おはようございます!
金子です。
(http://www.urazono.net)
知能検査について私が気をつけていることを2回続けて述べてきましたが、3回目の今日でまとめたいと思います。
その際に私が注意している点、気をつけている点を述べたいと思います。
まずは、数値だけの伝えることや、
専門用語を多用することはしません。
専門家同士での情報共有では、簡潔にかつ専門用語を使います。
が、専門家でない本人や保護者には、
専門用語ばかりな内容では、ちんぷんかんぷんになってしまうでしょう。
なので、なるべく専門用語をかみ砕いて、
誰にでもわかりやすい容易な言葉を選んで
説明するように心がけているのですが、
これがまた難しい作業なのです。
例えば、
「社会的相互作用の質的障害を抱えていると思われる」
なんていう説明が専門書にはあるのですが、
これは「他人と適切な会話ややりとりが苦手で、
そのために対人関係において、
ストレスを抱えやすく、
また相手に不快な思いをさせてしまう可能性が高いでしょう」
なんていう表現に代えます。
次いで、検査から読み取れた結果を
わかりやすい言葉で記述し、
そこから見て取れた得意な点・苦手な点を明らかにします。
そして、「今後としては・・・」という今後の具体的方針を記します。
この「今後の具体的な支援方法」が実際の家庭生活や学校生活において本人はもちろんのこと、
保護者や先生方に重宝されることが多いです。
心理検査から
「この子はこういう特色がある・・・」、
「この点が苦手である・・・」といった分析は
臨床心理士はとても得意といえるでしょう。
しかし、私の理想としている臨床心理士はここで終わってはならないと思っています。
そのような特徴や苦手な部分を今後、
どのように補佐していくか、
支援していくことが有効かを検討し、
実践していかなければ、
意味がないと言えるでしょう。
この点について参考にしているのが
『新・心理診断法』の著書、片口安史先生の言葉です。
新・心理診断法(片口安史著、金子書房)、P247より引用します
(中略)受験者に対して、検査結果を伝える場合、
精神医学的な疾病概念を用いることを極力避け、
人格特徴、ことに、その肯定的で発展可能な側面を中心とした特徴を知らせることが望ましい。
そのためにも、検者は、検査結果が示す人格の
肯定的、積極的な側面に注意を向ける必要が
ここに存在する。
とかく診断的人格検査が、人格の異常性、弱さ、
病的傾向などの否定的・消極的な側面に目を向けがちであるからである。
最後に、私が判定文でも添付している文章を挙げます。
「最後になりましたが、今回の検査で出た結果は一つのツールでの結果です。
絶対ではありません。
今後、可能な限り、~~さんはもちろん、~~さんの日常生活をよくご存知の保護者の方とも綿密に面接し、よりよい環境、よりよい対応が出来るよう、共に考えていきましょう。
今後、また何かございましたらまたお気軽に連絡頂ければと思います。お疲れ様でした」
というものです。
3回にわかって、「心理検査を実施する際に思うこと」について述べてきました。
もちろん今回述べたことがすべてではなく、
ここに書ききれない注意点や、雰囲気作り、言葉使いなどがあります。
そしてまた、今後、私の中で変化していくものでもあるでしょう。
しかし、その根底になるのは
「心理検査だけでその方の能力や性格がわかることではない」
ということです。
そして、その方の健康な部分にもきちんと目をむけることも忘れてはならないでしょう。
これからも、様々な心理検査をとることになると思いますが、
日々勉強を怠らず、
初心を忘れず、
励んでいきたいと思います。