儲かると勘違いするユーザーもおり、オープンしては、しばらくして消えていったサイトがたくさんあったように思います。


 この時代の売れるポイントは、「価格」であり、特に「送料」をいかに無料にするかでした。 結局、お店と同じ商品を買うのに、安くなければ買いませんし、送料分も合わせた金額での競争になってしまいます。
 このため、Amazonが「1500円以上の購入で送料無料」を始めたのは、とても衝撃的なことでした。
 

 また儲かるポイントとしては、「集客」と「リピート」であり、検索サイトでの「バナー広告」からの誘導や、タイムリーな会員向け「メルマガ」などで購買意欲をそそらせる作戦がとられました。
 

 出店に関するトピックスとしては、出店者が注文品を梱包して発送する手間を代行する「フルフィルメントサービス」業者が現れたことがあります。
アウトソーシングが可能となることで、販売数量が増加する度に、出荷オペレーションを行う社員を増やす必要がなく、販売に集中できるようになりました。

[2010年頃]第二次成長期
 2007年にAppleがiPhoneを発表し、その後、スマホがだんだんと普及していきました。
こうなると、通勤中など、時間や場所に制限なく、インターネットにアクセスすることができ、ECサイトも爆発的に売り上げが増加しました。
また、TwitterやFacebokなどのSNSもスマホの普及に伴い、爆発的にスマホユーザーが増加しました。
 

 この時代の売れるポイントは、従来からの「価格」や「送料」は当然であり、「翌日配送」などのサービス面が加わりました。
 

 また、迷惑メール防止法により、宣伝メールを送信する際に承諾が必要となったことや、たくさんのメールの中から送ったメルマガを読んでもらえないことが増えたため、メルマガに変わって、SNSからの誘導が増えてきました。
 出店に関するトピックスとしては、2012年に無料のECカートASPサービスや、2013年にYahoo!ショッピングの出店料無料が始まり、手軽にECサイトを始められるようになりました。

[2015年頃]第三次成長期
 消費者はスマホを持ち歩くことにより、店舗のポイントカードも、紙やスタンプから、スマホアプリに代わってきました。これにより、店舗ごとの会員カードでお財布をパンパンにしなくてもよくなりました。
 これに伴い、オムニチャネルとして、リアル店舗とネットが連携することで、ネットでの買い物も店舗でも買い物でも、ポイントを一緒に貯めることができるようになりました。
 当然、会員情報も取得できるため、購買履歴やサイズなども把握でき、またタイムリーな販促メッセージやクーポンの配信もスマホアプリ宛に可能になりました。
 また、帰宅時間が遅くなり、宅配を自宅で受け取りずらいため、駅での宅配ボックスや、コンビニでの受け取りなど、消費者の利便性向上が差別化のポイントになってきました。
 

 ということで、この時代の売れるポイントは、「スマホアプリによる囲い込み」や「店舗との連携」や、「ユーザーのライフスタイルに合わせたサービス提供」になると考えます。
 他の傾向としては、消費者によるeBayなどの海外サイトからの購入が増加しことや、逆に海外向けの販売サイトとして「越境EC」が増えてきたことがあります。

[2020年以降]新型コロナウィルス発生以降
 新型コロナウィルス発生時は、オフィス出社が控えられ、在宅勤務におけるWeb会議などが普及しました。
 まだ人との接触が避けられるネットショッピングや、UberEatsなどの出前サービスが伸びました。
 コロナ収束以降も、まだまだ従来と同じにはオフィスには人は戻ってきていませんので、ネットショッピングやネットサービスは伸び続けています。
 また、通勤電車を見ても、ほとんどの方がスマホをいじっており、紙の新聞や漫画を読む姿は消え、スマホでゲームやSNSを行っている姿ばかりの様子です。きっと、通勤中のお買い物をなさっている方も多いのでしょうね。(私も通勤中によくポチッとしています。)

【まとめ】成功するために普遍的なこと
 さて、ECサイト、ネットショッピングの歴史を振り返ってみると、出店者側が意識しなくてはならない、成功するための「売れる」ポイントは、普遍的であると考えます。
 単にECサイトを構築しただけでは、「山の中に自動販売機を設置」しただけでしかありません。
 いかに、その自動販売機まで来てもらって、購入ボタンを押してもらうか施策が必要になります。
 

 改めて考えてみても、やはり普遍的なことは、「誰をターゲット」として「そこで買ってもらえる理由は何か?」でしょうか。


 ターゲットとする消費者層において欲しくなる「そこでしか買えない商品」であり、差があまりなければ、当然「価格」や「送料」の差別化が基本となります。
 また、出荷・配送スピードや配達の受け取り方法など、消費者のライフスタイルの変化に対応できるサービスを提供できるかということも要求されます。


 出店者側における儲けるポイントは、「集客」と「リピート注文」をいかに増やすかであり、そのための「会員の囲い込み」や、他に「店舗との連携」、「出荷オペレーション」、「販促オペレーション」を いかに低コストで効率的に運営するかと考えます。

 これらを具体的にどうすればよいかは、個々の出店者ごとに商品や顧客層などの状況が異なるため、個社において個別に設計する必要があります。
 ECサイトの構築・運営や、リアル店舗との連携など、単にシステムだけではなく、プロモーションや、店舗、人の運営なども合わせて全体的に考えていく必要があります。
 

続きは、また来月にお届けいたします。

 

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