巧まざる | 一疋の青猫

巧まざる


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こまかな さざ波の 湾内で ゆらり

ほぼ 直線とも見える 正弦波を 描いて

比較的 周期 長めで 揺れている



初めて 海に 浮かべた時には

まさか

だれも

こんなカタチに

こんな色合いに

なってしまうだなんて・・・

本人だって 思っちゃいなかったろうね



波が洗う外板には そこらの ペンキを塗り

狭っ苦しい スペースに ダクトは 紆余曲折を 余儀なくされ

取り付けられた 銘板も 船名なのか 標識なのか 呪文なのか



増築に 増築を 重ねた 怪しげな スラムの様でもあり

隠し扉に 落ちる床 進入を 拒む 要塞の様でもあり

終末戦争を 生き延びて スクラップで 作った 我が家の様でもある



きっと この姿に 至るには

いちいちの それぞれの 理由 理屈が あったのだろう

その時の 事情なり 都合は お互い 知る由も無く

近くて遠い 隣合せの 他人同士が 巧まず 作り出した この姿



時に

哀れな程に 滑稽で

賑やかなのに 淋しく

不器用だけど ほっとする



剥き出しの 無機質に

時間 と 自然 と 偶然 が 悪戯して



そこに 命が宿ったような