年が明けて、税理士受験の専門学校の
受験経験者クラスの講義が始まる時期です
本日のテーマは、
『税理士受験専門学校の選択と
勉強の講師との相性について』
■ 大手2校から選択
TAC、大原簿記学校(以下、大原)
私は、この二つの学校で勉強しました
最近はネット視聴できる安い専門学校、通信教材がありますが、
この二校は、母体数の多さと実績で安心感があります
・近くに学校があって通学できたこと
・自習室が利用できること
・TACは、簿記論、財務諸表論のパック割引、株主優待
大原は、会計事務所割引があったこと
これらの理由により他校は選択肢にありませんでした
周りに多くの税理士がいる職場環境でしたが
TAC、大原以外で勉強した人は一人のみ
その一人も、高校卒業後進学したのが会計系専門学校で、
在学中に3科目、残りを就職後大原で取得したとのこと
最近ポコポコ新しい学校ができているので
今後は合格者数を増やし、勢力図が変わるかもしれません
現時点では、
費用面でのデメリットを受け入れることができれば
TAC、大原の2校どちらかを選ぶのがよい気がします
■ 講師との相性
過去を振り返って思うことは、
『講師との相性は合格するうえで超重要』
大都市圏であれば、通える範囲に学校がいくつもあります
選択肢があるなら自分の性格に合う講師を探してください
人気講師だからと言って自分に合うとは限りません
気持ちよく勉強でき、合格できるわけではありません
私は、法人税法で人気講師の講義を受けていましたが
まったく合わなかった・・・
テキストがあるのに独自の作成のプリントで講義
テキストはほぼキレイなまま終了→不合格
相続税法では、講義中に
「税理士試験、舐めないでください!」
「理論ちゃんと暗記してください!!」
若干怒り気味で言ってくる講師もいました
自分の人生を変えるために、
税理士試験を受験していましたが
『お前のためには絶対合格しねぇ!!』
と度々心の中で叫んでました・・・
簿記論は、講師との相性はあまり感じませんが、
税法は、理論暗記や勉強のモチベーション維持をするため
『メンターとしての講師との相性』が大事だと思います
◇ 消費税法の講師について
消費税法は、TACで合格しました
年配のベテランの先生で
比較的小さな教室に半分しか生徒がいませんでした
話が楽しく、よく脱線して色々な話をしてくれました
そんなところが毎回講義に出れたポイントだったりします
一番良かったお言葉は、
「本試験で理論が思い出せなかったら
『一定の場合において、
一定のときに、
一定の規定の適用がある』
と書けば、最低でも1点はもらえますからね」
理論を一字一句暗記することが合格への近道ですが、
この話を聞いた時、気持ちが楽になったことを覚えています
最悪な時の逃げ切り方を教えたもらったのが、
この講師に巡り合えた最大のメリットでした
本試験当日も、べた書きなら大量に規定を書く必要があり、
解答用紙のスペースの都合や時間との兼ね合いから
「一定の場合において、~」と書く必要があったため
講師からのアドバイスは、合格に不可欠なアドバイスでした
Y先生、ありがとうございました
◇ 法人税法の講師について
法人税法は、TACで合格しました
法人税法の受験当時、私は、超ブラック事務所で働いており
日付が変わってから帰宅やパワハラ体質な上司などのストレスで
すでに税理士試験に対してやる気はありませんでした
ただ惰性で週末午前午後の講義に出るだけの時間を過ごし
試験前日に、明日自分は何しにいくんだ??
と思った年もありました
そして巡り合ったのが、自分よりも若干若い講師
失礼な話ですが、講義中の話しぶりから、
「この人、絶対実務やってないな」とか
「そんなんで税務調査来るわけないわ」とか
心の中で思っていました
しかし、法人税法に合格するための講師としては、
相性抜群で超優秀だったと感謝しております
この講師との相性で、良かった点は
「過去の出題実績から、勉強の強弱をかなりつける」こと
たくさんの規定を暗記しなくてはならない法人税法、
やる気もなくなっていたところに新しい風が吹いてきた
この講師の素晴らしいアドバイスは、理論マスターを見ながら
「この規定の3⃣、こんなの絶対出ないから
バツで消していいです~」
「ベタ暗記しなくていいです~、
柱しっかり覚えてください~」
「どんな状況で適用あるのか考えると暗記楽です~」
そんな感じで、覚える個所がサクサク減っていき、
どんどん気持ちが楽になっていきました
長いトンネルを歩いていたら、
出口の光が見えたような感じ
例年通り、やる気がないまま本試験に行きました
ベタ暗記していない私が勝負できるとも思ってなかったですが、
いざ試験となるとベタ書き問題ではなく、
形式もガラリと変わって実務的な考え方を問う問題
理論の柱は覚え、さらに考える力が鍛えられており
短い言葉で作文する能力が周りの受験生に比べて備わっていた
運、そう言われてしまえばそうですが、
消費税法に続き講師の相性が、勉強の仕方、合格に直結したと
強く感じた法人税法でした
M先生、ありがとうございました
◇ 相続税法の講師について
相続税法は、大原で合格しました
法人税法合格後に資産税専門の会社で働き始め
税理士でなくても仕事ができてしまうことを知り
会社から一定の評価が得られ、給料も上がって生活が楽に
趣味の旅行に年6-7回行ってしまう自堕落な生活
副収入も多くなってきたこともあり、
是が非でも税理士ライセンス取得という気持ちが薄れ
残り1科目でしたが、法人税法受験時代よりも
さらにやる気がなくなっていた相続税法受験時代
TACは、理論暗記テキストが多く、講師との相性も良くなく
大原でも、高圧的な講師とは合わず、やる気でず
それでも受験を続けたところで出会ったとても若い講師
この講師、とにかく面倒見がよかった
毎回のテストに、コメントを丁寧に書いてくださり
自分の弱点を的確に指摘してくれました
まったく成績の良くない私に対しても
なんとか合格させてあげたいという感じが伝わってきました
「問題をよく読んでいないから
間違えているように見受けられます」
とよく書かれていました・・・
これは直前期に問題の解き直しをする際に自分でつけていた
間違いメモでも同じことを書いていたので
早い段階から核心を突くアドバイスがもらえてました
また、理論暗記のスケジュールに余裕があるときは必ず
「Cランクの理論暗記も、
自分の言葉で書けるようにしてください」
と何度も注意喚起してくれました
心の中で、
「そんなの出るわけないじゃん」 と思っても
「これだけ言ってくれるんだから、ちょっと見ておくか~」と
こちらの心を動かすのが上手なメンターのような講師でした
そして本試験で奇跡が起こります
なんと、講師から繰り返し暗記をお願いされたCランク理論が
理論問題の2題ともに出ているではないですか!!
試験開始後、文字を書く音が聞こえず、
階段教室の一番上で受験していた私の席から
みんなの動きが止まっていたのが見えたことを
今でも鮮明に覚えています
そんな周りの受験生を他所に筆の遅い私でも
大きなアドバンテージを持ったことで
気持ちに余裕が生まれ、ゆっくり理論を書くことができました
T先生、ありがとうございました
■ 学校選びと講師との相性
学校選びと講師との相性ですが、
大手の2校を選べば母集団の大きい組織に属する安心感と
講師の選択肢が増えるので相性の良い講師に
巡り合う可能性が高まります
・自分で勉強進められます
・モチベーションは常に高く維持できます
そんな優秀な方には必要ないアドバイスですが、
多くの受験生には、講師との相性は大きいと思います
受験勉強にお悩みの方
自分の性格に合いそうな講師を
探してみるのも合格への近道になるかもしれません
サービス業である会計業界においても
お客様が、サービス提供者との相性を考えるのと同じように
税理士試験受験においても、
講師との相性は超重要だと思います