ビクターの職人魂 | 『売れプロ!』ブログ -「売れる」「稼げる」中小企業診断士に-

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こんにちは、売れプロ第6期生の菊地俊光です。先日、仕事帰りに衝動買いをしました。衝動買いとしては過去最高額の税込み298,080円!! 横浜の地下街の本屋の片隅で実演販売をしていたのでした。

 

何を買ったかと言いますと、ビクターの小さなオーディオです。EX-B3という機種で、CDデッキ/スピーカー一体型のオーディオです。横幅は60cmに満たず、スピーカーのコーンの直径は9cmです。CDDVDの直径が12cmですから、いかに小さいかが分かるかと思います。

 

 

この小さなオーディオから、信じられないほど豊かな音楽が流れていたのです。まろやかな高音に深い重低音。音楽の良さがガツンと伝わってくるのに、耳には優しいサウンド、まるですぐそこで音楽を演奏しているような、、、はじめは通り過ぎたのですが、やはり気になるので、10メートルほど引き返し実演販売をしていた方からお話を伺いました。

 

要約しますと・・・ 

 

・ビクターの開発者が作りたい放題作ったら、モノはよいが量産が出来ないスペックとなり、ほぼハンドメイドとなったそうです。そのため、量販店、オンラインでは販売しておらず、実演販売での限定販売となっています。山形の工場で年間2000台程を生産しており、これを実演販売で売り切るそうです。私のときは限定7台の販売でした。

 

・技術面では、特許27件を含んでおり、他社の追従を許さない製品とのこと。たとえば、通常スピーカーのコーンは紙でできているのですが、本製品はウッドコーン、つまり木製です。また、スピーカーの後ろには通常「綿」が入っているのですが、本製品ではウッドチップです。これは両方とも特許だそうです。

 

・なぜここまで木にこだわるかというと、楽器は木製のものが多いので、オーディオを構成するスピーカーコーンなどの部品は木製こそがふさわしい、というコンセプトなのだとか。

 

・写真のように、上から見ると台形になっています。豊かな低音を出すためには、台形が一番良いそうです。これも特許です。その他、CDデッキで使用されているビスが左右で素材が違うなど、細かい工夫が盛りだくさん。ここには書ききれないくらいです。

 

・本製品は、ビクターのホームページにすら掲載されておらず、コスモサウンドという会社が独占販売しています。コスモサウンドの取り扱い製品は、現在はこの EX-B3のみ。男気溢れます。もともとは、BOSECDデッキ/スピーカー一体型のオーディオを販売していたそうです。そのコスモサウンドが、ビクターのウッドコーンに目をつけ、ビクターに対し同様の一体型のオーディオを開発しませんかと持ち掛けたそうです。ビクター側がこれを受けて開発した結果、出来上がったのがこの製品というわけです。

 

内情は分かりませんが「やりたい放題開発した」という話からは、品質の良いものは売れるにちがいないというプロダクトアウト感があります。ですが、これもまたその製品のもつストーリー性だと思います。

実演販売で聴ける音のすばらしさと制作秘話を聞くと、「俺が音に徹底的こだわって作ったんだ、どうだ最高の音だろう?!」といった声が聞こえてきそうな職人魂を感じます。30万円近い価格設定すら安く感じます。販売方法も、このインターネット全盛の世で対面実演販売のみ。値引きには一切応じないそうです。実に武骨です。

 

日本のモノづくりの競争力低下が叫ばれています。市場分析やマーケティングも勿論大事ですが、こういう職人魂こそ日本のモノづくり復権の鍵となるのではないかと感じました。がんばれモノづくり日本!

 

 

 

 

今回が売れプロ6期生としての最後のブログとなります。これから売れプロ卒業生として飛躍していきます。充実した売れプロ生活でした。青木先生、運営の先生方、売れプロ同期生のみなさま、ありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。

 

売れプロ6期生 菊地俊光