坂の上、南に向いた窓 | 一疋の青猫

坂の上、南に向いた窓


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わが家は 駅へと続く 下り坂の途中

朝 息を切らせながら ヒールや 革靴の音が 通り過ぎてゆく

珈琲カップを手にした ベランダで

そんな 人々を 眺める 優雅な ひと時(笑)

時折 恨めしそうに こちらを 見上げる サラリーマン

いやいや 私だって 朝5時まで 仕事したのだと ココロで呟き・・

ベランダの花に 水を撒くと 勢いが 良すぎて

「あ、雨だ!」 小学生の声に

思わず 身を潜める 午前7時30分



そんな 往来 通りの向こうへ

視線を まっすぐ 戻してみると

この季節 一面 ススキの 斜面

南西向きの この部屋からは

夕べには すべてが オレンジに染まる

風に 穂先が きらめいて 揺れる



斜面の上には 何棟かの 集合住宅があって

青々と 生い茂る 4月には

この 草はら 斜面が 通学路

一本の ケモノミチ ならぬ コドモミチ

集合住宅の フェンスの破れへ 続く道

時に 朝の 多忙な時間 寝坊したと思しき

タイトスカートも 駆け下りる(笑)



子供の背丈ほど 伸びた 6月

梅雨を前に 一斉に 刈り取られて

なんだか 落ち着かぬ 景色になってしまうけれど

それも つかの間

日除けの ブラインドと 朝顔のつるに 隠された 夏を過ぎれば

いつのまにか また 一面の ススキの原に・・・



時は めぐる



夕暮れ 買い物袋を 手に

汗を 掻きながら 昇った坂道も



朝の 冷たい 空気に

息を 白くするのも もうすぐだ






「 いつのまにか少女は 」   井上陽水

※ いつのまにか 愛を使う事を知り・・・