※にほんブログ村ランキング参加中です!1日1回、皆様の温かいポチをお願いします!
皆さん、こんにちは。
売れプロ10期生で企業内診断士の鬼頭です。
前回のブログに続いて今回も2021年版「中小企業白書」から見えてきたことを纏めてみたいと思います。
前回は第1部令和2年度(2020年度)の中小企業の動向から、企業内診断士としても活用できると
感じた内容を抜き出すと共に事業継続計画(BCP)について少し詳しくお話をさせて頂きました。
2回目の今回は2021年版「中小企業白書」の第2部 「危機を乗り越える力」
「第1章中小企業の財務基盤と感染症の影響を踏まえた経営戦略」の中から気になった点を
お話していきたいと思いますので、暫しお付き合いいただければ幸いです。
早速ですが、皆様は「経営デザインシート」というモノをご存知でしょうか。
白書のⅡ-127のコラムで紹介されているのですが、
「経営デザインシート」とは2018年5月に内閣府の知的財産戦略本部で公表された、
「将来を構想するための思考補助ツール(フレームワーク)」というモノになります。
内閣府の関連ページ上には「経営デザインシート」についてもう少し説明が
加えられているのですが、その内容は、環境変化に耐え抜き持続的成長をするために、
自社や事業の
(A) 存在意義を意識した上で、
(B) 「これまで」を把握し、
(C) 長期的な視点で「これから」の在りたい姿を構想する。
(D) それに向けて今から何をすべきか戦略を策定する。
と記載がされており、具体的なシートは下図になります。
出典:首相官邸ホームページ内知的財産戦略本部
こちらのシートですが、一見すると見慣れず、記入欄が多く取っ付き難そうなモノだなと
思ってしまうかもしれませんが、少し我慢して項目を確認していくと、
非常に考えられた代物であるのが分かると思います。
具体的にまず上段ですが、こちらには
「自社の目的・特徴」(←これはミッションやパーパス)
その右側は「経営方針」(←すなわち、経営戦略)
といった企業の戦略ピラミッドの上位層の項目が記載されており、
中段は左側が「これまで」、そして右側が「これから」という時間軸に分かれており、
其々が左から資源、ビジネスモデル、価値の項目が記載されています。
この内容の元となっている考えは、経営の神様と呼ばれるピーター・ドラッカー氏の
「企業の目的は顧客(価値)の創造である」に起因していると思われます。
つまり、所与の資源をどう活用すれば新たな価値を創出できるかを考え、
新しい価値を創出できれば、それは新しい顧客を創造出来たことに繋がることを
表していると考えられるからです。
一方、中段の右側の資源、ビジネスモデル、価値の矢印の向きが左側と異なり、
価値を基準として価値⇒ビジネスモデル⇒資源の並びになっています。
これは何を表しているかというと、「これから」の有りたい姿を構想することから始める、
所謂、バックキャスティングして物事を考えることを表しています。
即ち、自社の存在意義やありたい姿を思い描く事から始め、その姿を実現するために
何をどうすればよいかを考え、そのために必要な資源を自社内で手配できるか、
出来ない場合は外部から調達できるかどうかを検討すること。
下段は時間軸を「現在」から「将来」に移し、将来のあるべき姿、乃至ありたい姿へ
移行する為の戦略、すなわち中段の右側を考える為の情報を書き込む欄になっています。
上記より「経営デザインシート」とは会社のこれからを構想するためのツールとなりうることが
お分かりになられると思いますが、企業内診断士としては自分自身が所属する事業部や
部門に落とし込み、事業部・部の中期ビジョン策定やもっと自分事化して自分自身の
将来の有りたい姿を構想するためのツールとしても応用できるように思います。
詳細な情報は内閣府の下記よりご確認頂けますので「経営デザインシート」に興味を持たれた方は
是非下記のURLを訪れてみて頂ければと思います。私自身ももう少し深堀をしたいと思っております。
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/keiei_design/siryou01.pdf
(*上記URLは内閣府の経営デザインシートに関するHPアドレス)
以上で第3回目のブログを終了させていただきます。
ご高覧くださり有難うございます。