おはようございます! 
浦和高等学園の 金子です。
(http://www.urazono.net
)
先週の日曜日(11月9日)に
ビートたけしさんが司会のテレビ番組を見ました。
そこでは色々な国々のニュースや面白い映像を
紹介し、それらに対して
ゲストの方々が色々とコメントをしていくものでした。
日曜日の8時頃の番組だったので、見た方も多いかと思います。
(番組名は失念しました・・・すいません・・・)
そこで、一つ、アメリカからの映像で、
ゲームばかりする息子に
腹を立てた、父親が息子のゲームを芝刈り機で、粉々にしてしまうという、
「衝撃的?」
「過激?」な映像が流れていました。
撮影しているのは、その家の長男。
つまり、ゲームの所有者は弟君です。
その弟君は大学生ですが、
大学に行かず、アルバイトもせず、
毎日ゲーム三昧。
その生活に父親が喝を入れるためにも、荒療治に出たのでした。
その一連の様子を撮影した兄もなかなかですが、
やはりそのような荒療治に踏み切った
「父親」の姿に私は感動すら覚えました。
兄の撮影能力もさることながら、
まず、
弟君が自室の異変に気づく場面から
映像が始まります。
「ゲームがない!!!
どうしたんだ、誰がやったんだ!
」
と狼狽する弟君。
弟はゲームを探しに部屋を出て行きます。
兄は弟の部屋に入り
撮影を続けます。
すると、
壁にかけられたホワイトボードに
「仕事をしろ!
大学にいけ!
ゲームはもうやめろ!
by 父より」
というメッセージがありました。
それから、
兄は弟を探しに行くと、
庭でなにやら騒ぐ弟の声が・・・
庭の中央に、
ゲームが乱雑に山積みされています。
その向こうには、
芝刈り機に乗った、
「父親」の姿が・・・
弟は叫びます!
弟:「なんでこんなことをするんだよ、親父!
俺がゲームが好きなんだよ!」
父親:「お前は大学にも行っていない。アルバイトも
していない。そんなやつにゲームをする資格
はない!!!」
弟は狂ったように、
「なんでだよ!!!」
といいながら
山積みにされたゲームソフトの
何枚かを手にとろうとします。
すると、芝刈り機の力強いエンジンが響きます。
その音にたじろぐ弟・・・
父親はサングラスをしていて、
表情こそ分かりませんが真剣さは伝わってきます。
そうして、
結局は山積みにされたゲームを父親は芝刈り機で、粉々にしてしまいます。
それを見て、
弟は
「ウォーーーーーーーーーーーー!!!!」




と
叫びながら地団駄を踏みます。
その姿は、もはや大学生
ではなく、
幼稚園の子
が思うようにいかなくて、
泣いてかんしゃくをおこしている姿
のようでした。
この映像を見て、
ゲームやPC等に、
はまり込み、ニート状態に陥っている子どもを
救うためには、
この父親のように、
芝刈り機で壊してしまうことが必要だといった
短絡的な一方通行の考え方を
賞賛しているのではありません。
この親子には、この親子にしかないエピソードや関係性があり、父親も散々考え、悩み、子を思うゆえに、このような行動をとったものでしょう。
その後、この弟君がどのようになったかは、
分かりません。
激昂して、より引きこもってしまうかもしれません。
父親に暴力を振るうかもしれません。
もしくは、
この荒療治が功を奏し、大学に通うようになるかもしれません。
アルバイトを始めるかもしれません。
そこは誰にも「分からないこと」でしょう。
しかし、
私個人的には、この父親の行動には
拍手を送りたいと思います。
(賛否両論あるかともいますが・・・)
庭に山積みにされたゲームの数からして、
総額、10万円はくだらないでしょう。
少なくとも10万以上の数でした。
金銭的な面をみれば、どうみても、「損」なことです。
また、
そのゲームは父親自身が稼いだお金とも言えるでしょうし、
子どもの大切にしているものを、
父親は勝手に壊してしまうには
心が痛むことでしょう。
にも拘わらず、
この父親は、粉々にした。
そこには、
この父親にしかわかることのできない、
子どもへの想いがあるでしょう。
その「想い」があるからこそ、
この行動がとれたのではないかと・・・。
人はそれを時に「愛」と呼ぶかもしれません。
「愛」の本当の意味は難しく、
究極的にはわからないことでしょうが、
この親の「想い」は目に見えません。
だからこそ、その「想い」をきちんと表現し、
伝えることが大切だと私は考えています。
この「きちんと表現し、伝える」ことが
難しいのですが・・・
今回、ご紹介したエピソードは近年、
「子どもがネットにはまっていて、
昼夜逆転の生活をしている。
どうしたらよいか?」
「学校に行かず、パソコンばかりしていて、
部屋から出てこない」
などといった相談を保護者の方から結構な数、
受けます。
そのような時、始めは経緯や、
主症状などをきちんと聴取し、
信頼関係を築くことに
専念します。
その後、関係性が出来てきたら、
以下のような
質問をすることが多いです。
「目の前で覚せい剤を打っている子どもがいたら、
どうしますか?」と。
すると
多くの親御さんは
「それは、もちろん、(覚せい剤を打つのを
)止めさせます」
と返ってきます。
これは自明のことですよね。
目の前でわが子が
覚せい剤を打っているのに、
「本人の意思ですから」
「本人の人生ですから」と
そのまま放置する親はいないでしょう。
ゲームや携帯も、形や作用こそ違うも、
精神衛生上、
「覚せい剤」といっても過言は無いように思います。
一度、のめりこむとなかなか、
それを手放すことができなくなってしまう。
頭では「もうやめよう」と思うも、
なかなか止められず、
昼夜逆転の生活になってしまっている
子どもの保護者の相談をたくさん聞きます。
そうなってしまうと、
もう「依存症」状態といえるではないでしょうか?
依存症の治療は「断つ」ことです。
「ほどほど」ではだめです。だめというか、
「ほどほど」で止めることができるのであれば、
適当なところでやめることが出来ているはずです。
「ほどほど」でやめられないからこそ、
「依存症」なのです。
よって、子どもの「依存症」を治すためには、
先の父親のように「断たなければ」ならないのです。
繰り返しますが、
こうして、言葉で言うのは、簡単です。
実際に行動に移すのは容易ではない。
けれども、何かしら行動に移さないと、
どんどん依存症は進行してしまいます。
今、お子さんがゲームやパソコンにはまっていて、
どう対応していいのかわからなくなっている
親御さんがいましたら、是非一度ご相談ください。
正解はありません。
けれども、視点を変えてみることや、
考え方を増やしてみること、
親のかかわりを変えていくこと、
夫婦関係を見直していくこと
などなど
一緒に対応策や解決策を考えていきましょう。
追:にしても、ゲームを壊された時の
弟君の言動には、正直、驚くというか、
怖くなりました。
重なりますが、
本当に大学生には見えなかった・・・
「自主自立」からは程遠い、
「あわれ」といってもいい姿でした。
一人でも、この「弟君」のような状態の
子ども達を救いたく、
日々臨床に励んで生きたいです。