1月14日に開催した人形供養会(にんぎょうくようえ)
社員で話し合い、このたびのテーマを
「想いをつなぐ~引き継がれるもの~」
に決めました。
当日は、あいにくの雪となりましたが、20名以上の
方にお越しいただきました。
2カ月前に子どもが生まれました。
まだ昼夜のリズムが定まっていない
ので、たまに夜に帰っても起きてい
て、ニコッと笑ってくれることがあ
ります。幸せを感じる瞬間です。
当日参加できない方からの事前お預かり分も含めると、30名以上の方が、思い入れのあるお人形や、お品物をお持ちいただいたことになります。
テーマを決める際、私たちは改めて考えました。
「皆さまが、なぜお人形の供養にご参加いただけるのか?」
その答えの一つが、日本人の考え方。「ものには魂が宿る」という教えです。
昔から、私たち日本人にとって、特に人形とは特別なものでした。
身代わりとしての厄除けであったり、
験担ぎのお守りであったり、
子供の成長を願う贈り物であったり、
はたまた、共に過ごした相棒であったりもします。
そんな思い入れのあるものに対して「使わなくなったから」といってゴミ箱に捨てられないのは、当然のことであると同時に、実は素晴らしいことなのです。
「ものに対しても、愛情をこめて接することができる証拠なのです。
ものに対してそういう思いができるということは、人に対してもできるということ。
私たち日本人は、そんな素晴らしい考えを持ち合わせている民族なのです。」
これは前回に引き続き、ご供養をお勤めいただきました法華山 示現寺の鈴木ご住職が、ご法話でおっしゃったお言葉です。
当日、会場の入口には節句や人形供養
の歴史について解説するパネルを展示
私たちは日々人の命に係わる仕事をさせていただいておりますが、「想いを伝える」という意味では、対象が人でも物でもなんら変わりないのではないでしょうか。
ご住職はこうもおっしゃいました。
「仏像は、仏様の形をしたものに、人が想いを込めるから仏像であり、
思いを込められたここにいるお人形さんたちも、そういう意味では
仏像と変わりない、かけがえのないものなのです。」
ご供養の儀では、鈴木ご住職より魂抜きを含むお経を唱えていただき、その中でご参加の方々にお焼香をご案内。皆様、40分間のお勤めに最後までご参加くださいました。
お人形のために、大切なお時間を費やすこと。
そして、改めて想いを伝え、お別れを告げること。
皆様とともに時を過ごす中で、この優しい気持ちは、これから先も日本人として代々引き継がれていくべき「心」だと、切に思いました。
魂抜きをして、お預かりしたお人形は、責任をもってお焚き上げをし、ご供養報告書を後日発送させていただきます。