☆11月のコラム☆
【筋肉痛】
理学療法士の山本です。
長かった猛暑の夏が終わり、気候も過ごしやすくなり、ようやく運動もしやすい季節となりました。今回は、猛暑により運動の機会が減り、久々に運動する方に経験されそうな「筋肉痛」について考えてみます。
従来は、加齢に伴い遅れてやってくる、乳酸の蓄積により痛みが生じる…など諸説ありました。現在では、加齢による影響そのものというよりは、加齢による「運動不足」から毛細血管の機能が低下することが問題と考えられています。乳酸に関してはエネルギーとして再利用されるポジティブなものとして考えられています。
筋肉痛は、すぐに生じる「即発性」と、遅れて生じる「遅発性」の2種類があると言われています。
〇即発性筋肉痛
急性筋肉痛とも呼ばれる、運動した直後や早ければ運動している最中に起こる筋肉痛です。激しい運動をして筋肉に強い負荷がかかり、過度の緊張状態が続くと、血の巡りが悪くなるため、筋肉の代謝物である「水素イオン」がたまりやすくなって筋肉痛が起こります。
〇遅発性筋肉痛
運動して数時間から数日後に生じる筋肉痛。一般的に筋肉痛といわれるのは、この遅発性筋痛を指します。最も遅発性筋痛になりやすいのが、下り坂を駆け下りたり、重い荷物を下ろしたりするなど、筋肉を伸ばしながら力を発揮する伸張性(エキセントリック)運動です。
普段あまり運動をしない人は毛細血管が発達しておらず、筋繊維を修復したり、痛み物質を取り除いたりするのに時間がかかります。
トレーニングなどで普段使わない筋肉を使ったり、同じ動作を繰り返したりすると、筋肉を構成している繊維(筋繊維)に細かな傷ができます。傷んだ箇所を修復する過程で炎症反応が生じて、ブラジキニンなどの痛みを生み出す刺激物質が生成され、筋肉痛が出現すると考えられています。
筋肉痛を発症すると、熱感や腫れを伴う痛みが生じます。筋肉部分に力を加えたり、動かしたりすると痛みを感じるため、日常生活に支障をきたすこともあるでしょう。症状が軽い場合は、運動後から数日で症状が軽減されます。
暑い時期に運動不足で体力・筋力ともに弱ってしまった方も少なくないかと思います。少しずつ無理のない運動を楽しんでいきましょう!