理学療法士の山本です。
10月に入り、まだまだ今年は残暑が抜けきらない日々ですが、皆様夏バテなどしてないでしょうか?この長かった夏の間、冷房つけて室内で過ごし、体力が低下してしまった方も少なくないのではと思います。

 

ようやくこれから気持ちよく屋外で運動出来る季節になります。夏で弱ってしまった体力、免疫力などなど…、運動で回復していきましょう!これらの一般的に「気力・体力」と言われるようなものは運動以外の要素も関わりを持ちます。今回は、「フレイル」という概念を参考に、運動以外の要素も含めて「気力・体力」の回復を考えたいと思います。

 

「フレイル」とは?
『加齢に伴う予備能力低下のため、ストレスに対する回復力が低下した状態』と定義されています。健康な状態と要介護状態の中間に位置し、身体的機能や認知機能の低下が見られる状態です。大きく以下の3つのフレイルが構成要素となります。
 
① 身体的フレイル
「活動性低下、筋力低下、動作の緩慢性、疲れやすさの増悪、体重減少」これらのうち3つ以上に該当で身体的フレイル

 

② 心理的・認知的フレイル
精神・心理的要因がサルコペニア・身体的フレイルを生ずる場合が該当
認知的フレイルは身体的フレイルに起因して認知予備能が低下した状態


※サルコペニア 
高齢期にみられる骨格筋量の減少と筋力もしくは身体機能の低下

 

③ 社会的フレイル
独居、社会的ネットワーク、社会参加、経済状況など複数の判定方法で判定
以下、いづれかの指標から2項目以上該当で社会的フレイル
「独居、近隣住民との交流、社会参加、主観的経済困難感」
「独居、外出頻度、友人との交流、役割、会話」

 

フレイルの予防に関して「運動」は予防効果がデータとして証明されています。また、関連して重要な要素は「社会とのつながり」と言われています。

 

当院から徒歩すぐの場所にある「別所沼公園」では、毎朝100人規模でラジオ体操が年間通じて行われています。涼しい季節、外に出てみんなで運動する習慣をつくるというのもフレイル予防、およびQOL(人生の質)の維持・向上に大切なことかと思います。各地域においてそのような活動に参加してみるのも良いかもしれませんね。では、待望の秋を満喫していきましょう!