宅地建物取引士 過去問

【問題11】

 AはBと、それぞれ1,000万円ずつ出資して、共同で事業を営むことを目的として民法上の組合契約を締結した。この場合、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

 

① AとBは、出資の価額が均等なので、損益分配の割合も均等に定めなければならない。

 

② 組合への出資金で不動産を購入し組合財産とした場合、この組合財産は総組合員の共有に属する。

 

③ 組合財産たる建物の賃借人は、組合に対する賃料支払債務と、組合員たるAに対する債権とを相殺することができる。

 

④ 組合に対し貸付金債権を取得した債権者は、組合財産につき権利行使できるが、組合員個人の財産に対しては権利行使できない。

 

 

                  ウインク

 

 

 

                  デレデレ

 

 

 

                  ポーン

 

【解答】

① ✖ 損益分配の割合は、均等でなくてもよい。

 組合の事業により利益が発生したときは、全組合員にこれを分配し、反対に損失が発生したときは、通常、全組合員がこれを分担することになる。この損益分配の割合は、原則として、組合契約の定めによることとなるが、この定めがないときは、各組合員の出資の価額に応じて定める。

②  

 各組合員の出資その他の組合財産は、総組合員の共有に属する。

③ ✖ 相殺はできない。

 組合の債務者は、その債務と、個々の組合員に対する債権とを相殺することができない。組合の債権は、組合に帰属しており、各組合員に分割されるものではないからである。

④ ✖ 行使できる。

 組合に対する債権者は、組合に対して、組合財産からの弁済を請求することができる。また当該債権発生当時における損失分担の割合に応じて、個々の組合員に対して、その個人財産かたの弁済を請求することもできる。この場合、債権者が、債券発生当時に、組合員の損失分担の割合を知らなかったときは、各組合員に対して均等の割合で債権を分担して弁済を請求することができる。