「歩くこと」について

 こんにちは、理学療法士の川崎です。夏の暑さとゲリラ豪雨と奮闘しております。この時期はなかなか外に出るのも辛く感じる方も多いのではないでしょうか?

 最近はとても暑い日が続きますが皆さんは一日どのくらい歩いていますか?実際に歩数計を携帯して計測したりしていますか?厚生労働省の発表によりますと成人男性9200歩、成人女性8300歩、高齢男性6700歩、高齢女性5900歩を目標に歩くことで高血圧や脂質異常症、糖尿病の予防、転倒リスクの軽減を図ることができるとの事です。歩くことは負荷量的には筋トレと比較しても高くないですが、

 

①    全身運動による脚や体幹の筋力向上

②    適度な負荷での有酸素運動による血圧、血糖値の低下

③    自律神経の安定による睡眠の質の向上

④    記憶力や思考力の向上といった脳機能の活性化

 

などのたくさんの効果があります。

 

 ただ実際は膝などに痛みが生じていたり最近の異常な暑さだったりしてなかなか歩くことができない方が多いのではないでしょうか?そういった事情の方々にいっぱい歩いてくださいというのはなかなか心苦しいものです。膝などの脚に痛みを感じる方は歩きすぎるということはあまり良いことではないのでそういった方々には一般的に推奨される歩数よりも少ない歩数を目標に歩いていただくようにお伝えしております。また屋外での移動手段として自転車の使用を推奨することも多いです。

 

 また靴や靴紐について助言させていただくこともあります。長い距離を歩く場面では大体靴を着用しているということが多いため靴はとても重要になります。ソールの厚さやクッション性はもちろんですが紐をしっかりと結ぶかによっても足と靴の一体感は変わり歩行の安定性向上につながります。紐を結ぶ前に踵の部分を床にトントンと数回当てて踵をしっかりと合わせることもおすすめです。私自身もスポーツをしていたということもあり靴はもちろん紐に関してもこだわりがあり、形や長さや通し方、実際に使用してよかった商品など色々とお伝えしたいことがありますがここでは割愛させていただきます。

 

 脚に痛みを感じている患者様や暑さでなかなか外を長い時間歩くことができない患者様に対して歩行の時間帯や機会も提案させていただくこともあります。最近は外もとても暑いためなかなか日中外で歩くことも難しいのが現状です。そのため私は朝の涼しい時間帯でのウォーキングやお買い物の際のスーパーなどの商業施設での歩く量を少し多めにすることをおすすめしています。商業施設の中は空調も効いており屋外の通路も外よりも整備されているためとても歩きやすい環境です。スーパーだけでなく大型ショッピングモールの中も同じ環境で品ぞろえの種類も多く色々なものを歩いて見て回れるため楽しくとてもいい運動になると思います。

 

 もう一つ私が個人的に推奨したいこととしまして食後の軽いウォーキングです。ご飯を食べ終えてから大体10~15分ぐらいの間に10~15分ぐらいの時間を自宅内もしくは外を歩くといったものです。適度な負荷の有酸素運動による身体機能の向上はもちろんですし、食後は血糖値が急激に上昇しやすいため血糖値の上昇による血管を傷つけることを防ぐといった目的としてもとても効果的です。私自身も体調を崩したこともあり食後の運動を習慣化することにしたところ体調の回復はもちろん、血液検査での血糖値も下げることができました。

 

 9月、10月になると今よりも暑さは和らぎ今よりも涼しくなってくると思います。当院の近くには別所沼公園という大きくてとても歩きやすい公園がありますので当院にお越しいただいた際に少し寄ってみるのもいいかもしれないですし、秋はコスモスの花も咲き始める頃なので少し離れておりますが、大宮にあります「大宮花の丘農林公苑」や岩槻の「鹿室コスモス畑」といった名所の花を見ながら歩いてみるのもいいかもしれません。

 人間が生活動作の中で最も行っているであろう「歩く」という動作。リハビリを通して「以前よりも歩けるようになった」、「痛みなく行きたいところに行くことができた」といった声を聞けると私もとてもうれしいです。

今回紹介したことをぜひ皆さんも参考にしてみてください!