宅地建物取引士 過去問
【問題04】
Aが有する権利の消滅時効に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
① Aが有する所有権は、取得のときから20年間行使しなかった場合、時効により消滅する。
② AのBに対する債権を被担保債権として、AがB所有の土地に抵当権を有している場合、被担保債権が時効により消滅するか否かにかかわらず、設定時から10年が経過すれば、抵当権はBに対しては時効により消滅する。
③ AのCに対する債権が、CのAに対する債権と相殺できる状態であったにもかかわらず、Aが相殺することなく放置していたためにAのCに対する債権が時効により消滅した場合、Aは相殺することはできない。
④ AのDに対する債権について、Dが消滅時効の完成後にAに対して債務を承認した場合には、Dが時効完成の事実を知らなかったとしても、Dは完成した消滅時効を援用することはできない。
【解答】
① ✖ 所有権は、時効で消滅しない。
所有権は、消滅時効で消滅しないとされている。
② ✖ 被担保債権が時効消滅しなければ、抵当権も時効消滅しない。
抵当権は、債務者および抵当権設定者に対しては、その担保する債権と同時でなければ、時効によって消滅しない。
③ ✖ 相殺できる。
消滅時効が完成した債権であっても、時効完成前に相殺適状にあれば、その債権者は、時効完成後に相殺をすることができる。
④ 〇
消滅時効完成後に、債務者が債務の承認をした場合、債務者は、時効完成の事実を知らなかったときでも、信義則上、消滅時効を援用することは許されない。