冬空に訊く

前略
なにもいまさら言うべきこともないでしょうし、あなたも大人なのだから、ご自分がしていることの責任をとるおつもりなのだろうとは察します。でもどうか、迷わないでほしいと思うのです。悩んでもいいけれど、迷うとろくなことがありません。悩んで悩んで悩み抜いて人間は大きくなるのです。けれども、迷って迷って迷い抜いた人間は結局擦り切れて薄っぺらになり最後は悲惨な場所に押し流されてしまうのです。後悔ばかりが残る人生だけはどうかお選びにならないように、細心の注意をはらって頂きたいと思います。 ( 辻仁成 「 サヨナライツカ 」 より )
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そうは申されましても
いつだって 悩みと迷いは つがいの様に
一緒にやってくるのです 手を携えて
それは 私自身が俗人であるがゆえのことなのかも知れませんが
今更 大きくなる齢でもありませんし
溜め込んだ後悔もそれなりの数ともなれば幼馴染みのようでもありますし
いまの私には
細心というよりも 放心に近い境地を夢み
苦みとともに飲み干す覚悟こそが 行き着く場所のようにも思えるのです
ええ
最後くらいは
向こうが透けて見えるくらいの薄っぺらさで
風に乗って舞い上がってみるのも悪くは無いようにも思えるのです

水切れして あやうく枯らしてしまいそうな ウォーターマッシュルーム
でも
本当に潤いが足りていないのはどちらでしょうか
鉢ものは 人のこころの有り様を映しますね

一日と
欠かせぬ夏場より 冬場に枯らしてしまうのも
ある意味
人間心理と言えるのでは無いでしょうか

小説の中の手紙に返事書き 萎れた花に水を遣り
「 Glory of Nelly 」 Caravan Palace