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売れプロ11期の田島悠史です。
寒くなってきましたね。私も年内の講演会ラッシュを終え、今年できてない執筆作業を始めようとしています。
さて、今年になってとても注目している動向として、Web3.0（あるいはWeb3）と呼ばれるブロックチェーン技術を用いた世界観あるいはムーブメントがあります。
ブロックチェーン技術は、古いところでは「ビットコイン」を代表する暗号資産（仮想通貨）が有名でした。少し前までは「仮想通貨」と聞くと「億り人」などハイリスク・ハイリターンの投機的行為をイメージする方もいらっしゃると思いますが、近年では徐々に実際のニーズが生まれ始めています。
最近では、NFT（非代替性トークン）、メタバース、DeFi（分散型金融）など、さまざまな分野でブロックチェーン技術を用いた新しい動きが世界中で起きています。ブロックチェーン関連のスタートアップ企業は、2021年は250億ドル以上の資金調達に成功しました。クリエイティブ系のソフトウェアで有名なADOBE社や、ボーイング、JPモルガン・チェース、マスターカード、LINE、日本だと富士通など、錚々たる大手企業のブロックチェーン活用事例も増えてきています。個人的な経験でも、ブロックチェーンを活用している支援先や、ブロックチェーン関係のお仕事をされている診断士の方を見かけるようになりました。そういえば、今年の中小企業診断士一次試験「経営情報システム」でもブロックチェーン技術に関する出題がありました。今、学び始めるべき分野の一つと、個人的には考えています。
私の関連する分野でもブロックチェーン技術は使われ始めております。今回は、NFTを用いた地域活性化の実例を紹介します。これは新潟県長岡市山古志地域の2021年12月に始まった｢Nishikigoi NFT｣（https://nishikigoi.on.fleek.co/）というプロジェクトです。このプロジェクトは、電子住民票付きのNFTアートを発行、販売し、その収益の30%を持って山古志地域存続のためのプロジェクト活動に充てる、というものです。NFTアートを購入したものは「デジタル村民」と呼ばれ、専用のオンラインコミュニティに招待され、活動に関わることができます。このようにNFTを用いて、地域の価値を世界中に販売することができれば、衰退した地域が変わるきっかけになるかもしれないと、とても注目しています。
一方で、新しい技術には困難も伴います。先月にはアメリカ最大手の暗号資産取引所「FTX」が米連邦破産法11条に基づき破綻申請をし、現在も連鎖破綻が起きています。別側面では「マイニング」と呼ばれる、取引データ承認作業は莫大な電力を消費することから環境に悪影響であることが指摘されており、先日ニューヨーク州ではを禁止する法案が成立したと報じられています。まだまだ課題は多いように思います。
それでもブロックチェーン技術は中小企業の皆様はもちろん、社会全体を良くする技術であると個人的には確信を持っており、我々、中小企業診断士が事業者の皆様にこれらの知見をご案内する機会も増えていくと予想します。来年は、診断士の仲間たちともともに勉強し、知見を深める機会を持ちたいと考えております。
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